【BFC45】持ち味封印フレイレ弟、フェザー級を制す
<フェザー級トーナメント決勝/5分3R>
パトリシオ・フレイレ(ブラジル)
Def.判定3-0:30-27, 30-27, 29-28
ダニエル・ストラウス(米国)
サウスポーのストラウスが、試合開始早々組みついてテイクダウンを狙う。右ワキを差し上げ、フレイレがストラウスをケージに押し込む。ストラウスはフレイレの左手首を掴んで内股を仕掛け、そのままケージに押し込む。両ワキを差したフレイレが、態勢を入れかえるなど、2度、3度とポジションが入れ替わるケージレスリングの攻防が続く。
小手投げを仕掛けるストラウスだが、踏ん張ったフレイレが距離を取る。左に回るストラウスのワンツーをステップバックでかわしたフレイレは、右フックを振るいながら前へ。ストラウスは組みついて、バックへ回り込む。腿へニーを入れ、前方に崩しながら寝技に持ち込もうとしたストラウス。フレイレは胸を合わせてヒザを突き上げる。
距離を取ったストラウスが左ボディを見せると、フレイレが遠い距離からローを蹴り込み、そのままパンチを放っていく。距離を取ったストラウスは、自らのテイクダウンの仕掛けも遠くなりすぎて、がぶられてしまう。ラウンド終了直前、フレイレがジャンピングニーを見せ、これをストラウスが抱えるように投げたところで初回が終わった。
2R、左ジャブを伸ばすフレイレに、右からテイクダウンを仕掛けたストラウス。フレイレは右ハイを見せるが、ストラウスも苦もなくディフェンス。しかし、意識が上に集中したか、フレイレが低い姿勢からダブルレッグを見せると、両ヒザをついてグラウンド戦へ。
寝技に持ち込みたいフレイレは、ストラウスをコントロールし、ボディにヒザを入れると、レフェリーが顔面へのヒザだとブレイクを命じるミスジャッジ。スタンドで試合が再開すると、再び間合いの計り合いへ。フレイレは外に軌道を外しながら、右フックを見せ、そのまま回り込むようにシングルレッグに移行するが、ケージに押し込んだところで自ら距離を取り直す。
ストラウスの左にテイクダウンを合わせようとするフレイレ。徐々にストラウスの動きを見切りつつあるようだ。右ジャブを伸ばし、前に出てきたストラウスに組みつき、テイクダウンを狙うフレイレ。これは、すぐに離れられたが、攻めのテイクダウンを仕掛け続ける。ストラウスも左ストレートをヒットするが、単発になりがちだ。
ラウンド終了直後にシングルでストラウスを浮かせたフレイレだが、直後の投げで両膝をつく。互いに大きな攻勢点のないまま試合は最終ラウンドへ。トーナメント決勝ということで、フレイレもスコアリングを意識した組み立てを貫き、まずはストラウスの攻撃を見切って、無暗に攻撃を仕掛けない。
2度に渡ってストラウスのテイクダウン狙いを潰し、右ストレートをヒットさせたフレイレは、初めて距離を詰めてフックの連打から、ヒザを突き上げる。さらに右を打ち込んだフレイレに対し、ストラウスは組みついてケージに押し込んでいく。ヒザをつき、正座のような形からシングルレッグで押し込むストラウスは、立ち上がってところでニーキックをボディに受ける。
残り2分、再び遠い間合いを取った両者。フレイレが、アゴを突き出し『打ってこい』とアピールする。ここで左ストレートを伸ばしてきたストラウスの左足にシングルレッグを仕掛けたフレイレ。ストラウスはケージを背に、テイクダウンを逃れると、再び遠距離からの黙視線に。
ストラウスの前進にヒザを合わせたフレイレ、両手を高く掲げての挑発行為に、客席からブーイングが飛ぶ。最後にフライングニーを見せたフレイレ。ストラウスはバックに回り、後方にフレイレを投げ捨てる。
相手を倒すためよりも、レフェリーにアピールするような動きが目立った最終回。そのジャッジは2名が30-27、残る1人も29-28をつけ、フレイレがフェザー級トーナメントを制すと、「僕はチャンピオンになることしか考えていない。ジョー・ウォーレンからベルトを奪う」と息を整えたコメントを残した。
スクリーンに前回の対戦でパンチを受けてダウンを喫したシーンが流されると、ケージに上がった王者ジョー・ウォーレンは、「パンチを受けたことは覚えていないし、もう俺は別人だ。次はもっと短い時間で勝つ」と断言した。