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【Pancrase363】粕谷優介と挑戦者決定戦、神谷大智「正直、技術面で勝てない面が多いです。経験も違う」

【写真】静かな口調で。覚悟が伝わってくる言葉が聞かれた神谷だった (C)MMAPLANET

28日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase363で、神谷大智が粕谷優介とライト級次期挑戦者決定戦で戦う。
Text by Manabu Takashima

粕谷優介といえばパンクラスから豪州=Etnernal MMAでレイナード・キンタナにモディファイド・ツイスターで一本勝ちし、海外での評価を高め昨年のRoad to UFCに挑んだ。しかし、韓国のキム・サンウクの前にパウンドアウト負けを喫し、アジアの壁を知った。その後、パンクラスで松岡嵩志戦で再起すると、3月には葛西和希とのタフファイトをスプリット判定で勝ち切った

粕谷戦の1カ月前に盟友・南友之輔のセコンドとして、再びROAD T UFCに触れた。再度、痛感した海外との差。昨年、自らの敗北を機に、気持ちを当たらにUFCを目指す神谷はマカオを訪れたことで、さらに覚悟を持って日々の練習、そしてケージでのファイトに向き合っていた。

神谷選手は去年のRoad to UFCに敗退後、初戦でキム・サンウゥクに敗れました。半年以上を空けて、昨年12月にパンクラスで再起。3月には葛西和希選手とのタフファイトを制しました。


UFCを目指すというのは、絶対で崩れるモノではなかった

――2週間後に粕谷優介選手とライト級次期挑戦者決定戦を戦う神谷選手です(※取材は15日に行われた)。昨年のRoad to UFC敗北後、パンクラスに約2年振りに復帰。あの時点で目指す場所と、パンクラスを選んだ理由は何だったのでしょうか。

「Road to UFCで負けた時、悔しいという言葉では言い表せないぐらい……なんていうのか、失望感が凄かったです。調子に乗っていた自分が恥ずかしかったし。自分の経験値が足らない状態で、Road to UFCに出場したと今は思っています。もう格闘技をやりたくないと思うぐらい、恥ずかしい負け方でした。

でも、それを払拭できるのは自分がしかいなくて。パクろうが、何だろうか、とにかく強くなってやると思いました。正直、あの負けでこれから自分は何を目指すのか、悩むだろうと思っていました。でもUFCを目指すというのは、絶対で崩れるモノではなかったです。今もUFCを目指しています。

パンクラスを選んだのは……あの時点で海外のフィーダーショーという選択もありましたが、もう一度見つめ直すには、プロデビューから戦ってきたパンクラスが一番なのかと思いました」

――正直、神谷選手に関してはEternal MMAの一本勝ちをどのように評価の遡上とするのか。そこは我々も難しかったです。

「Eternalでの勝利で、海外での評価が変わったというのはあったと思います。そして僕もあの勝ち方で行けるんじゃないかとなった結果が、あれでした。あの敗北を経験をし、しっかりと自分の土台を創り直そうと思ってパンクラスで戦うことにしました」

――UFCと契約するために、通行手形のようになっている国内のベルトはオクタゴンの中に入ると通行手形ではない。それは既にハッキリしていることかと思います。

「そうだと思います。正直、海外のフィーダーショーの方が強い相手はいくらでもいます。そういう相手と戦う機会が、日本はあまりない。結果、レベル的には劣っています。

僕も自分が実際にRoad to UFCに出た痛感した部分もありますし、今年はセコンドで現地に行って……。僕も負けた身だから言える立場じゃないけど、変わってねぇなと思いました。国内のMMAの状況とかではなくて、他の国と日本の差が変わっていないって」

――ただ神谷選手がコーナーマンに就いた南友之輔選手や、栁川唯人選手、亮我選手は豪州やニュージーランド勢相手に良い戦いをしていたと思います。

「僕も身内だからということでなく、勝てる要素があって戦っていたと思います。ただカシム・マードックは良いパンチが入っているのに、すぐに戻る。僕はBRAVEのなかでも南とは仲が良くて、セコンドをやっていて止めないといけないけど、彼がここまでやってきたことがあったので……止めることができなかったです……」

