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【Nexus39】1年7カ月振りの復帰戦で堀江耐志と激突、森山壱政「ベルトに近づくための第一段階」

【写真】SNSにお子さんの写真をアップし続けている森山。「結婚して良かったし、子供はメチャクチャかわいいです」と満面の笑顔で語る(C)SHOJITO KAMEIKE

11日(日)、東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNexus39のメインで、森山壱政が堀江耐志と対戦する。
Texy by Shojiro Kameike

これが2023年10月の宮平守太郎にKO勝ちして以来の試合となる森山。2022年以降はここまで、負傷により試合出場は宮平戦のみ。復帰戦で元グレコ全日本王者というキャリアを持つ堀江を迎え撃つこととなった。RIZIN王者の井上直樹、パンクラス王者の雑賀ヤン坊達也、そしてZST王者の関鉄矢とベルトを巻くファイターたちと共に練習する森山は「自分も結果を出さないといけない」と、復帰戦さらにはネクサスのベルトについて語る。


――1年7カ月振りの試合を控えている森山選手です。この取材は5月8日=試合の3日前に行われていますが、リラックスできているように見えます。

「そうですね。もともと試合が近づく試合が近づくにつれて『試合したくないなぁ』とか思うほうだったんですよ。でも最近は『もう今週末かぁ』という感じで、良い意味で肩の力が抜けるようになりました」

――2021年からここまで、3年半で1試合しかしていない。しかし、そういった雰囲気は感じさせないですね。

「あぁ、ブランクに関してはあまり考えていませんね。怪我もあったし、結婚して子供も生まれて――という状況でもあったので。この期間は仕事と家庭のことも両立させたかったですし。試合に出たいという気持ちはありましたけど、それだけ試合をしていないということに焦りは感じていなかったです」

――これだけ試合間隔が空く要因となった怪我というのは……。

「メッチャ怪我が続いていたんです。まず2022年に半月板を負傷して、DEEPの劉獅戦を欠場することになりました。半月板は縫合手術で、手術の2カ月後に『もう大丈夫だろう』と思って練習したら、縫合が全部切れちゃって。結果、今度は切除手術しました。そこから練習を再開し始めて、宮平選手との試合でたまたま右ストレートが当たってKO勝ちしたあと、豪州で試合をすることが決まったんですよね」

――2024年3月、豪州ビートダウンでジェイク・パイパーと対戦する予定でした。あの試合はなぜキャンセルになったのでしょうか。

「試合の1カ月前に前十字靭帯が切れて、手術したんですよ。高校時代はサッカーをやっていて、特待生で高校に行っていたぐらいでした。でもその時もヒザを怪我していて……ヒザには縁がないのでしょうね(苦笑)」

――それだけ試合をしていない期間、焦りがなかったのですか。

「MMAについては、焦ることはなかったです。仕事を休まないといけないのは厳しい、という感じではありましたけど。MMAでは良い感じになってくると怪我したり、負けたり――『ツイていないなぁ』と考えるぐらいです。やり始めたからには、ツキが回ってくるまでやり続けるしかないですから」

――今、怪我の状態は?

「今は大丈夫です。体は絶好調ですね。結構長く休んでいて、ちゃんと動けるようになったのは手術から8カ月後。動きが戻ってきたのは1年後ぐらいでした。練習を再開し始めた頃は動きも悪いし、体力の戻りも良くないし、パワーも落ちているし……気持ちも落ちていた時期があって。だけど周りから『ちゃんと治してから再起したほうが良い』と言われていたので、様子を見ながら練習していましたね」

――その期間に井上直樹選手がRIZINのベルトを獲得し、そしてヤン坊選手がパンクラスの正規王者となりました。練習仲間の活躍を、どのように見ていたのでしょうか。

「本当に強い人たちと一緒に練習させてもらっているな、と思います。でも関鉄矢君もZSTのチャンピオンだし、自分だけ結果を残せていません。彼らにしがみついて自分も結果を残さないと、MMAをやっている意味がない。ただ、それも今すぐってわけじゃなくて。焦っても良いことはないし、とにかくMMAを続けて、今できることを頑張るしかないです」

――なるほど。先ほど宮平戦について「たまたま右ストレートが当たって――」と仰っていました。決して「たまたま」とは言えない綺麗な右で宮平戦のアゴを打ち抜いていましたが……。

