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【Copa Podio07】カスティーリョが一本勝ち。帝王ロ、完全制覇

Copa Podio

【写真】終ってみればコパ・ポジオの帝王ロが、1Pも譲らず貫録の優勝を果たしたライトGPだった。

10日(土・現地時間)、ブラジルのリオデジャネイロはボタフォゴ地区のジナーシオ・ボタフォゴで開催されたプロ柔術大会コパ・ポジオ。JJgloboがお送りする詳細レポート、最終回はノーギのスペシャルマッチ、グランプリ3位決定戦&決勝の模様をお伝えしたい。

Castillo  vs Rasheed<ノーギ・チャレンジ/時間無制限>
ダニー・カスティーリョ(米国)
Def. 肩固め
ハイダー・ラシード(ヨルダン)

若きデザート・フォース王者のラシードは引き込むと、ハーフガードやXガードからのスイープを試みるが、レスリングベースのUFCベテラン=カスティーリョは、強力なスクランブル力を活かして上をキープする。さらにラシードがスイープで上になりかけるも、カスティーリョはすぐにアームドラッグで上を取り返す。

やがて低く体重を預けたカスティーリョが足を一本またいでハーフで抑えにかかると、ラシードは嫌がって抵抗。そこに乗じて背後に付いたカスティーリョは、さらに逃げようとするラシードを肩固めでがっちり捕らえて貫禄のタップアウト勝ちを収めた。UFCでは打撃からテイクダウン&パウンドの印象が強いカスティーリョだが、アルファメール勢のグラップリング能力の高さを示すような一本勝ちだった。

<3位決定戦/6分1R>
ヴィクトー・シウベリオ(ブラジル・黄グループ2位)
Def. 0-0 アドバンテージ2-2 マイナスポイント1-2
ジルベルト・”ドゥリーニョ”・バーンズ(ブラジル・黄グループ1位)

グループ予選における接戦の再戦となったこの試合。体格でドゥリーニョに劣らないシウベリオは、立ち技でも五分に渡り合う。やがてドゥリーニョは引き込んでクローズドガードへ。足を閉じたままのスイープでマウントを取りかけるが、シウベリオもすぐに返してアドバンテージ止まりに。その後は、ドゥリーニョの強固なクローズドガードをシウベリオがなかなか開けられない展開に。

終盤を迎え、ついにドゥリーニョがガードを開くと、シウベリオはニースライドパスへ。これがアドバンテージとなるが、ドゥリーニョもすかさずテイクダウンで切り返して上を取ったところで試合終了。ドゥリーニョの勝利かと思いきや、最後のテイクダウンダウンはポイントにならず。逆にドゥリーニョにはクローズドガード時のマイナスポイントが二つ付いており、勝者はシウベリオに。元世界王者を倒すという大きな勲章を手にすることとなった。

片やドゥリーニョ。準決勝は立ちにこだわって試合を落としたが、この試合は引き込みを選択したものの、ガードでの防御を堅固にしすぎることで、相手にやられたわけでもないのに点を失ってしまった。膠着を防ぐためのルール改正が常に繰り返される競技柔術。ドゥリーニョの数年間のブランクがここで響いたといっても良いかもしれない。

Lo vs Gregor Gracie<決勝戦/6分1R>
レアンドロ・ロ(ブラジル・緑グループ1位)
Def. 5-0
グレゴー・グレイシー(ブラジル・緑グループ2位)

これまたグループ予選の再戦となった決勝戦。予選ではスイープを2つ取られたグレゴーが先に引き込むが、ロはすかさず十八番の脇差し&ニースライドパスの体勢に。膝から割っていった足がまさに抜けんとしたところで、グレゴーが一気にスクランブルで立ち上がることに成功した。

次に引き込んだのはロ。Xガードからグレゴーを返しかけるも、体格に勝るグレゴーはバランスを保つ。グレゴーは立ち上がってパスを狙うが、ロは強靭かつ長い手足を利して許さずない。アドバンテージで勝っているだけに、ロは下から余裕を持って試合を進めているようだ。

残り1分となったところで、グレゴーは上体を低くして担ぎパス狙い。ロはそれを未然に防ぐと、すぐさまXガードからスイープに成功。と、次の瞬間にはパスしてサイドを取ってしまった。残り数秒で5-0、勝負有り。さらに迅速な腕十字を仕掛けたものの、極まる前にタイムアップに。最後は気力が切れてしまった感のあるグレゴーに対し、恐るべきスピードの畳み掛けで、ロが完勝した。

優勝候補筆頭のロが、無失点で今回のグランプリも圧勝。しかも、この日は2試合で一本勝ちしており、極めが少ないという印象も払拭してみせた。各国の新世代柔術家の飛躍ぶりが見所の一つだった今回の大会だが、進化を見せつけたのは他ならぬ帝王ロであった。ここのところ、階級にこだわらず凄まじい勢いで試合をこなし、驚異的な戦績を上げているロ。階級別においては世界で独走状態のこの男は、いったいどこまで強くなるのか。階級を上げてメジオ級に臨む次の舞台=ムンジアルも見逃せない。

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