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【HEAT58】ジョ・サンヘとキック王座戦、ポッシブルK「甘っちょろいことは言わずにバチバチに行く」

【写真】本名は叶屋啓(かのうや・けい)。叶う=ポッシブル+啓=Kで「ポッシブルK」と名付けられた(C)TAKUMI NAKAMURA

11日(土)、東京都港区のニューピアホールで開催されるHEAT58で、ポッシブルKが韓国のジョ・サンヘとHEATキック ウェルター級(65キロ)王座決定戦で対戦する。
Text by Takumi Nakamura

空手のバックボーンを持ち、RISEでのプロデビュー後は様々な団体で試合を重ねてきたポッシブル。チャンスがあればどんな舞台でも戦う姿勢は、デビュー時に所属していたジムの考えで育まれたものだった。今回は本来よりも一階級上のベルトに挑む形となるが、ポッシブルは真っ向勝負での勝利を宣言した。


――今大会は韓国のジョ・サンヘ選手とHEATウェルター級(65kg)王座をかけて対戦することとなりました。オファーを受けた時はどんな心境でしたか。

「自分の試合をプロモートしてくれている方から連絡をもらったんですけど、自分は去年一度Bigbangでタイトルマッチをやらせてもらっていて、それに続いて今回もタイトルマッチの話をいただいて。階級は1階級上なんですけど、めちゃくちゃありがたいし、気合い入った!という感じで、即決で試合を受けさせてもらいました」

――ポッシブル選手は色んな団体で試合をしていますが、HEATにはどんな印象を持っていますか。

「HEATは名古屋で過去に2試合参戦させてもらったんですけど、名古屋の団体としてすごく盛り上がっているなという印象です。会場もデカいところでやらせてもらいましたし、団体そのものも昇り調子なんだなと思います」

――僕も名古屋でHEATを取材したことがあるのですが、関東・関西とは違う雰囲気がありますよね。

「そうですね。いい意味で関東の大会とは違う色があって、お客さんも含めてHEATならではの雰囲気と盛り上がりを感じます」

――対戦相手のジョ・サンヘはRISEで宇佐美秀メイソンと2度対戦している実力者です。どんな印象を持っていますか。

「率直に身体がデカくてリーチが長い印象ですね。過去の試合を何試合か見たんですけど、フィジカルとパンチが強い選手だなと思います」

――サンヘは67.5キロで試合をしていた選手なので、62.5キロで戦っているポッシブル選手とは体格差も出てくると思います。そこはどう攻略しようと思っていますか。

「自分の戦い方を貫いていけば、自ずと勝機は見えてくると思っています。相手に付き合わずというか、相手のやりたいことをさせないように、自分は戦って勝とうと思います」

――ポッシブル選手は自分の何が最大の武器だと思っていますか。

「精神面では絶対に気持ちは折れないと思っているんで、ボディ、ロー、カーフ…そういう攻撃では絶対倒れたくないし、絶対に倒れないと自分では思っています。あと今はめちゃくちゃスタミナを強化しているんで、スタミナの面でも絶対に負けないと思います。そして自分の持ち味は最後まで諦めない気持ちで、いつも最後の最後までぶっ倒す気持ちで戦っているんで、今回もそこを皆さんに見てもらえればいいなと思います」

――ポッシブル選手はMMAPLANET初登場なので、これまでの経歴についても聞かせてください。ポッシブル選手が格闘技を始めたきっかけはなんですか。

「元々K-1が好きで、ずっとキックボクシングをやりたかったんですよ。でも実際にやるまでには至らなくて、20歳ちょっとぐらいになった時に友達がキックボクシングジムに入ることになって、そのタイミングで自分も一緒にジムに入りました。そうしたら空手をやっていたこともあって、ジムに入って1年弱でプロデビューすることになって、それから12年ぐらいになりますね」

――空手はどういった理由で始めたのですか。

「空手を始めたきっかけは、親と喧嘩じゃないですけど、僕がちょっと悪いことをしちゃって、それを直す目的で(空手道場に)入れさせられました(笑)。でもそこから空手にハマっていき、格闘技にものめり込んでいきましたね」

――空手よりもキックの方が好きだったのですか。

「自分はフルコンタクト空手をやっていたんで、顔面パンチがなしだったんですよ。でも立ち技で強さを追究するなら顔面パンチありでやりたかったし、そこを目指していきたいなと思いました」

――空手のベースも含めて、ジムに入ってすぐ「プロになれるよ」と声をかけられたりもしたのですか。

「最初はRISEのアマチュア大会に何試合か出て、RISEの新人王トーナメントでプロデビューさせてもらった感じです。結構会長が自分を押してくれたみたいで、それもあってすんなり(デビューまで)行かせてもらいました」

