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【Noche UFC03】ロブ・フォントと対戦、必ず右が当たるダビッド・マルチネス「空手が僕を育ててくれた」

【写真】凄く気持ちの良い受け答えをしてくれたマルチネス。空手をしていたからとは言えないが、本当に好感が持てる選手だ(C)MMAPLANET

13日(土・現地時間)、テキサス州サンアントニオのフロストバンク・アリーナでNoche UFC03= UFN 259:UFC ESPN+117「Lopes vs Silva」が開催される。
Text by Takumi Nakamura

メキシコでは解放された日でなく、スペインから独立を果たす闘争のきっかけとった9月16日を独立記念日としている。そのメキシコ独立記念日の前後のウィークエンドに行われているのが、Noche UFCだ。今年で3度目のNoche UFCも、当然のように数多くのメキシコ人ファイターがラインナップに加わっている。

そのなかの1人ダビッド・マルチネスは、去年のコンテンダーシリーズでUFCと契約を果たしUFCレコードは1勝0敗――キャリア12勝1敗の新鋭だ。12の勝利のうちKO勝ちは10試合、その多くを右ストレートで手にしてきた。抜群の当て感の背景には、絶対的に右が当たる位置取りが存在している。この秀でたポジショニングが、2度目の対戦相手変更を受け対戦することになったバンタム級TOP10のロブ・フォントに通じるのか。

ダビッド・マルチネスに初インタビューを試みると、彼のベースには正真正銘日本の空手が関係していることが分かった。


――今週末、ロブ・フォントとNoche UFCという舞台で戦います。メキシコ人として、このショーで戦えることをどのように思っていますか。

「メキシコ人として、Noche UFCで戦えることを凄く嬉しく思っている。もともとメキシコのグアダラハが開催地で、母国で戦いたいという気持ちもあったよ(※会場の工事の都合で、サンアントニオに開催地が変更された)。でもサントニオの会場内の空気も、きっとグアダラハと変わらないだろう。とにかくロブ・フォントという対戦相手と戦えることになったことが、凄く嬉しい。過去最高位のランカーと戦うことができるからね」

――もともとの対戦相手はカーロス・ヴェラ、そしてクァン・リーに。さらにロブ・フォントと2度の対戦相手の変更がありました。

「色々あったけど、結果としてランク9位のファイターと、コメインで戦うことができる。最高の機会を手にできた。ロブはストライカーだし、凄く良い試合になると思う。そのうえで土曜日は僕が勝者になる」

――ダビッドの試合はコンテンダーシリーズから追わせてもらっているのですが、まだ知らないことばかりです。まず、格闘技との出会いから教えてもらえないでしょうか。

「子供の時に空手を始めた。両親が黒帯の空手家で、僕の先生だったんだ。それからキックボクシング、MMAとコンバットスポーツを続けている」

――おお、フルコンタクト空手か伝統派か。どちらだったのでしょうか。

「極真スタイル、フルコンタクト空手だよ」

――格闘家として日本の血が流れているわけですね(笑)。

「アハハハ。僕は闘真会館(国際親善空手道連盟※愛知県安城市に総本部道場がある)メキシコに所属していた。空手から価値観、規律、愛、一体感、忠誠心を学んだ。空手が僕を育ててくれたんだ」

――キックボクシングでも、世界チャンピオンだったという情報を見ました。

「ワールドゲームスで優勝したことだね。2022年にアラバマで行われたワールドゲームスのK-1スタイルキックボクシング63.5キロ級で優勝できた。

あとはWAKOでもメキシコ、ノースアメリカ、パンナムでチャンピオンになっているよ。でもMMAに転じて、キックでなくMMAがもっとも情熱を注げる僕のスポーツだと分かったんだ」

――そのMMAでは昨年のコンテンダーシリーズに出るまでキャリアのほとんどをCombateで戦っていますね。

「Combate Globalはメキシコ、エクアドル、チリ、アルゼンチン、全ラテンアメリカの優秀なファイターに米国での試合機会を与えてくれる最高のフィーダーショーだよ。ラテンアメリカ諸国のファイターの成長に欠かせない」

――ところでお姉さんのメリッサが、ダビッドより2年早くUFCとサインをしましたね。

「僕は世界一番の彼女のファンなんだ。姉は空手でもキックボクシングでも、MMAでも常に僕の目標だった。キックで世界チャンピオンになり、UFCも僕より先に契約した。僕は彼女の背中を追って、ここまでステップアップしてきたんだよ」

――そのメリッサもまだトップ10ランカーとは試合が組まれたことがありません。改めてロブ・フォントの印象を教えてもらえますか。

「グッドファイター、良いストライカーだよ。その打撃はUFCでもトップの1人だと思う。KO勝ちも多いし、気持ちもアゴも強い。でも僕は自分の技術と、戦う上での直感を信じている。きっと、上手く戦うことができるよ」

――ダビッドは常に右が当たる位置を見つけて出して、戦っています。あの能力は天性のモノなのか、練習で身に着けたものなのでしょうか。

「そんな風に言ってもらえて凄く嬉しいよ(笑)。きっと半々だと思う。父と母から受け継いだDNAもあるだろうし、その両親からしっかりと、厳しい稽古をつけてもらったことも大きい」

――ダビッドが言っているようにロブ・フォントは優れたストライカーでKOパワーがあります。ただパンチを振り回すというタイプでなく、しっかりと試合を組み立てています。

「僕と同じで凄く積極的なファイターだよ。パンチ力の強さを軸に、相手を倒す戦いができる。そのためにしっかりとした戦術を持って戦うという共通点もある。土曜日の試合も、しっかりとゲームプランを持ってロブ・フォントと戦う。闘士として畏れられる試合をする。ハードな試合になることは間違いないからね」

――ところでUFCバンタム級には中村倫也というプロスペクトがいます。彼のことを意識することはありますか。

「ナカムラ?」

チームメイトの1人 リンヤ・ナカムラだよ。

「あぁ、彼のことはこれまで余り気にしていなかったけど、今度からはTikTokでチェックするよ」

■視聴方法(予定)
9月14日(日・日本時間)
午前4時00分~UFC Fight Pass
午前3時45分~U-NEXT


■Noche UFC対戦カード

<フェザー級/5分5R>
ジエゴ・ロピス(ブラジル)
ジアン・シウバ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ロブ・フォント(米国)
ダビッド・マルチネス(メキシコ)

<ライト級/5分3R>
ジャレッド・ゴードン(米国)
ラファ・ガルシア(メキシコ)

<ミドル級/5分3R>
ケルヴィン・ガステラム(米国)
ダスティン・ストーツフス(米国)

<バンタム級/5分3R>
アレキサンダー・ヘルナンデス(米国)
ジエゴ・フェヘイラ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
サンティアゴ・ルナ(フランス)
クァン・リー(ベトナム)

<ミドル級/5分3R>
ホセ・メディーナ(ボリビア)
ドゥスコ・トドロビッチ(セルビア)

<ライト級/5分3R>
クラウジオ・プエレス(ペルー)
ジョアキン・シウバ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
タチアナ・スアレス(米国)
アマンダ・レモス(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
ヘスウ・アギラー(メキシコ)
ルイス・グーロォ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ザック・リース(米国)
セドリクス・デュマ(米国)

<フライ級/5分3R>
アレッサンドロ・コスタ(ブラジル)
アルデン・コリア(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
アリシ・ペレイラ(ブラジル)
モンセラート・レンドン(メキシコ)

<TUFシーズン33ウェルター級決勝/5分3R>
ホドリゴ・セジナンド(ブラジル)
ダニイル・ドンチェンコ(ウクライナ)

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