【Gladiator030】岩倉優輝、ダギースレン戦は「コイツは何をしてくるんだ!? という思考に陥らせる」
【写真】標準的なMMAだけでなく、自分のMMAを確立することも重要。それが可能なのがMMAです(C)SHOJIRO KAMEIKE
6日(日)に大阪府豊中市176BOXで開催されるGladiator030で、岩倉優輝がモンゴルのダギースレン・チャグナードルジと対戦する。
Text by Shojiro Kameike
昨年は6月に韓国Double Gのライト級王座決定戦でパク・チャンスに敗れたものの、以降は国内の試合で3連勝中の岩倉。今年1月のチハヤフル・ヅッキーニョス戦に続くグラジ参戦、モンゴルの強豪ダギースレンと相対する岩倉が柔道ベースの体力&組みの強さを生かすために、いかに打撃面を強化してきたのか――MMAとしての進化について語る。
今は『相手の打撃が見えている』という感覚はあります
――2度目のグラジ参戦でダギースレンとの国際戦を迎える岩倉選手です。現在3連勝中、岩倉選手の中で何か大きな変化があったのでしょうか。
「パク・チャンス戦で負けて2連敗を喫していました。そこで『どうやって自分の強みを生かして勝つか』ということを考えて戦ってきました」
――パク・チャンス戦後、セコンドについていた美木航さんと試合についてやり取りしました。その時、岩倉選手については「組みは強い。しかしパンチが顔面に集中してしまう。組むために、どうやって打撃を上下に散らすか。それができれば、もっと伸びる」という話があって。
「僕もその部分を意識して練習するようになりました。『ここで行かないといけない』という場面では、どうしても『パンチで倒さなきゃ!』という気持ちが強くなって、気持ちだけが空回りしていたんです」
――岩倉選手は柔道時代から積み重ねてきた体の強さに、MMAの技術を上乗せしてきたかと思います。パク・チャンス戦もパンチは当たり、テイクダウンも切れた。しかしバックを許してしまったというのは、何が要因だったと思いますか。
「自分がガッと行くときに、組みのタイミングを合わされてしまいましたね。自分もそれは分かっているのに、『パンチで何とかしなきゃ』という気持ちが強くなって。相手もチャンスになった時の力の使い方も巧く、自分が捌ききることができずにバックを許してしまいました」
――あの時点では、パク・チャンスのほうがMMAファイターとしての完成度が高かったと思います。対して岩倉選手はパク・チャンス戦以降、とにかく殴って組むというスタイルの精度を高めてきたように思います。
「アハハハ、そうですね。自分でもうまく強みを生かすというか。小さくでもコツコツと打撃のプレッシャーをかけていくことは、できているのかなと思っています。
僕はストライカーではないです。だから綺麗な上下への打ち分けができるとか、自分の間合いに入らせない距離をつくることができるか――というよりも、全身を使ってプレッシャーをかけていくスタイルが自分の強みだと思っています。その点を意識して、パンチとテイクダウンで上下に揺さぶっていくことを強化してきました。そうした練習が徐々に自分の戦い方にハマッてきているという実感はあります。
ただMMAとして考えると、それだけじゃいけない。相手も動き続けているので、打撃よりも組みを使って一度相手を止めようとか、MMA全体を考えて試合しようという意識が高まってきています」
――パク・チャンスに敗れたあと、TTFCでチェ・ジョンミンに、そしてHEATでキム・ドヨンに勝利しています。この2連勝で韓国勢へのリベンジは成りましたか。
「海外の選手に勝つというのは凄く自信にはなったんですけど、リベンジという意識はないです。韓国で負けたから、日本で韓国人選手に勝ったからリベンジということではなくて。……どちらかといえば、ひと安心というか」
――ひと安心、ですか。
「やっぱり負けたことから学んだことを生かせているとは思っています。ただ、勝った試合も課題はありました。打撃をしっかり当ててから流れでスッと入れている時もあれば、セパレートしまっている――組みに行きたいなと思ったら、打撃が手打ちというか『組みに行くための打撃』みたいになっている時もあって。そこはまだまだ改善しないといけないところですね」
――とはいえ前回のヅッキーニョス戦では、打撃に対して臆しないといいますか、もう意に介さず相手の打撃を払い続けていました。
「僕はライト級の中で身長も低いし、リーチも短い。そのために相手の打撃のプレッシャーに下がってしまうと、余計に組めなくなって、相手にとってやりやすい状況をつくってしまいますよね。であれば、しっかり見た状態でよけて、クリーンヒットさえもらわなければとは思っています。実際はもらっているので何とも言えないんですけど(苦笑)」
――しっかりと相手の打撃が見えていないとパーリングはできないし、ブロッキングよりもパーリングのほうが次の動作=自分のアクションに移るのも速いかと思います。
「今は『相手の打撃が見えている』という感覚はあります。自分から突っ込んでいってカウンターでもらった時は、見えていなかったというより避けきれなかったということで。立ち会っている時には結構、見えていたほうです。自分のパンチの精度だけじゃなく、ディフェンスも自信がついてきました」
ダギースレン選手は調子よく打撃が出ている時、どんどん前に出て来る。自分は徹底的に引かない
――前回のインタビューで、GENで田牧一寿トレーナーからボクシングを教わっていると仰っていました。パク・チャンス戦の内容について、田牧トレーナーからは何と言われましたか。
「勇敢に戦った、と褒めていただきましたけど……(苦笑)」
――絶妙な言い方ですね。
「やっぱり『パンチで倒す』という気持ちが先走り、パワーで行こうとしすぎる。体の力を使っていこうとしてしまうのでモーションが大きい。すると相手も反応して『だったら潜ればいい』という形になってしまう。そこは我慢のしどころと言いますか」