「いや、たまたまだと思いますよ(笑)。一緒に練習している人たちは打撃が強くて、自分のパンチなんて当たらないんですよ。だから宮平戦は、たまたま当たったんじゃないかなぁと。自分でも『だいぶ良くなってきている』とは思いますけどね。

ずっと『倒せるパンチを出せていない』というのが課題でした。でもそれだけレベルが高いファイターと練習できているので、自分も感覚を掴めているのかもしれないです」

――一度しっかりKOできれば、その感触が残って後の試合でも役立つでしょう。

「いやー、それですよね。宮平戦のあと、すぐ豪州で試したかったです。豪州で倒したかった(苦笑)」

――改めて、その感覚を試す復帰戦を迎えます。対戦する堀江選手は元グレコ全日本王者です。

「それぐらいのバリューを持っている選手と対戦させてもらえるのは、ありがたいですね。中途半端な選手とやるよりは嬉しいです」

――その相手とメインイベントで対戦する。プロモーター側からの期待も感じますか。

「期待というよりは――僕みたいな選手をメインに置いてくれて、ありがたい限りです。ずっと試合に出続けていたわけでもないのに、そういう起用をしてくれるネクサスさんには感謝でいっぱいですね。だからこそ結果を残さないといけない、という気持ちもあります」

――堀江選手に関して、レスリングの実績以外にMMAファイターとしては、どのように見ていますか。

「選手って『寝技が強い』『打撃が強い』とか、それぞれストロングポイントを持っているじゃないですか。それが今回は極端にレスリングが強い相手であることは分かっている。そのうえで意識しているのは、相手のストロングポイントを警戒しすぎないというか」

――というと?

「相手のストロングポイントを警戒しすぎると、普段の自分の力が出せないと思っています。たとえば須藤選手に負けた時(2021年12月、須藤拓真に一本負け)は、寝技になった時のことばかり意識して練習していて。結果、試合では何も出せませんでした。

対策って、どうしても受け身の考え方になるんですよ。相手がこう来たら、こう――という話ばかりで。それよりは自分が試合をコントロールして、相手を動かすことができたほうが良い。試合時間も5分2Rプラス延長戦だから、『相手がこう来たら』なんて考えている間に終わってしまうかもしれなくて。だから『今の自分が持っている力を如何に最大限発揮するか』という面を突き詰めたほうが、良いパフォーマンスを出せるんじゃないかって考えています」

――なるほど。今から寝技を練習して須藤選手以上のサブミッション・アーティストになることも、グレコ全日本王者以上にレスリングで強くなることも難しいでしょう。

「そういうことなんですよ。寝技だけがMMAじゃないし、これはレスリングの試合でもなく、MMAなので。堀江選手もレスリングはメチャクチャ強いけど、MMAなら自分のほうが強いと思っています。次の試合は、MMAファイターとしての差を見せたいですね」

――この試合で勝利し、いずれはネクサスのベルトを狙いたいですか。

「はい。フェザー級チャンピオンの横山武司選手って凄く寝技が強いけど、そこも同じ考えですね。寝技を警戒しすぎることなく戦いたい。今回の試合は、ベルトに近づくための第一段階です。これからの僕の活躍を見てください!」

■視聴方法(予定)
5月11日(日)
午前11時~ Nexus YouTubeチャンネル

■Nexus39 対戦カード

<フライ級/5分2R+ExR>
冨山シン(日本)
井伊夏生(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
日置兼人(日本)
下田将太郎(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
石原射(日本)
藤原俊樹(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
小林博幸(日本)
千葉琉聖(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
高須将大(日本)
健吾(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
アポロ中山(日本)
R.A.M(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
森山壱政(日本)
堀江耐志(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
村田純也(日本)
竹内悠(日本)

<NEXUS初代ウェルター級王座決定T1回戦/5分2R+ExR>
たまよせゆきと(日本)
フェルナンド・マツキ(ブラジル)

<NEXUS初代ウェルター級王座決定T1回戦/5分2R+ExR>
悠太(日本)
カタナマン(日本)

<NEXUS初代ウェルター級王座決定T1回戦/5分2R+ExR>
森昴星(日本)
菊池元(日本)

<NEXUS初代ウェルター級王座決定T1回戦/5分2R+ExR>
石原匠(日本)
趙大貴(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
下田凛太郎(日本)
竹下登(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小牧勇太(日本)
ホーン・ミルンズ・ウィン(ニュージーランド)

<フライ級/5分2R+ExR>
押忍マン(日本)
前原泰輝(日本)

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