【on this day in】2月11日──2012年
【写真】カジノで開催。北米型の華やかなイメージのLFCだったが、地元勢がいなければ、当然のようにファイターの招聘に関しても出費はかさむ(C)MMAPLANET
Legend FC07
@マカオ、シティ・オブ・ドリーム内グランドハイアット・マカオ
「シンガポールのONE(FC)、韓国のROAD FC、グアムのPXC、そして香港のLegend FC。2012年頃から、アジア太平洋地域における──これらのプロモーションの活動をMMAファンに伝えることを、勝手に自分に課されたミッションだと捉えるようになった。色々な問題はあるし、一筋縄ではいかないが、それでもアジア太平洋地区と日本人ファイターのつながりは、当時と今では比較にならないほど親密になり、日本のMMA界にとってアジア太平洋地域のプロモーションは欠かせない存在となった。ただし、LFCだけもうその活動を見ることはできない。リング使用、簡単に世界を名乗らず、王座もアジア太平洋王座と謳っていた正真正銘のアジア基盤のプロモーション。出場選手もアジアとオセアニアのファイターのみ。アジア在住の米国人やブラジル人にも門戸を開いていなかったLFCを3年前の今日、初めて取材した。しかし、この5カ月後にシティ・オブ・ドリームからのスポンサードを打ち切られ、資金繰りに窮したLFCは大会延期が続き、最後に求めた中国本土進出に失敗したことで、命運が尽きる。初取材から僅か4大会を開いただけで活動停止に追い込まれた。韓国も、フィリピンもグアムも大会が継続開催されることで地元のファイターが急速に力をつけた。ONEはインドネシアとマレーシアで選手を育成している。LFCの拠点となる香港&マカオにはそれがなかった。地元ファイターが育っていれば、カジノのスポンサードがなくても大会は開けていただろう。TVやスポンサーなと色々とMMAイベントに必要だ。ただし、選手層の広がりと成長、それこそビジネスとしてのMMAに最も欠かせないベースであることをLFCの失敗が示している」
on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。