【DEEP JEWELS48】10年ぶりの出場で須田萌里と対戦、浜崎朱加「守りに入る気は一切ない」
【写真】もうDEEPがつかないジュエルス時代から戦い続けているファイターも少なくなってきた。その代表格として浜崎がケージで何を見せるか(C)SHOJIRO KAMEIKE
23日(日)東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS48で、浜崎朱加が須田萌里と対戦する。
Text by Shojiro Kameike
浜崎は昨年11月、2年2カ月ぶりの試合となったシン・ユリ戦で勝利。続いて、2014年8月のスギロック戦以来となるDEEPジュエルスに出場し、須田萌里と対戦することとなった。2018年からRIZINを主戦場としている浜崎が、かつてベルトを保持していたDEEPジュエルスで再び戦う理由とは? 前回のインタビューで語った、MMAファイターとしての「柔道時代の貯金」についても語る。
――10年ぶりのDEEPジュエルス参戦は驚きました。
「アハハハ、その経緯から説明しますね。去年の11月、2年2カ月ぶりに試合をしたじゃないですか。もう試合勘が鈍りすぎていて。RIZINでいつ次の試合を組んでもらえるか分からない、できれば試合間隔を空けたくないと思ったんですよ。そこで私のほうからDEEPジュエルスで試合を組んでもらえないか相談しました」
――なるほど。
「前回の試合は、なんかフワフワしていましたね。自分自身は気にしていないつもりでも、これだけ試合間隔が空いたのは初めてだったので。今までは間隔が空いていても、最大で1年半ぐらいだったんじゃないかなぁ」
――前回の試合中、『これは試合間隔が鈍っている』と感じた場面はありますか。
「どの場面というよりも何というか……、ボーッとしていました。いつもボーッとしていますけど(笑)」
――アハハハ。試合では何度かパンチを直撃されるシーンもありました。
「効くようなパンチはもらっていないけど、あれは印象が悪かったですよね。別にパンチは痛くなかったし、腫れたところもなくて。やっぱり打撃の感覚というか……」
――2年2か月ものブランクがあると、スタンドの距離感は違ってくるでしょう。
「それで言うと前回は特殊でした。シン・ユリ選手はリーチが長すぎて。あれだけリーチが長い選手は少ないですからね」
――ただ、組んでしまえば問題なかったですか。フィニッシュのキムラはその昔「ハマロック」と呼んでいた形でした。
「懐かしいですね(笑)。サイドにつけば問題ないとは思っていました」
――試合が終わったあともフワフワしていましたか。
「どうなんだろう……、あまり覚えていないけど、久しぶりの試合で勝てたことで嬉しかったです。ただ内容はダメだったし、あの試合だけでは試合勘を取り戻すまでには至らなくて。とにかく実戦で試合勘を取り戻していかないといけないと思いましたね」
――現在の練習環境は?
「基本的にはAACCで、すっごく時々、水道橋の女子練習会に参加したりしています」
――水道橋の練習会というと、黒部三奈選手や藤野恵実選手との練習ですか。
「はい。月に1回行くか行かないか、というぐらいですけど」
――それでは練習の質と量が足りていないと思う時はないですか。
「全く思わないですね。前回のインタビューでも言ったとおり、私は柔道の貯金だけでMMAをやってきて、今もまだ何も知らないことも多いので。昨日もMMAについて詳しい一般会員さんに、技を教えてもらっていましたよ(笑)」
――よほど柔道時代にため込んでいたのですね。特にMMAを戦っていくうえで、フィジカル面の貯金は大きかったのではないですか。
「それはありますね。基礎体力や体の使い方とか――MMAも相手と接触する競技だから、相手の動きに合わせて動くことに関しては同じ部分があると思います。今にして思うと、柔道って練習量が凄いんです」
――全日本強化指定選手になれば、尚更……。
「強化指定といっても、レベルは下のほうですよ。ただ、強化指定選手が集まる練習だから、練習相手の質は高いですよね。でも、そもそも大学の練習がキツかったので、それが私の強みなんだと思います。私だけでなく柔道やレスリングをやっていた人の強みですよね。その点は自信があります。まぁ『柔道をやっていたのも何年前の話なんだよ』と言われるかもしれないですけど」
