【OFC20】初代フライ級王座決定戦、穴のないモライシュ×間合いが勝負エウスタキーオ
【写真】初代フライ級王座決定戦はモライシュ×エウスタキーオ。ブラジルの強豪モライシュ優位は動かないが、エウスタキーオがどのような間合いの取り方を見せるかにも注目 (C)ONE FC
12日(金・現地時間)、カンボジアの首都プノンペンのダイヤモンド・アイランド(=ピッチ島)にあるプッチ・シアターでOFC20「Rise of The Kingdom」が開催される。メインは初代フライ級王座決定戦、アドリアーノ・モライシュ×ゲヘ・エウスタキーオ戦が組まれている。
台湾・台北、UAE・ドバイに続き、OFCにとって今年になって3カ国目となる初進出国でのイベント開催。メインはブラジル人とフィリピン人ファイターによって、ウェルター級、ライト級、フェザー級、そしてバンタム級に続き同プロモーション5階級目となる王座が争われる。
ゲヘ・エウスタキーオはチーム・ラカイ所属、軽量級天国のMMA新興国フィリピンを代表するフライ級ファイターだ。ベースは散打、そして打撃主体だったラカイにあって、寝技のセンスがピカイチなのがエウスタキーオだ。これまでのキャリアは6勝2敗、PXCにおけるスプリット判定で負けた試合を除けば、黒星はOFCで体重超過のアンドリュー・レオーネに敗れたのみ。相手の打撃を捌きながら、回転系の蹴りを使いこなすなど、抜群の距離感を持つ。フィリピン・ムエタイ界からMMA転向のユージーン・トケーロ、そして日本の渡辺健太郎を破り、今回の王座決定戦に駒を進めてきた。
そんな将来性も含め、東南アジア期待のエウスタキーオだが、このベルトを賭けた一戦ではモライシュ優勢は動かしがたい。エウスタキーオもOFC初戦で当時イヴォルブMMAに所属していたアレックス・シウバを下し、一気に注目を集めるようになったのだが、同じブラジリアンでもシウバとモライシュでは、力が違う。MMA戦績11勝1敗、この一敗もフライ級ではない。修斗南米王者からOFC入りしたモライシュは、フライ級としては長身、スムーズな打撃を繰り出し、よどみない組みからポジション奪取、フィニッシュに結び付けることができる。
今年3月の元修斗世界チャンピオン、漆谷康宏戦ではテイクダウンから立ち上がり際にバックを制し、即RNCを極めている。続く6月のランボー宏輔戦も、サブミッションディフェンスとスクランブルの攻防で粘りを見せたランバーから肩固めで一本勝ち、改めて極めの強さを見せつけた。OFCは今や名実ともにアジア最大のMMAプロモーションであることは疑いようがないが、モライシュの力はアジアを通り越したワールド・クラス。あれだけの組みの強さに加え、打撃を苦にせず、漆谷のアウトMMAを攻略できるのだから、穴はない。エウスタキーオとしては、最初のテイクダウンを阻止することが大切になってくる。それにはリーチで劣りながら、相手のレンジの外で戦い、かつ自分の打撃を当てること。こう文字にするだけでも、如何に困難なファイトになるか、想像がつく厳しい一戦となる。
■ ONE FC20対戦カード
<OFC初代世界フライ級王座決定戦/5分5R>
アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
ゲヘ・エウスタキーオ(フィリピン)
<ライト級/5分3R>
カロス・フォドー(米国)
ヴィンセント・ラトゥール(オランダ)
<カンボジア・フェザー級GP決勝/5分3R>
TBA
TBA
<ライト級/5分3R>
スーズデイ・チャオ(豪州)
アルナウド・ルポン(フランス)
<バンタム級/5分3R>
ラディーム・ラーマン(シンガポール)
ソン・ミンヤン(台湾)
<フェザー級/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
ジャン・カイチー(マレーシア)
<カンボジア・フェザー級GP準決勝/5分3R>
チン・ヘン(カンボジア)
チャン・リーチ(カンボジア)
<カンボジア・フェザー級GP準決勝/5分3R>
チャン・ロタナ(カンボジア)
プラク・チャンシン(カンボジア)
<フェザー級/5分3R>
ミース・メウ(カンボジア)
チン・ヘンペン(カンボジア)
<女子50キロ契約/5分3R>
タロス・サム(カンボジア)
ブイー・スレイチャイ(カンボジア)