南は良い場面がありました。でも、細かい所で負けた。そこを見つけるために、何よりも経験が重要だと思いました

――私もケージサイドで撮影をしていて、ここを逃れたら一発があるかもって思ってしまいました。神谷選手は、私などとは比較にならない想いでセコンドに就いていたでしょうし……。

「ただ、セコンドなら止めないといけなかったです。止めるのが正しいです。それこそ僕も一発があるからって、思っちゃいました。しかも、タオルを投げちゃいけないから、レフェリー任せになるのかという勘違いもあって。

だから口では『動け』と言っているのですが、気持ちは『止めてくれ』って叫んでいました。タオルを握りしめて……」

――タオルを投げない代わりの試合の止め方を、把握しておく必要があったのでしょうね。

「ハイ……」

――苦い経験を自分自身、そして仲間の敗北で経験した。新たにこれからに対し、強い覚悟が出来たというのは?

「南は良い場面がありました。でも、細かい所で負けた。そこを見つけるために、何よりも経験が重要だと思いました。豪州やニュージーランドが出るようになったからとか、そういうことでなくて。日本人選手が全体的に、技術が変わっていないと感じたので。

ただ何事も完璧はないと思っています。時間も限られているなかで、穴を無くすこと。自分の強みを生かす。それを戦いながら、再確認しようと思います。南と戦ったマードックもそうですが、強いところがあって穴が少ない。強いところがあって、弱いところがあるなんて甘いモノではなくなっています。いくら強いところがあっても、穴が大きいと勝てない。完全にそうなっていると思います」

――ハイ。日本人ファイターの実戦経験でいえば、パンクラスも含め多くのプロモーションにおいて、ベルトを掛けて戦う選手の経験値が低くなっている。上が抜けたことでタイトル戦線に浮上するという構造が関係していると思います。

「そのなかで、まず僕は自分の穴という穴をなくして、自分の強みを生かるようになれば、ちゃんとMMAファイターになれるのではないかと思っています」

今の僕にとって、バルボーザだけが目指すところ

――中身のあるファイトという意味では、葛西選手との試合を勝ち切ったのは大きかったのではないでしょうか。

「タフな試合ができたのは良かったです。本当に僕なんかは、キックボクサーとキックボクシングで戦えるようになるぐらいの穴埋めが必要で。そうでないと、Road to UFCのレベルでは勝たない。だいたいジャスティン・ゲイジーとイリャ・トプリアなんて、あのレベルまで来ているのに、タフファイトをしないと勝てないじゃないですか。綺麗に勝てる力があっても、タフファイトができる気持ちがないといけない。物凄いことを2人ともやっていました。

あの域には及ばなくても、ああいう気持ちの大切さが再確認できました。僕としては、そういう気持ちで粕谷選手に挑もうと新たに思えました。正直、技術面で勝てない面が多いです。経験も違う。粕谷選手は、僕が目指すUFCを経験しているし。

そんな粕谷選手に勝つには、タフな試合展開に持ち込んで心を折ること。技術で綺麗に戦うと、持っていかれると思います。もちろん技術は大切ですが、技術があるうえで気持ちがないと」

――時期挑戦者決定戦として組まれたことは、どのように捉えていますか。

「穴をなくし強みを出せるようになったら、ベルトを狙おうとは思っていたところで、この試合が挑戦者決定戦になりました。ベルトに関しては、ラファエル・バルボーザがチャンピオンになったことで、僕にとっては都合が良い状態になりました」

――それはどういうことでしょうか。

「パンクラスに戻った時の目標が、バルボーザでした。強さを手にするのに、ベルトは副次的なモノで。強い相手と戦うことが、僕に必要だった。バルボーザはLFAでちゃんと結果を残しているファイターで、彼が負けた相手はUFCと契約している。

ラファエル・バルボーザはUFCレベルか、そうでないのかのボーダーライン。今の僕にとって、バルボーザだけが目指すところになっています。ラファエル・バルボーザのような選手に勝てば自信になるだろうし、経験も上がる。そこから先に関しては、とにかく経験を積むこと。だから、すぐにRoad to UFCでなくても……と考えています。

