【UFC312】Road to UFC優勝ロン・チュウが激しい打ち合いから、ジャブ&ローでスティールを封じ込む
<ライト級/5分3R>
ロン・チュウ(中国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
コディ・スティール(米国)
コンバット柔術世界王者が、コンテンダーシリーズを経てUFCデビュー。原口伸を破ってRoad to UFCを制したロン・チュウは、アンダードッグとしてオクタゴン入りしている。距離の測り合いのなかで、ロン・チュウが右前蹴りを見せる。さらにスティールのワンツーに右カーフを蹴っていく。ボディを伸ばしたスティールがダブルレッグでケージまで押し込み、一気にテイクダウンを決める。直後にリバーサルに成功したロン・チュウは、体を浮かされるとスタンドに戻る。
ロン・チュウのジャブに右クロスを入れたスティールが、左リードフックも当てる。ロン・チュウは左フックを打ち返す。スティールの左、ロン・チュウの右。そしてスティールの右が交錯する打撃戦で、ロン・チュウは足を使うように。スティールはダブルレッグを切られるが、右ストレートを効かせる。ヒザの追撃を見せたスティールだが、ロン・チュウは左フックで逆に動きを止めてラッシュをかける。スティールも右を返し、さらにロン・チュウが右を決める。いつ倒れてもおかしくないパンチの打ち合いで、ロン・チュウが左をヒットさせ、スティールがマウスピースを吐き出す。それでも左右のフックを乱打したスティール。ラウンド終了時にはシドニーのファンが、大歓声を挙げた。
2R、ロン・チュウは前蹴り、右カーフを蹴るとステップインに左ジャブを合わせてダウンを奪う。パウンドを打たれたスティルは、足関節をセットしにかかる。やや時間はかかったが、ロン・チュウは反転して足を抜き試合は再びスタンドへ。ジャブの打ち合いからロン・チュウが左リードフック、さらにダブルジャブからも右を狙う。フックを被弾したスティールがジャブを2発入れ、引き続きジャブを伸ばす。ロン・チュウもダブルジャブ、右ストレート&返しの左フックを繰り出す。
やや落ち着きを見せた中盤戦から、最後の1分に。左右のフックでロン・チュウが前に出ると、ワンツー・フックを打ち込む。足を使いながら、一気に踏み込むロン・チュウがシングルレッグを切り、ラウンド終盤も制した。
最終回、いきなり拳の届く距離に立つ両者。スティールが右を当て、ロン・チュウがジャブを返す。ジャブを効果的に使うロン・チュウが、右ストレートもヒットさせる。スティールはインローで姿勢を乱され、左フックを被弾。ジャブに踏み込めなくなった感のあるスティールは、引き続きジャブを打たれ手打ち気味のパンチを伸ばすのみ、それでも、しっかりとボディショットを打ち込むが──派手な打ち合いから、ジャブ&ローでロン・チュウが試合を支配する。ロン・チュウは飛び込んで左ストレート、インローからステップインにジャブを当て、右を打ち込む。
スティールは前に出るとパンチを打たれるなかで、ローで足元を崩され厳しい時間が続く。残り90秒、必死に踏みとどまるスティールがジャブを入れるが、あとが続かない。軽快なステップを踏み、スティールを挑発したロン・チュウは荒いパンチをかわし、最後の15秒の打ち合いへ。両者、足を止めてのワイルドの殴り合いで幕を閉じた。
結果、フルマークで判定勝ちしたロン・チュウは「フ〇ック、最高の気分だ。スティールは素晴らしいファイターだ。最大限に尊重している。そしてシティ・ボクシングのコーチの皆に感謝している」と話した。