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【Road to UFC S04 Ep01】山内渉と対戦、草原の菩薩?! ナムスライ「日本の人々が幸福になることを」

【写真】マネージャーのオユン譲と、コーチで元UFCファイターのダナー・バットゲレル(C)MMAPLANET

22 日(木・現地時間)に中華人民共和国は上海のUFC PI上海で開催されるRoad to UFC S04 Ep01で 山内渉と対戦するナムスライ・バットバヤル。
text by Manabu Takashima

2年4カ月前にモンゴルのジムを集中的に取材した際に、現UFCファイターのニャムジャルガル・トウメンデムベレルと同様に頭一つ抜けているように感じたのが、ナムスライだった。UFCに駆け上がったニャムジャルガル、日本でコア層へのアピール度ナンバーワンといっても過言でないオトゴンバートル・ホルドバートルと並ぶ、草原のフライ級戦士ナムスライ。UFCファイターになる夢をリアルにするために戦う彼はインタビュー中、慈愛に満ちた言葉を続けた。


──ナムスライ、お久しぶりです。2023年1月にモンゴルに取材に行った時にナムスライはニャムジャルガル・トウメンデムベレルと並び、印象に残ったフライ級選手でした。ただニャムジャルガルが日本に来日し、GladiatorからRoad to UFCにステップアップしたのに対し、ナムスライは米国からUFCを目指すと日本からのオファーを断ったそうですね。

「う~ん、米国に行くといった記憶がないです(苦笑)。ただ、そんな風に評価をしてくれていたことを知って嬉しいです。ありがとうございます」

──ところで同じフライ級のニャムジャルガルに続き、オトゴンバートルが日本で定期的に戦い同じくグラジの王者になりました。

「モンゴルのフライ級とバンタム級のファイターは、本当に強いです。そしてフライ級のベストであるニャムジャルガルとは1度試合をして、自分は負けました。でもニャムジャルガルもオトゴンバートルも私の友人です。皆が揃って、最高のMMAキャリアを築きたいと思って努力してきました。

ニャムジャルガルがUFCと契約したことは、本当に自分のモチベーションになっています。彼と戦った時、自分は初回はリードできていました。そのニャムジャルガルがUFCとサインし、自分もUFCで戦うことができると自信になっています」

──ナムスレンもついにRoad to UFCで、その能力を世界に伝えるチャンスを手にしました。

「これまでの試合は全てRoad to UFCで戦うため、UFCファイターになるために戦ってきました。まずはRoad to UFCという舞台に立つことが夢でした。そして今、ここにいることができて最初の夢が実現したことになり凄くワクワクしています。そして、次の夢がリアルになるために戦います。モンゴル人の血、モンゴル人のエネルギーと共に」

──木曜日に山内選手と戦います。今の気持ちを教えてください。

「あなたと同じ国の選手ですよね(笑)。1カ月前から心身ともに創ってきました。もう戦う準備はできています。凄く落ち着いていて、緊張することもないですね。ワタルさんは素晴らしく優秀なファイターです。

彼がRoad to UFCで戦う機会を得られたことを祝福したいです。自分はこの1カ月、ファイティングキャンプでそんなワタルさんの研究を十分にしてきました」

──キャンプはどのようなメンバーと?

「2年前にデキたストーンチームで代表のダナー・バットゲレルと、常に練習をしました。強打のダナー、レスリングはコンバットサンボ世界王者ガントゥルム・バヤンドゥーレンと練習して。今回はコンバットサンボの練習も力をいれましたね。何よりストーンチームの皆が、自分がRoad to UFCで勝てるように力を合わせてくれました。

キャンプ中になんども頭のなかで想像し、自分がワタルさんと戦う姿を具体化してきました。自分はワタルさんに有効な技術、動きを十分に有しています。打撃に関しては、私の方がパワーがあります。そしてレスリングでも強さを見せることができるはずです。試合は何が起こるか分からないですが、自分の力をオクタゴンのなかで出し切りたいと思います」

──トーナメント戦はケガを避けることが、非常に大切になってきます。3試合勝たないといけないことをどのように考えていますか。

「判定になるまでにフィニッシュするのが、自分の戦い方です。そのように戦ってきました。ただし、フィニッシュができなくても今回の試合、トーナメントで一番重要なことは勝利することです。

モンゴルの人々は、自分にエキサイティングなファイトを期待していますが、そこはあまり深く考えないようにしています。とにかく勝つこと。どのように勝つのかでなく、どうなっても勝つ。そしてオクタゴンでモンゴル国旗を高々と掲げます。

自分はモンゴル人として初めてRoad to UFCのトーナメント戦に出場します。凄く幸せですし、これは自分だけでなくチームにとっても大切なことで。プレッシャーを感じるのではなくて、この事実が自分に力を与えてくれます。ここからモンゴル人ファイターが、もっと活躍できる歴史を創る。その一歩になりたいと思っています」

──今回は日本人選手との対戦になりますが、日本のファンに一言お願いします。

「日本人だ、モンゴル人だということでなく全ての人間が一つの星で生きています。MMAは一対一で戦うモノですが、そこに国籍は関係ありません。プロとして世界中のファンにファイトを見てもらうこと。申し訳ないことに自分は日本人選手と戦いますが、日本の人々が幸福になることを願っています」

■視聴方法(予定)
5月22日(木)
午後8時00分~UFC Fight Pass
午後8時00分~U-NEXT


■Road to UFC S04 Ep01対戦カード

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
セバスチャン・スーレイ(豪州)
チィルイイースー・バールガン(中国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
イン・シュアイ(中国)
吉田開威(日本)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
中村京一郎(日本)
パク・オジン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
山内渉(日本)
ナムスライ・バットバヤル(モンゴル)

<女子ストロー級/5分3R>
フン・シャオカン(中国)
松田亜莉紗(日本)

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