IT’S SHOWTIME JAPANは成功だったか!?
7月18日(月・祝)、東京・ディファ有明にて、『IT’S SHOWTIME JAPAN countdown-1(IT’S SHOWTIMEの部)』&『REBELS.8(ムエタイの部)』が開催された。このイベントは二部制で構成されていたが、大会名からもわかるように、発足されたばかりのIT’S SHOWTIME JAPAN (STJ)のカウントダウン企画が目玉だ。
【写真】メインイベントでは、日菜太がペトロシアンに挑むも、その余裕を奪うまでには至らず、悔やまれる判定負けを喫した (C) MMAPLANET
IT’S SHOWTIME JAPANは、来年にも本格始動されることが発表されており、今回はIT’S SHOWTIMEのサイモン・ルッツプロモーターが来場。いよいよ日本上陸という気運が高まった。そんな中で、大きな注目を集めたのは、K-1MAX王者にして、無敵の存在となっているジョルジオ・ペトロシアンの参戦だ。迎え撃つのは、アルトゥール・キシェンコを倒し、世界のトップファイターの仲間入りを果たした日菜太。IT’S SHOWTIMEが誇るキングを、日菜太がいかに攻略できるのかが、この試合の見どころといえた。
大歓声の中、ゴングが鳴ると涼しい顔で日菜太に近づき、軸を足を払うペトロシアン。これだけで、会場がどよめく。日菜太が得意とするミドルキックは、間合いをコントロールして空回りさせ、見切りの天才らしさをみせた。蹴りを出せば空振りさせられ、待てばパンチのラッシュが襲いかかる。まるで、日菜太はペトロシアンに魔法をかけられているみたいだ。しかも、ミドルキックを空振りすると、バックブローの反則を放ってしまう日菜太。IT’S SHOWTIMEでは、バックブローは禁止で、これを3回も使ってしまい、痛恨の減点2が日菜太に与えられた。
それでも日菜太は、左ローキックでペトロシアンを追い込み、見せ場を作ったがタイムアップ。判定は、ジャッジ5者ともにペトロシアンを支持。反則がなければ……と悔やまれる試合となった。ペトロシアンは、「日本のファンは、私を応援してくれると思っていました。日菜太は、とても強い選手なので、難しい試合でした」と感想を語り、颯爽と花道を戻っていった。
ペトリシアンがこれまで以上に慎重に戦ったのは、セミファイナルで、IT’S SHOWTIMEを代表するモサブ・アムラーニが、イム・チビンにまさかの判定負けを喫してしまった影響もあったことだろう。アムラーニは、ボーウィーやアヌワットといったムエタイの強豪をKOしたことがあるほどの実力者で、チビンには楽勝と思われていた。
ところが、1Rにヒザ蹴りでダウンを奪っておきながら、中盤から後半に入って失速。延長戦では猛攻を仕掛けられて、判定負けを喫してしまったのだ。リングサイドを陣取ったルッツプロモーターは、苦虫を噛み潰した表情でショックを隠せない様子。アムラーニは、チビンが握手を求めにきても、強く拒否をする態度を貫いた。
この日は、チビンの快挙に加え、IT’S SHOWTIME世界61キロ級王座挑戦者決定戦の板橋寛と山本元気がレベルの高い試合を繰り広げたばかりか(板橋の判定勝ち)、梅野源治がラジャダムナンのムエタイランカーをローキックでKO勝ち。日本と韓国のレベルを見せつける形となった。
これらの結果を、IT’S SHOWTIME側がどう受け止めるかで、今後の展開が変わっていくのは間違いない。ただし、優秀なビジネスマンのルッツプロモーターのことだから、本格的に始まるまでは、日本と韓国のファイターを活躍させて、最後においしいところを持っていく計算をしているかもしれない。K-1の弱体化で、勢力を増すIT’S SHOWTIMEは、来年、日本へ本格上陸を果たす!!
■『IT’S SHOWTIME JAPAN countdown-1(IT’S SHOWTIMEの部)』試合結果は以下の通り
<第6試合 70キロ契約/3分3R>
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
Def.判定5-0
日菜太(日本)
※30:26、30:25、30:26、30:25、30:27、日菜太は、バックブローの反則で減点2
<第5試合 IT’S SHOWTIME世界65キロ王座挑戦者決定戦/3分3R>
イム・チビン(韓国)
Def.延長判定5-0
モサブ・アムラーニ(モロッコ)
※10:9(5者とも)。本戦=29:28、27:27、27:27、27:27、28:28。チビンは1R、右ヒザ蹴りでダウン1
<第4試合 IT’S SHOWTIME世界61キロ級王座挑戦者選定試合/3分3R>
板橋 寛(日本)
Def.延長判定5-0
山本元気(日本)
※10:9(5者とも)、本戦=29:30、30:29、29:29、29:30、29:29
<第3試合 ヘビー級/3分3R>
コウイチ・ペタス(日本)
Def.2R0分44秒KO
ナミ・イル(韓国)
※前蹴り
<第2試合 67キロ契約/3分3R>
T-98(日本)
Def.3R判定5-0
渡部太基(日本)
※30:27、30:27、30:27、30:27、29:27。渡部は3R、パンチ連打でダウン1
<第1試合 58.5キロ契約/3分3R>
SHIGERU(日本)
Def.3R判定5-0
プンダム・M16ムエタイスタイル(M16ムエタイスタイル)
※30:28、30:28、30:29、30:28、30:27