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【RIZIN54】「パッチーが弱くなったっていうわけではないと思います」佐藤将光、パッチー・ミックス戦へ

【写真】MMAファイターとして高いファイトIQ、人として深みが感じられる佐藤将光 (C)TAKUMI NAKAMURA

11日(火・祝)に東京都江東区のTOYOTA ARENA TOKYOで開催されるRIZIN54で、佐藤将光がパッチー・ミックスと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

将光は3月のRIZIN52でジョン・スウィーニーを三角絞めで下し、RIZINで初の一本勝ち。グラウンドでのヒザ蹴りを効かせて最後はサブミッションを極めるというRIZINらしい戦いぶりを見せつけた。

そして以前から対戦を希望していたミックスとの対戦がRIZIN54で決定。今大会でも屈指の好カードであり、今後のバンタム級戦線を占う重要な一戦でもあるが、将光は「今はものすごく主観的になっていて、パッチーに勝つことしか考えていない」と語った。


相手が動かないと負けるという状況まで追い込む。そこでミスを誘発する

──試合まで2週間を切りましたが、今の練習状況はいかがですか(※取材は1日に行われた)。

「練習は通常通りですね。月から金曜まで毎日練習して、土曜日は指導だけで、日曜日はほぼほぼ選手のセコンドやサポートが入っている感じです」

──将光選手がセコンドに就いている姿をよく見ますが、セコンドに就くことで選手としての自分にフィードバック出来るものはありますか。

「やっぱり試合勘や試合前の緊張感は感じることが出来ますよね。あとは試合中に気づくことも多くて、こっちはこういう作戦を立てていたのに相手の動きが想定外だったなとか、上手くいかない展開になったら試合中に動きを修正する必要があって、セコンドをやっていると自分が動いてない分、頭を使って考えて指示するじゃないですか。そうやって思考することは自分の試合にもそのまま役に立ちますね」

──なるほど。セコンドに就くことで格闘脳やMMA脳が鍛えられるわけですね。

「試合映像を見る時もそうですよね。例えばUFCをやっていたらUFCを見て、こういう戦い方があるんだとか、こういう技があるんだとか気づくことはいっぱいあります。それで実際に一緒に練習している選手のセコンドに就くとなると、ゲームとしての試合の作り方もそうだし、あとは試合という一発勝負でのメンタリティですよね。

色んな選手を見ているんで選手に合ったやり方があると思うんですけど、試合中のメンタリティは大事だなって。練習では多少冒険できても試合では冒険できないことがあったり、逆にそこが突き抜けている選手は冒険心が強くていい意味でも悪い意味でも思い切りがいい。それが怖い瞬間になることもあるけど、上手くいくこともありますよね」

──ジムそのものも広い場所に移転されました。

「そうですね。以前のジムはおかげさまで一般会員さんも増えて、夜のクラスになるとジムがパンパンで、会員さんもスパーリングに一回入ったら次は休んでもらって…みたいな状況で何か考えなきゃなと思っていたんですよ。プロ練習でもフルでやるスパーリングは2~3組が限界だったので思いっきり練習できないなと。ずっと移転先を探していて、なかなかいい物件が見つからなかったんですけど、凄くいいところにいい広さの物件が見つかって大満足です」

――将光選手のところに練習に行きたいというプロ選手も増えていますか。

「プロ練の写真を見て『練習に行ってみたい』と言ってもらうこともあるんですけど、練習相手にはもう困らなくなったというか。今練習に来ている人数はカバーできるんですけど、今より増えてしまうとカバーできない感じなんですよ。だから新たに練習に来たいというお願いはちょっとお断りしている部分がありますね」

──プロ練習は場所が広くなったからと言って参加人数を増やせるわけではないですよね。練習のクオリティも下げられないですし。

「そうなんですよ。ウチのジムにとってメリットがあれば受け入れられますけど、ただ『練習したいです』で来られちゃうと今は受け入れるのが難しいですね。自分が昔はそうだった分、受け入れてあげたい気持ちもすごくあるんですけど、今それをやっちゃうとちゃんとした練習環境を作れなくなっちゃうので、お断りしている部分も出てきている感じです」

──前回3月のジョン・スウィーニー戦を経て、何を意識して練習されてきましたか。

「スウィーニー戦が終わって、試合が決まっていない期間は単純にやりたい動きだったりとか、単純にゲームとしてMMAを楽しんでいましたね。色んな動きを動画や試合で見て、それを真似したり、自分に足りないと思っていたことをやってみたり。で、自分の試合が決まってからは、相手の映像を見て、相手の対策をずっとやっている感じですかね。相手の対策をして、どこで自分は勝負をかけるか、相手にはどこをやらせたくないか。そういう練習をしています」

──前回のスウィーニー戦はRIZINに来て初の一本勝ちでしたし、フィニッシュして勝ったことも大きかったのではないですか。

「(フィニッシュできるのは)ちょっとした気持ちというか、行き切る時に行くというところだと思うんですよね。このままいけば勝てるという試合展開ってあるじゃないですか。僕はあまりないですけど、寝技でずっと抑え込んでいて極めに行かなくても勝てる展開、打撃だったらアウトボクシングで完全に相手をコントロールしている展開…そういう時にリスクをとって一つ踏み込めるかどうか。そこはちょっとした自分の気持ちで、相手へのプレッシャーのかけ方を強められるかどうかだと思います。