――ポッシブル選手は色々な団体で試合をしていますが、以前からチャンスがあれば団体問わずに試合をしたいという考えなのですか。

「なんか出られる試合には全部出させてもらっていた感じですね。今も色んな団体に出させてもらっているんですけど、その考えを作ってくれたのが、以前所属していた翔拳道の内田(ノボル)会長で、内田会長がチャンスがあったら試合にはどんどん出ろという意向だったんです。だから多い時は1カ月で2試合やったりもしていました」

――1カ月に2試合はかなりのハイペースですね。

「会長から言われたら、とりあえず『分かりました!』と言って試合を受けていたので、減量で食べられない時期もしばらく続いていて。今思うとキツいことをやっていたなと思います(笑)」

――ちなみに“ポッシブルK”というリングネームも会長が命名したのですか。

「そうです。会長がいつの間にか決めていて、『これで行こう!』と(笑)。由来としては本名が叶屋啓(かのうや・けい)なので、叶う=ポッシブル+啓=Kで『ポッシブルK』になりました」

――そして現在はご自身のジム=K’GROWTHを運営されているんですよね。

「はい。2021年に自分のジムをオープンしました。当時はコロナの問題があった時期で会員さんを集めるのがめちゃめちゃ大変で。パーソナルトレーニング目的の会員さんから募集して、少しずつ会員さんが増えていきましたね」

――ジム運営と選手活動の両立は大変だと思いますが、充実感もありますか。

「最初はジムもやりつつ、自分で自分の試合も探していたので結構バタついちゃいましたが、充実はしていますね。会員さんも自分のことを応援してくれるし、自分のジムからプロになった選手もいるので、そういう選手をサポートしていると、感慨深くなるというか、めちゃくちゃ気持ちが入りますね」

――その上で一ファイターとしてはどんな目標を持っていますか。

「自分はなかなかタイトルを獲れていないので、自分がタイトルを獲ることでジムの会員さんにすごいなと思って欲しいし、自分の背中を見て成長してほしいという想いはありますね」

――ポッシブル選手は2024年~2025年にSUK WAN KINGTHONGとBigbangで計3度のタイトルマッチを戦っていますが、いずれも敗れています。

「そうなんですよ。タイトルマッチは何度もやっているんですけど、最後の最後でベルトを獲れなくて。例えば昨年11月のBigbangのタイトルマッチの時(奥平将太に判定負け)は絶対にここでベルトを獲らないといけないという気持ちになって、殺伐としすぎていましたね。自分がキックを始めたのは、キックが楽しくて好きだったからなのに『ベルトを獲らなきゃ…獲らなきゃ……』と思いこみすぎて、キックを好きな気持ちを忘れていたと思います。今は気持ち的に軽くはないんですけど、楽しみながら練習をして、楽しみながら戦うことを大切にしています」

――それでは最後に今回の王座決定戦に向けた意気込みをいただけますか。

「まず韓国からジョ・サンヘ選手が日本に来てもらうんですけど、そこは韓国からわざわざ来ていただいてありがとうございますという気持ちがあります。ただ階級は違いますが、全く負けるつもりはないし、フィジカル・パワー的なところでも負けるつもりはないです。ジョ・サンヘ選手が3R以内にKOする、3Rまでいかないみたいなことを話していたんですけど、3Rなんて甘っちょろいことは言っていないで、1Rからバチバチに倒し合っていければと思っています。そして最後は僕がぶっ倒して勝とうと思っているので、楽しみにしていてください」

■HEAT58 対戦カード

<HEATキック ウェルター級(65kg)王座決定戦/3分5R>
ポッシブルK(日本)
ジョ・サンヘ(韓国)

<HEAT MMAバンタム級王座決定戦/5分5R>
川北晏生(日本)
中桐涼輔(日本)

<HEATキック スーパーヘビー級選手権試合/3分5R>
[王者] イ・ホジェ(韓国)
[挑戦者] 木村太地(日本)

<キック 57.5キロ契約/3分3R>
清重真平(日本)
ROSVIN(日本)

<バンタム級/5分3R>
萩原悠人(日本)
千原右京(日本)

<バンタム級/5分3R>
上野惇平(日本)
Jセロウ若林(日本)

<キック 61.5キロ契約/3分3R>
石川龍之介(日本)
小柳俊和(日本)

<バンタム級/5分2R>
野村颯(日本)
宮島暖斗(日本)

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