【ONE SAMURAI02】修斗王者=田上こゆると激突、山北渓人「得意な動きと得意な動きが繋がって――」
【写真】ONEで日本人トップ選手に圧倒して勝てば、自ずとタイトルマッチも近づいてくるか(C)SHOJIRO KAMEIKE
8月8日(土)に東京都大田区のEBARA WAVE ARENAおおた(大田区総合体育館)で開催される「ONE SAMURAI 2」で、山北渓人が田上こゆると対戦する。
Text by Shojiro Kameike
今年4月、黒澤亮平との元パンクラスKOP同士の一戦を制した山北が、続いて現修斗世界ストロー級王者の田上と激突することが決定した。両者は2021年2月に開催されたRoad to ONE04に出場し、山北は安芸柊斗をKOし、田上がリトルを判定で下している。5年の時を経て、ONEで対戦することとなった2人——山北は「今、自分のスタイルが出来上がってきていると感じます」と自信をのぞかせた。
知らないうちにフィジカルは向上して、国内のストロー級選手とは差がついたんじゃないか
――田上選手との対戦を控えている山北選手です。今年4月の黒澤戦に続き、今回も日本人対決となりました。まず田上選手とのオファーが来た時の感想から教えてください。
「正直、タイトルマッチに近づいているという印象はないです。でも日本大会があることで僕の試合を見てもらえる機会が増えるし、田上選手も修斗のチャンピオンで、ONEに来る可能性はなくはないと思っていたんですよ」
――確かに北米ではフライ級までしか行われていませんし、さらに軽量級のストロー級ではONEが最高峰だと言われています。そのストロー級で世界を目指すのであれば……。
「はい。そうなれば田上選手と戦うことになっても、不思議ではないじゃないですか。そういう選手と対戦できるのは、僕としては嬉しいです」
――ONEでしか戦うことができない海外選手がいると同時に、ONEだからこそ対戦できる日本人ファイターもいますからね。
「そういうことなんです。たとえば前回の黒澤選手も、戦っておきたかった相手だったんですよね。僕はパンクラスのチャンピオンになってすぐONEに行ったじゃないですか。もっと国内で試合をして『日本で一番、ダントツで強い』というところを皆に見せてから、ONEのベルトに挑戦したいという気持ちもあったので」
――だからこそ、自身のあとにパンクラス王者となり、対戦経験のなかった黒澤選手と戦う意味はあったと思います。同時に『日本で一番、ダントツで強い』ことを見せつけるには十分な試合内容でした。
「試合内容は……自分でもビックリしました(笑)。言えば、相手からは何もされていない感じで。1Rは凌がれましたけど、黒澤選手も凌ぐだけの展開になっていましたよね。僕としては相手を動かして、逃げたところを極めたかったんです。打撃をもらうこともなかったし、あと最後のチョイバーも最初は『浅いかな? 逃げられるかな』と思いつつも取ることができて。
結構、僕とはフィジカルの差があるなって感じました。そのフィジカルは海外の選手と戦ってきたら自然と身についたものだと思いますし、ジムでも上の階級——それこそバンタム級の選手と練習したりするので、知らないうちにフィジカルは向上して、国内のストロー級選手とは差がついたんじゃないかな、という感じですね」
ストライカーのほうが相性は良いと思っているので、イ・スンチョルは戦いたい
――山北選手は昨年2月、リト・アディワンを下したあと肩の負傷で、1年以上のブランクをつくりました。そのブランク明けで、あれだけの動きができるというのも驚きでした。
「実は黒澤戦の時点でも、肩の治り具合は90パーセントぐらいで。病院でも『100パーセント治って試合をするなら5月以降に』とも言われていました。医者としては『まだ試合をしてはいけない』と思う段階で試合に出て、自分でも微妙な感じはありつつオファーを受けたんです。でも休んでいる間もトレーニングは続けていたし、それがフィジカルの向上にも繋がったのか、とは思いますね。あくまで結果的に、ではありますけど」
――肩の治り具合が90パーセントぐらい……その状態で試合に臨むことに不安はなかったですか。
「気持ちの面で不安はありました。でも動きに関しては全く……試合でも肩に痛みを感じるような体勢にならなくて。練習でも試しながらやっていたので、その段階で大丈夫だとは思っていましたね」
――なるほど。その黒澤選手に勝利し、次にベルトへの道については、どのように考えていましたか。
「今はランキングがないですけど、実質的に僕の上にいるのはジョシュア・パシオ、ジャレッド・ブルックス、マンスール・マラチェフ、それとボカン・マスンヤネがいると思っています。そのうちランカー3人の中の誰かと対戦して、次にタイトルマッチかと考えていました」
――昨年からのONEストロー級の動きを考えると、ジャレッドはフライ級でリース・マクラーレンに敗れたあと、ストロー級ではパシオとマラチェフに連敗。今年7月にパシオがマラチェフを下し、マスンヤネはイ・スンチョルに敗れました。そのなかでいえば、イ・スンチョルの存在については?