――そう聞いて理解できました。パク・チャンス戦とズッキーニョス戦を比較すると、パンチを打つ時の姿勢が変っていました。
「アハハハ、そうですか」
――パク・チャンス戦は前傾姿勢になっていることが多かったのに対して、ズッキーニョス戦は体を起こしたまま距離を詰めてパンチを打つようになっていませんでしたか。
「はい、そうですね。本当に少しずつではありますけど、練習の成果が出てきているとは思います」
――その岩倉選手が今年、初めて大阪で開催されるグラジに出場しました。どのような印象を持ちましたか。
「すごくいろんな色を持っている選手がいるな、というのが第一印象でした。海外から来る選手もいれば、関西、関東といろんなところから選手が出ていて。今まで出場してきた大会とは違う色があると思いました」
――ヅッキーニョス戦で勝利したあとは、どのように考えていましたか。
「今はフリーでいろんな大会に出させていただいているので、どこか一本に絞ろうとは考えていませんでした。僕の中では『海外で戦いたい』という気持ちがあります。そんななかで、東京在住の僕は関西だとチケットセールスについては難しい面があるのに、モンゴルから来る選手とマッチメイクしていただけるのは貴重な機会というか」
――岩倉選手とダギースレン、どちらも地盤が関西にないわけですからね。
「そうなんですよ。それで試合を組んでいただけるのは凄いことだし、感謝しています」
――では対戦するダギースレンの印象を教えてください。
「僕との試合でも、これまでと同じようにグングン出て来ると思います。うまく戦おうとすればするほど、空回りしちゃいそうな気がしていますね。お互いキツイことを続ける試合になります。技術な部分は試合が始まってみないと分からない部分はありますけど、気持ちはしっかり準備ができています。気持ちの部分で負けない――海外の選手だから、モンゴルの選手だから、という気持ちは全くなくて。自分のやるべきことに集中して戦います」
――プレッシャーをかけて相手を下がらせ、殴ってから組む。岩倉選手が強化していた部分に対して、ダギースレンは今までよりも下がらせづらい相手ではあります。
「そういう印象はありますね。自分の強みを生かすということでいうと、まずは絶対に打撃のプレッシャーをかけていかないといけない。ダギースレン選手も自分の打撃が調子よく出ている時は、どんどん前に出て来る。そこでちょっとでも引いてしまうと、相手を調子づかせてしまう。相手の勢いが増してくると思うので、そこでは徹底的に引かない。
ただ、打撃でブンブン振り回すわけではなく、全体的にテイクダウンも入れながら展開を増やしていく。ひとつのことにこだわらない。どんどん展開をつくって『コイツ、何をしてくるんだ!?』という思考に陥らせれば、自分のMMAが合ってくるんじゃないかと思います」
――なるほど。ダギースレンは競った試合だと強いですが、パン・ジェヒョクには連敗を喫している。それはスタイルの相性もあるかもしれませんね。パン・ジェヒョクが何をやってくるか分からないタイプのファイターなので。
「ウフフフ、そうかもしれないです」
――その絶妙な笑顔に、秘密が隠されていると期待しています。次の試合でダギースレンに勝ったあと、グラジでライト級のベルトは欲しいですか。
「はい。チャンスがあれば、ぜひ獲りにいきたいです」
――ノンタイトル戦ではありますが、ライト級王者の小森真誉選手が同じ日に同じケージで試合をします。
「もちろんチャンピオンの試合について、意識はします。でもベルトという以上に、まずは自分の試合を一戦一戦、大事にしたいです。今はダギースレン選手に勝つことだけに集中しています」
■視聴方法(予定)
4月6日(日)
メインカード午後4時15分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル
■Gladiator040対戦カード
<バンタム級/5分3R>
ルキヤ(日本)
神田T800周一(日本)
<ライト/5分3R>
小森真誉(日本)
ナウエル・ガンドルフィ(アルゼンチン)
<ライト級/5分3R>
岩倉優輝(日本)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)
<ウェルター級/5分3R>
大道翔貴(日本)
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)
<ライト級/5分3R>
チハヤフル・ヅッキーニョス(日本)
八木敬志(日本)
<フライ級/5分3R>
久保健太(日本)
パク・チャンビン(韓国)
<フライ級/5分3R>
今井健斗(日本)
和田教良(日本)
<キック70キロ契約/3分3R>
荒尾裕太(日本)
キム・フェグン(韓国)
<バンタム級/5分2R>
宮川日向(日本)
永留惇平(日本)
<フェザー級/5分2R>
田口翔太(日本)
荒井銀二(日本)
<バンタム級/5分2R>
しゅんすけ(日本)
國頭武(日本)
<バンタム級/5分2R>
原田康平(日本)
小林佳純(日本)
<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
坪内一将(日本)
<ストロー級/5分2R>
塩川玲斗(日本)
カーヴィ(日本)
<フライ級/5分2R>
岩崎圭吾(日本)
テム(日本)
<フライ級/5分2R>
藤原浩太(日本)
蒔田伸吾(日本)
<ライト級/5分2R>
キンコンカンコンケンチャンマン(日本)
KENZO(日本)
<68キロ契約/5分2R>
中尾天圓(日本)
都市弦介(日本)
<OPフライ級/5分1R>
小嵐翔真(日本)
彪斗(日本)
<OPストロー級/5分1R>
諸井友祐(日本)
辻本涼太(日本)
<OPヘビー級/5分1R>
松本洋平(日本)
高橋マーク(日本)