【Breakthrough Combat04】椿飛鳥とProgress、大脇征吾「逃げて勝つのは、心情的に恥ずかしいよって」
【写真】あれ、こんなに小さかったっけ?と思うほど、試合中やスパー中は大きな圧を持つ大脇(C)MMAPLANET
14日(水)に開催されるBreakthrough Combat04で、大脇征吾が椿飛鳥とProgressルールで対戦する。2月のBTC03における中島太一戦で見る者を唸らせる一本勝ちを手にした大脇は、一気に注目される存在に。
text by Manabu Takashima
3月に寒河江寿泰が主宰するScramble Ippon Tokyo、4月にはROMAN02に出場し、ともに一本勝ちを手にしたグラップリング界の超新星に、寝技に付き合わないでも勝てるProgressルールでのグラップラーの流儀とは。
──14日にProgressルールで椿選手と対戦する大脇選手です。ほんの2日前にROMAN02で鍵山士門選手をヒザ十字で下しました。足を畳む相手を腕で掴んで伸ばす。どれだけの力なのかと。
「最初に足を持ってくるのは力ですけど、極めきった形は力もあるけど、力の使い方というか。最後は相手のお尻を蹴って、伸ばしにかかったので。足を持ってきただけは極まらなかったと思います。あそこからは僕の足も伸びていたので、一回屈伸するように曲げてから、相手のお尻を踏ん張って、腕を伸ばしました」
──力は力でも、力任せでなく力を制御して使っているわけですね。
「最後は力任せだったですけど(笑)。でも、上手に力を使いました」
──その力ですが、体全体の力なのか。あるいは握力、そして腕の力なのか。どこに力があるという感覚で攻めているのでしょうか。
「う~ん、腕の力だと思います。ヒジのあたりから手首まで。多分、ここだと思います。握力を使っている自覚はないです」
──では腕の力を使って、張るようなことは?
「ケガ明けとか、練習をしていない期間があると張りますね。それにROMANの時も久しぶりに道着の練習をしたので、凄く腕はパンパンになりました。そういう時は、やっぱり力を使っているんだと思います。
ノーギの時は、そこまで力、力という風には戦っていないですね」
──力技という風に言われることをどのように感じていますか。
「いやぁ……自覚がないので、そうなのかなぁと。でも技術が追い付いていないので、どちらかといえば力を使っているのなかって」
──では鍵山選手に極めたヒザ十字は狙い通りだったのでしょうか。
「ハイ。狙っていました」
──そもそも2月のBTC03のProgressがプロデビューで、ROMANも含め実戦が続きますが、あの勝利の影響はどのように感じていますか。
「2月の試合後は良い意味での反響が凄くて、あの勝利のおかげで大会から声がかかるようになり、良い影響しかないです」
──月に1度のペースで試合は入っていますね。
「ケガもしていなかったし、試合後は1日休む。それぐらいで、ずっと練習を続けることができていました」
──ROMANが日曜日で、今日が火曜日。つまり月曜日だけ休んで練習をしていると。
「ハイ。そういうことです。これは試合があるからでなく、日課ですね」
──押忍。ではProgressでの椿選手との一戦。前回の中島太一選手は組みに付き合うMMAファイターでした。ただ椿選手は上を取ると、そのままポイント狙いという試合をすることが予想されます。
「そうですよね。絶対にそうですよね。前の試合とか見ても、徹底的に距離を取って逃げるという試合でした。う~ん、どうしようかな。それでも極めきれると思っています。無理やりでも、持って行きたい」
──サブオンリーだと、寝技に付き合わないと勝つか負けるかは分からない。ただProgressの場合は、相手が下になると寝技に付き合わなくても勝てるルールセットです。結果、付き合わない意志は強くなるのかと。
「試合のなかで勝ちにこだわるってなって、ポイントが分かっているならそういう戦い方もあるんだろうなって分かります。でも寝技から逃げて勝つのは、心情的に恥ずかしいよって思ってほしいですね。ハハハハハ、そうですね。勝負してほしいです」
──椿選手からは今回、「自分がMMAで勝つにはテイクダウンをするしかない。なのでProgressでもトップを取って、バックに回ってチョークです」という発言は聞かれました。ただ、練習仲間はポイントで勝つということでした。
「ハハハハハ。そうですよね」
──ところでSASUKE戦を終え、椿選手の組み技の力をどのように評価していますか。あのエスケープ力など。
「MMAのなかのグラップリングと、打撃のないグラップリングは話が変わってくるとは思います。でも修斗のタイトルマッチは、ただの試合じゃないじゃないですか。だから、そんなにすぐに極められるわけにはいかなかった。それに修斗のタイトルマッチなのだから、レベルが高いです。
高いレベルの試合に出る選手なので弱い……弱いじゃないな……、何て言えば言いですかね……。できない人ではないと思っています。でも寝技に付き合ってくれるなら、行けると思います」
──大脇選手は見る者がビックリするような一本勝ちをしてきましたが、今回はどのような一本勝ちを狙っていますか。
「またビックリするような一本を取れたら良いなって。首、手、足、どこでも取ります。逃げられないように捕まえて、極めて勝ちたいと思います」
──BTC03の試合後より、スムーズに言葉が出てきますね。もう取材も少しは慣れた感じでしょうか。
「いえ、今日はホームなので(※取材はグランドスラムで行われた)。フフフフフフ」
■視聴方法(予定)
5 月14日(水)
午後6時00分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル
■Breakthrough Combat04対戦カード
<バンタム級/5分3R>
ジョン・オルニド(フィリピン)
熊崎夏暉(日本)
<58.5キロ契約/5分3R>
ザヒド・アフメド(インドネシア)
山崎蒼空(日本)
<バンタム級/5分3R>
石井逸人(日本)
上田祐起(日本)
<バンタム級/5分3R>
ガドウィン・ランバヤン(フィリピン)
竹本啓哉(日本)
<Progress暫定ウェルター級選手権試合/5分3R>
[暫定王者]森戸新士(日本)
[挑戦者]イ・ソンハ(韓国)
<Progress ライト級/5分2R>
大脇征吾(日本)
椿飛鳥(日本)