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【Copa Podio07】ロ&ドゥリーニョ、全勝で予選グループ突破

Abraham Marte

【写真】シティ・チャレンジは、サントドミンゴ(ドミニカ)のアブラハム・マルテが、ブエノスアイレス(アルゼンチン)のマルチン・オタヴィアーノに快勝。シティ・チャレンジの候補に東京も挙がったこともあったが、時間無制限とはいえ重量級がメインになると厳しい(C)COPA PODIO

10日(土・現地時間)、ブラジルのリオデジャネイロはボタフォゴ地区のジナーシオ・ボタフォゴでプロ柔術大会コパ・ポジオが開催された。世界の強豪たちを集めてファン垂涎のカードを提供してきているこの大会、今回の目玉はこれが3度目となるライト級グランプリだ。まずは大会前半に行われたスペシャルマッチ3試合と、グランプリ予選リーグの模様を振り返ってみよう。

<10分1R ギあり>
タナー・ライス(米国)
Def. 腕十字
アレッシャンドリ・ヴィエイラ(ブラジル)

コブリーニャから黒帯を授かり、タンキーニョから大金星を奪ったこともある米国の新鋭タナー・ライスと、ブラジルの茶帯の有望株ヴィエイラの一戦。ガードに飛びついてから積極的に仕掛けでいくライスは、オモプラッタでスイープを決めてパスに成功。エスケープを図ったヴィエイラの背後に付くと腹固めを狙い、さらに腕を伸ばしにかかる。キムラグリップでヴィエイラの腕を捕獲したタナーは、最後は改めて腕十字を極めて完勝した。

<10分1R ギあり>
ルーカス・”ハルク”・バルボーザ(ブラジル)
Def. 2-0
パトリック・ガウジオ(ブラジル)

お互いに負けたくない気持ちが強く、スタンドの攻防が長引いてしまったこの試合。後半ようやくガウジオが引き込んだと思いきや、50/50の体勢で攻防が止まってしまう。結局流れの中で2点を奪ったバルボーザの勝利となった。

<シティ・チャレンジ 時間無制限 ギあり)>
アブラハム・マルテ(ドミニカ)
Def. 十字絞め
マルチン・オタヴィアーノ(アルゼンチン)

ドミニカ共和国出身にして、昨年のムンジアル最重量級で3位に入っている長身のマルテは、アルゼンチンのMMAファイター=オタヴィアーノを得意のガードに引き込むと、オモプラッタで崩して背後に。オタヴィアーノは足関節狙いで対抗するものの、やがてマルテが両足フックを完成。さらにマウントに移行して十字絞めでフィニッシュ。第一線で活躍する競技柔術家の実力を見せつけた。次回はドミニカのサントドミンゴ市が、世界の他の都市の挑戦を受けることとなる。

【ライト級グランプリ】
<緑グループ>
1位 レアンドロ・ロ(ブラジル)14P
2位 グレゴー・グレイシー(ブラジル)10P
3位 ルカ・アナコレッタ(イタリア) 6P
4位 シモーニ・フランセスチーニ(イタリア)3P
5位 ハムゼ・ラシード(ヨルダン) 0P

本命のレアンドロ・ロはラシード、フランセスチーニといった外国の若手勢に対して、いつものように引き込んでからのスイープで上を取ると、十八番のニースライドパスを仕掛けながらブラボー・チョークのグリップを作って極めを狙って行く。そうしてラシードには腕十字を、フランセスチーニには十字絞めを極めてみせた(アナコレッタ戦は相手の負傷欠場による不戦勝)。

「ロら世界最高峰の選手に、各国から伸びてくる若手が挑む」というテーマがあった今回のコパ・ポジオ。だがロは若手たちをまったく寄せ付けずに圧勝。むしろ代名詞であったパスガードとオープンガードに加えて極めの力まで披露し、その怪物ぶりがさらに進化したことを見せつけたのだった。

グループもう一人の大物、グレゴー・グレイシーも新鋭相手に気を吐いた。体格とMMAの経験を活かしたテイクダウンでポイントを奪い、各選手たちが仕掛けてくる「モダン柔術」系の技術に対して、低く胸を合わせてゆくオーソドックスなプレッシャーで対抗。スイープを取られても持ち前のスクランブル力で上を取り返して若手3人に全勝した。

<6分1R>
レアンドロ・ロ(ブラジル)
Def. 8-2
グレゴー・グレイシー(ブラジル)

事実上緑グループ決勝戦となったこの試合、まずはいつものように引き込んだロがXガードからのスイープで先制。そこから得意の脇差し&ニースライドパスを狙ってゆくと、体格に勝るグレゴーはスクランブルからタックルを決めて同点に。ロは再度Xガードからのスイープを決めて担ぎを狙って行くと、またしてもそれをふりほどいて立ち上がるグレゴー。ウェルター級MMAファイターの面目躍如といったところだ。

しかし、試合がスタンドに戻るとロは引き込んで一気に巴スイープ。高々とグレゴーの体を舞わせると、すぐさまサイドコントロールへ。残り時間僅かのところで大差がついて勝負ありとなった。ガードの固さだけでなく、スイープのバリエーションも見せつけたロが快勝し、予想通り予選を1位突破してのけた。

<黄グループ>
1位 ジルベルト・”ドゥリーニョ”・バーンズ (ブラジル)14P
2位 ヴィクトー・シウベリオ (ブラジル)6P
3位 フェルナンド・ヴィエイラ(ブラジル) 5P
4位 ジャンニ・グリッポ (米国)3P
5位 マーシオ・アンドレ (ブラジル)1P

<6分1R>
ジルベルト・”ドゥリーニョ”・バーンズ (ブラジル)
Def. 腕十字
ジャンニ・グリッポ(米国)

前週にMMAの試合で勝利したばかり、競技柔術には久々の登場となるドゥリーニョは、初戦で米国の若きモダン柔術の使い手グリッポと対戦。地を這うようなテイクダウンでドゥリーニョが先制すると、グリッポは外掛けガードから回転する得意の動きで反撃を狙う。しかし、体勢を低くあずけて対処したドゥリーニョは、やがて両足担ぎの体勢に入って、上から隙間を作らずにプレッシャーをかけてパスに成功。そのまま腕十字を決めて貫禄の一本勝ちを収めた。

久しぶりの柔術試合で一本勝ちを飾ったドゥリーニョは、その後の試合においても持ち前のテイクダウン力と極めの力を発揮。軽量級のベテラン、フェルナンド・ヴィエイラにはテイクダウンで、アンドレの下からの仕掛けはアンクルで切り返して一本勝ち。体格で劣らないシウベリオには苦戦したものの、スクランブルから凄まじいスピードでバックを奪いに行く動きで2点獲得。トレードマークともいうべきこの動きが健在であることも示して全勝でグループを制した。

黄グループの他の4人は実力が拮抗し接戦を繰り広げていたが、体格に恵まれたシルベイロが僅差で2位となって予選突破。アンドレ戦で見せたパス狙いから迅速でバックを奪ってチョークを極めた動きは見事だった。シルベイロはドゥリーニョ戦でもタックルで押しこんだり、バックを奪いかけるなど健闘が目立った。とまれ、誰もが期待した通りロとドゥリーニョの二強が全勝で予選を突破。あとは2人が準決勝で順当勝ちすれば夢の対決が決勝で実現するはずだったのだが……。

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