――とはいえ、今もその貯金でMMAを戦っていると自身で発言するほど、ファイターとしての下地はあったわけですよね。MMAに転向して、自身の体の強さを感じる時はありますか。
「海外の選手が相手だと強さのレベルも変わってきますけど、試合では自分の体幹の強さを感じる時はありますよ」
――ストロー級からアトム級に転向し、よりフィジカル差を感じませんか。
「そうですね。ストロー級の時は米国で試合すると、フィジカル負けする時もありました。バキバキゴリゴリの相手に(笑)」
――アハハハ。
「その時に『ストロー級では無理かな』と思ってアトム級に下げました。アトム級にもフィジカルが強い選手はいるけど、その部分で負けているとは思わなかったです。それは今、スーパーアトム級(49キロ以下)で戦っていても同じですね」
――今回対戦する須田萌里選手は幼少期から柔術をやっていて、最近はフィジカル面も強化することで、さらに技術面もレベルアップしてきていると思います。その須田選手との対戦は、どのような試合になると思いますか。
「え、どうなんだろう? う~ん、どうなると思いますか」
――こちらに訊かないでください(苦笑)。まず年齢差は気になりますか。
「全然気にならないです。考えたら私と須田さんって、年齢で倍離れているんですよね。お父さんが同年代(※須田の父、智行さんは1981年9月生まれで、1982年3月生まれの浜崎とは同学年になる)で、お父さんのほうが話は合いそうです(笑)」
――それはともかく、キャリアの差を考えると浜崎選手が勝つことが当然と思われても仕方ない。そういう立場の試合も久々ではないですか。
「確かに最近だと、そういう試合は少なかったですね。自分にとっては良いプレッシャーになるし、嫌いじゃないです。それも楽しんで試合します。
確かに私と須田さんでは、経験値の差はあるとは思いますよ。でもMMAとして、そんなに差があるとは考えていないです。試合では何があるか分からないし――結局、相手は死ぬ気で向かってくるじゃないですか。私も守りに入る気は一切ないですけど」
――10年ぶりのDEEPジュエルス出場、という部分については何か思うところはありますか。
「実はDEEPジュエルスでMMAを戦うのは、これが2回目なんですよね。私が出ていた時は、まだDEEPがついていないジュエルスの頃で。当時の会場は新宿FACEか新木場1st RINGで――今回のニューピアホールも、同じようにお客さんとの距離が近いじゃないですか。距離が近いほうが試合内容も伝わるものが多いと思うので、楽しみです」
――この試合を経て、いつ頃を目途にRIZINのベルトを……と考えていますか。
「いや、目途とかは全然考えていないです。まだ復帰したばかりで、ベルトに挑戦できる位置まで行くために、勝ち続けていかないといけない立場なので。守りに入ることもなく、今回もしっかりと勝ちに行きます。それが格闘技だから」
■視聴方法
3月23日(日)午後17時25分~
YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV
■対戦カード
<49キロ契約/5分3R>
浜崎朱加(日本)
須田萌里(日本)
<バンタム級/5分3R>
東よう子(日本)
MANA(日本)
<49キロ契約/5分2R>
青野ひかる(日本)
彩綺(日本)
<ミクロ級/5分2R>
山﨑桃子(日本)
ジャカ季美香(日本)
<ミクロ級/5分2R>
ちびさいKYOKA(日本)
古林礼名(日本)
<49キロ契約/5分2R>
須田美咲(日本)
SAAYA(日本)
<63キロ契約/5分2R>
ぽちゃんZ(日本)
エレナ(日本)
<ストロー級/5分2R>
堀井かりん(日本)
横瀬友愛(日本)
<49キロ契約/5分2R>
横瀬美久(日本)
横江明日香(日本)
<キックルール ストロー級/2分2R>
島村優花(日本)
中村サキ(日本)
<アマチュア ストロー級/3分2R>
せりな(日本)
あきぴ(日本)