それこそ野村(駿太)さんがRIZINで経験を積んでいるように、僕はRIZINではないかもしれないけど、例えばPFLとかでもちゃんと勝てるぐらいになって、UFCを狙うというやり方もある。とにかく、どうなったとしても勝てる。どういうタイミングで、その時が来ても良いように力をつけていきたいです」

出稽古をして、色々な選手と当たって、良いところを何でも吸収してやろうと

――Road to UFC挑戦以前と、練習環境は変わりましたか。

「そうですね。所属ジムは所属ジムで、宮田(和幸)先生の指導も受けています。そのなかでも自分のチームを創ろうと思ってやってきました。色々なところで出稽古をして、色々な選手と当たって、良いところを何でも吸収してやろうと」

――今回はどのような場所で出稽古を?

「FIGHTER’S FLOW、UNITEDジムで中村K太郎さんと組んで。あとはボクシングジム、それと元々行っていたロータス世田谷に行かせてもらっていて。ロータスで青木真也さんや岩本健汰選手と組ませてもらって、しっかりと心を折られてきました。K太郎さんにもへし折られてもらっています。

世界と戦ってきた選手の強さに触れ、その強さが何なのかを考える。あの一つ、他とは違う強さを自分も創らないといけない。僕は大きくドカンと勝てる選手じゃなかったから、一つずつ勝ってきました。飛び級がなかったです。地道に試合を積み重ねてきて、その裏で一発でバーンと勝って上に行く選手を見て、メチャクチャ嫉妬していました。でも、自分は自分で。そうやってしっかりと、創っていく。結果として、飛び級がなかったことで僕はこうやって、やっていけると思えるようになりました」

――そのなかで目標のバルボーザへの挑戦権を手にするためにも、粕谷選手を相手にどのような試合をしたいですか。

「フィニッシュしたいです。KOでも、一本でも、パウンドアウトでも。バルボーザがビビるような試合がしたい。バルボーザは、パンクラスでは全部フィニッシュで勝っていて、調子に乗っていると思うので。調子に乗っていることを知らしめるために、粕谷さんをフィニッシュします。

まずは絶対に粕谷さんに勝って、バルボーザに向けて、もう一回創りたい。結局のところ、ベルトを取りたいのではなくバルボーザに勝ちたい。もちろんベルトは欲しいです。格好良いし。でも、この先を目指しているのにベルトに執着していると、これからのための自分を創れない。そのなかで、今回の試合はフィニッシュで勝ちたい。

バルボーザ戦も含めて……今、ライト級ではUFCファイターになれないという空気があるので。そうじゃないことを証明したいです。UFCライト級でも日本人はやっていける。だから、エフェヴィガ(雄志)にも頑張ってほしい。『何やってんてんだよぉ』って。

僕らは同い年で、エフェヴィガのことを勝手にライバルだと思っています。同じ悔しさを経験したし、アイツと一緒にUFCまで行って、最高の舞台でエフェヴィガと戦いたいです。本当にそのためにも、一つ一つ勝っていくしかないです。この気持ちでいれば、僕は落とさない。勝っていけると思っています」

■視聴方法(予定)
2026年6月28日(日)
午後12時15分~ U-NEXT


■Pancrase361 対戦カード

<フェザー級KOP暫定王座決定戦/5分5R>
オタベク・ラジャボフ(タジキスタン)
木下尚祐(日本)

<ライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
粕谷優介(日本)
神谷大智(日本)

<フライ級/5分3R>
谷村泰嘉(日本)
眞藤源太(日本)

<ストロー級/5分3R>
氏原魁星(日本)
寺岡拓永(日本)

<フェザー級/5分3R>
亀井晨佑(日本)
畠山祐輔(日本)

<ウェルター級/5分3R>
武者孝大郎(日本)
萱沼徹平(日本)

<ライト級/5分3R>
下山楓人(日本)
宮本樹(日本)

<バンタム級/5分3R>
千種純平(日本)
鈴木勇太朗(日本)

<バンタム級/5分3R>
増田怜央(日本)
村社泰河(日本)

<バンタム級/5分3R>
貫井義規(日本)
近藤悠真(韓国)

<フライ級/5分3R>
大野友哉(日本)
前側慧(日本)

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