でも、それはゲームをコントロールできている上での話なんで、そもそも勝っていないと難しい。自分が負けている状況で、それをひっくり返すために『どうせ負けているんだから行くしかねえだろ』と思って行くのとは違いますよね」

──一か八かの勝負をかけてフィニッシュを狙うのではなくて、ちゃんと試合を支配したうえで一歩踏み込めるかどうかということですね。

「そうです。僕はフィニッシュはその先にあると思うんですよね。相手や試合をコントロールして、相手にこのままだと負けるから動かないといけないと思わせる、相手が動かないと負けるという状況まで追い込む。そこでミスを誘発するじゃないけど、相手が動いてきたところを狙うみたいなことだと思います」

──コントロールの先にフィニッシュがあるという考え方ですね。

「そうです。出力が高い選手だったら一発逆転フィニッシュもありますけど、基本的には試合をコントロール出来ていないと、だと思います」

──そして今大会ではパッチー・ミックスと対戦することになりました。

「ずっとパッチーのことは見ていたし、自分にパッチーと戦うチャンスが来るとは思っていなかったです。僕がRIZINに参戦し始めた頃は今ほど対世界という感じではなくて、そこまでクロスプロモーションも積極的ではなかったと思うんですよね。もちろん強い外国人選手は出ていましたけど、まさかパッチーを呼んでもらえるとは思わないじゃないですか。

当時はベラトールがなくなるとも思っていなかったし、そこはまた別の世界線だなと思っていたところで、ベラトール勢が参戦して来るとなった時にワンチャンあると思って、Xでパッチーをメンションして戦いたいと投稿したのが最初だったんですよ。面白いもので言霊ってあるんだなと思いますよね。言葉にすれば叶うんだなって」

──戦績だけでいえばパッチー・ミックスはUFCとRIZINを含めて3連敗中ですが、一番いい時期・強い時期をイメージして準備していますか。

「パッチーは強いですよ。首系のアタック、ギロチンやアナコンダチョークやバックチョーク……その形に入られたら抜け出せないと思うし、もしパッチーと練習したら普通にやられるんだろうなと思います。グラップリング技術はすぐに衰えるものではないと思うので、僕はパッチーが弱くなったっていうわけではないと思います。

それこそさっき言った試合でのメンタリティなのか、一通りチャンピオンになってやり終えた気持ちが出ているのか、落ち着いてしまってファイトスピリットみたいなものが試合で出なくなっているのか。そこは分からないですけど、技術的なところじゃなくて、メンタルだったり違うところに結果が出ていない要因があるんじゃないかと思っています」

僕が何もできないで終わる可能性もある

──確かにあれだけ勝ち続けて強かった選手が、急激に技術力が落ちたり、他の選手に上回られるのは現実的ではないと思います。

「年齢的にもそんなに落ちる時期でもないし、そこまでフィジカルに頼って戦っている選手じゃないですからね」

──ずばりパッチー・ミックスと戦うことは楽しみですか。

「楽しみですね。楽しみなことには常に不安や怖さも一緒にあるものですが、それも含めて楽しみです」

──今回は興行的にも日本vs世界がテーマのカードが並んでいますが、そのなかでどのような試合を見せたいですか。

「今は主観的になっていて、自分がパッチーと戦うことにしか目が行ってなくて、興行全体まで見られていないですね。だからとにかく今はパッチーに勝つことしか考えていない。ものすごく主観的になっています」

──今日将光選手にインタビューして、将光選手のパッチー・ミックス戦への想いを聞いていると、将光選手が主観的になればなるほどいい試合が見られるんじゃないかと思いました。

「そうだといいんですけどね。あとは僕が何もできないで終わる可能性もあると思っているので、ちゃんと戦い切りたいとは思いますね。今回は世界に通用するかどうかではなくて、普通に自分の楽しみとして戦いたいというか、ここまで来たボーナスじゃないけど、しっかりパッチーとやり合いたい。

その上で今までパッチーが受けたことのない戦い方でフィニッシュできたら最高だなと思ってワクワクする部分があります。いつもそうなんですけど、自分が作ってきた技術やMMAを試合で相手に対して表現できたら自分の中で気持ちいいというか嬉しいんですよ。それは今回も変わらず、パッチー相手に自分を表現したいです」

■視聴方法(予定)
8月11日(火・祝)
午後1時~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

■RIZIN54対戦カード

<フェザー級/5分3R>
クレベル・コイケ(ブラジル)
秋元強真(日本)

<バンタム級/5分3R>
佐藤将光(日本)
パッチー・ミックス(米国)

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)

<ジャパンGP2026ヘビー級T準決勝/5分3R>
上田幹雄(日本)
エドポロキング(日本)

<ジャパンGP2026ヘビー級T準決勝/5分3R>
スダリオ剛(日本)
酒井リョウ(日本)

<バンタム級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
武田光司(日本)

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
アジスベク・テミロフ(ウズベキスタン)

<フライ級/5分3R>
平本丈(日本)
ジョリー(日本)

<69キロ契約/5分3R>
直樹(日本)
細川一颯(日本)

<フェザー級/5分3R>
水野新太(日本)
リー・カイウェン(中国)

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