【UFC320】TD後にグラウンドでの攻撃が少なかったパッチー・ミックス。新顔ヴィクワチに1-2で敗れる
<バンタム級/5分3R>
ヤクブ・ヴィクワチ(ポーランド)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
パッチー・ミックス(米国)
KSWバンタム級王者だったヴィクワチが、本領発揮が望まれるBellator最後のバンタム級王者ミックスとUFCデビュー戦を戦う。右三日月から左ロー、右を伸ばすヴィクワチ。ミックスは左クロスを狙い、ボディストレートに反応する。素早くミドルを蹴るヴィクワチがミドルを蹴ってバランスを崩す。立ち上がったところでダブルに入ったミックスは、担ぎ上げてテイクダウン。ハーフで抑えると、ギロチンを抜いてマウントを狙う。
ヴィクワチが足を戻し、スイープを仕掛けるがミックスはトップをキープする。ボディトライアングルからバタフライガードのヴィクワチが、スイープ狙いからスクランブルへ。ミックスが再度テイクダウンを狙うと、ヴィクワチはギロチンスイープでトップを取り、マウントに近いレッグマウントを取ってエルボーを落とす。ニーインベリーで殴り、サイドでミックスを抑えるヴィクワチがヒジ打ち、ミックスは頭を抱えるが、ボディロックで制された。
2R、すぐに右を伸ばしたヴィクワチに対し、ミックスは距離を詰めて左ストレート。ヴィクワチも打撃で対応し、首相撲&ヒザを突き上げる。さらに右ミドル、ボディを殴るヴィクワチに対し、ミックスは左エルボーを入れてダブルレッグへ。ヴィクワチはギロチンからスイープと初回と同じ動きを見せるが、ミックスはパス。それでも首を絞めてくるヴィクワチを相手にミックスはスタンドに戻った。
口が空いているように見えるミックスは、左エルボーを受けて組みつく。ヴィクワチはジャンピングギロチン、頭を抜いてトップを取ったミックスが右のパウンドを落とす。バタフライで浮かしてスタンドに戻ったヴィクワチに、ミックスが左を入れるが動きはスローだ。歩いて前に出るミックスがヒジ、ヴィクワチが腹を蹴って左を伸ばす。首相撲のヴィクワチに右エルボーを入れたミックス。ヴィクワチも疲れが見える。そのヴィクワチの蹴りが急所に入ったと、ブレイクが入るが腹への前蹴りだった。
再開後、三日月を続けるヴィクワチは首相撲に取るが、有効なヒザはなくミックスがショートのアッパーを連打した。
最終回、右目の上を腫らしたミックスが左を伸ばす。ヴィクワチの前蹴りをキャッチしてテイクダウンを狙ったミックスや、ここもギロチンのヴィクワチをシェイクして頭を抜く。バタフライスイープを潰されたヴィクワチは、一旦はクローズドに取りバタフライスイープをトライし続ける。ヴィクワチは左腕を差すが、レッスルアップはできない。ならばとバタフライで浮かせて足関節狙いもミックスが防ぐ。
トップで防御とうい展開が続くミックスは、ヴィクワチのスイープを潰す動きに徹する。ハーフで抑えたミックスだが、ヴィクワチはここも足を戻す。ミックスはハーフでエルボー、右のパンチをようやく落とすようになる。残り1分、スイープからスクランブルを許さないミックスがボディロックで抑え、ヴィクワチが下からエルボーを打つ。ミックスは最後にスクランブルを許したが、ここでバック奪取。前転にワンフックし、勢いのあるパンチを落としてタイムアップを迎えた。
結果は初回がジャッジ3者ともヴィクワチ。最終回はミックス。割れた2Rで二票を取ったヴィクワチがスプリット判定勝ち。「2Rを終えて接戦だったけど、3Rは取ったと思った。でも、パッチーを尊敬している。彼と戦えた光栄だった。次はもっと見せる。素晴らしい経験になった。皆、心から楽しんでほしい」と判定の見込みは正解ではなかったが、UFC初陣を勝利で飾ったヴィクワチはインタビューで話した。
解説のダニエル・コーミエーは「ジャッジの判断は分からない。パッチーが勝ったと思う」と話していたが、勝敗以上にミックスの動きに躍動感が感じられないことが残念だった。