「イ・スンチョル、強いです。マスンヤネも一時期より勢いは落ちたような気がします」
――イ・スンチョル戦でもマスンヤネは相変わらず動き続けていたし、組み続けていました。しかし以前より、組んだあとの展開が見られませんでした。
「そうですよね。イ・スンチョルがそうさせていなかったのか。どちらにしてもレスリングベースの選手が多いなか、同じアジア圏からストライカータイプが入ってきて。僕としてはストライカーのほうが相性は良いと思っているので、イ・スンチョルは戦いたい相手ではあります」
相手がヒジとヒザを合わせる距離というのは、自分が組める距離でもある
――ストライカーのほうが相性は良い……、次に対戦する田上選手もストライカータイプです。
「今回のオファーがあった時、『このタイミングで対戦することになったか』と思いました」
――冒頭にもお話があったとおり、いつか対戦することになるかもしれないという想定はあったのですか。
「はい。ONEで戦っていて、同じストロー級だと修斗やパンクラスの選手は意識していますね。僕と田上選手ってRoad to ONEで同じ日に試合していたじゃないですか」
――2021年2月に開催された、第4回目のRoad to ONE興行ですね。
「田上選手はリトル選手と、僕が安芸柊斗選手と戦った時で。あの時は意識していなかったけど、以降はどんどん倒すようになってきましたよね。それで田上選手については修斗のチャンピオンになったあたりから、対戦の可能性も考えるようになりました」
――当時から現在までの田上選手について考えると、テイクダウン・ディフェンスも向上し、相手に先手を取られてもリカバリーして、しかも倒し切るようになってきました。ここ数年の成長は著しいです。
「最近はそういう試合が多いですよね。自分の打撃の強さに、いろんなものをフィットさせてきた感はあります」
――Road to ONEで同じ日に勝利したファイターが、5年の時を経てONEで対戦することになる。その歴史は浪漫の一つではあります。では山北選手は5年の間に、どういったところが一番成長してきたと思いますか。
「最近は組みの面で――柔術やグラップリングで、得意な動きと得意な動きが自分の中で繋がってきているように思います。繋ぎの部分が強くなったというか。おかげで自分の得意な技が、より生きるようになってきました。今、自分のスタイルが出来上がってきていると感じますね」
――まさに黒澤戦は、山北選手の展開が速かったです。自分が動き、相手が返してきたら次はこう……と仕掛けが連続していて。
「それがいつも練習でやっている動きなんですよね。練習でやって自信があるから試合で同じ動きを出しても疲れることはないですし。だから相手も僕の動きについてくることは難しいと思うし、自分も相手の動きが見えているような感覚があります」
――野球でいえば、ボールが止まって見えるように。
「アハハハ、そんな感じです。試合中も考えることができるし、セコンドの山崎(剛Me,We代表)の声も今までより聞こえるようになっています」
――対する田上選手は、相手が組んでくるか距離を詰めてきた時にヒジやヒザを合わせる精度も高いです。
「普段はあまり対策練習をやらないですけど、今回はその点を最初に考えました。まず距離感と入り方が重要ですよね。遠い距離から入るとヒジやヒザを合わされやすい。ただ、相手がヒジとヒザを合わせる距離というのは、自分が組める距離でもあるので。僕は相手のカウンターを受けながら組めるタイプでもあって――そこはぜひ試合を楽しみにしてください」
■視聴方法(予定)
8月8日(土)
午後4時15分~U-NEXT
■ONE SAMURAI02 対戦カード
<キック フェザー級トーナメント・一回戦/3分3R>
野杁正明(日本)
リウ・メンヤン(中国)
<キック フェザー級トーナメント・一回戦/3分3R>
海人(日本)
モハメド・シアサラニ(イラン)
<キック フェザー級/3分3R>
都木航佑(日本)
ルオ・チャオ(中国)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
田上こゆる(日本)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
山本歩夢(日本)
平山諒(日本)
<キック・ストロー級/3分3R>
奥村将真(日本)
礼司(日本)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
森昴星(日本)
ユースケ・サトウ(日本)
<キック・フェザー級/3分3R>
笠原弘希(日本)
塩川琉斗(日本)
<キック・バンタム級/3分3R>
嵐舞(日本)
北野克樹(日本)



















