【ONE170】ファブリシオ・アンドラジに挑戦、クォン・ウォンイル「5Rは必要ない。長くて3R」
【写真】29歳、キャリアハイに向けて必勝のバンタム級王座挑戦だ(C)ONE
今夜24 日(金・現地時間)に、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE170「Tawanchai vs Superbon2」でクォン・ウォンイルがファブリシオ・アンドラジの持つONE世界バンタム級王座に挑戦する。
Text Manabu Takashima
昨年夏に一度は決まった世界戦が、半年遅れで実現する。挑戦者クォン・ウォンイルは、2022年にアンドラジにわずか62秒で敗れているが、それからの3試合は連続でフィニッシュ勝利を挙げ、倒す感覚が身についている。
この間、自らのジムを立ち上げチームメイトや出稽古組のK-MMAトップファイターとの練習の日々が、ウォン・ウォンイルに絶対の自信を与えている。
──ようやくファブリシオ・アンドラジの持つONE世界バンタム級王座へ挑戦できますね。確か去年の夏ごろに、コーナーマンで来日した時に「挑戦が決まった」とウォンイル選手が嬉しそうに話していたのを覚えています。あの時、タイトル戦はなぜ実現しなかったのでしょうか。
「キャンセルになった時は最悪な気分でした。本当に残念で仕方なかったです。なぜ、キャンセルになったのも分からない。僕が原因ではないです。ただ、ファブリシオと話したときに、理由は分からないと言っていました。僕らは2人とも、なぜキャンセルになったのか分からないままなんです。
でもタイトル挑戦が決まりました。凄く自信もあるし、絶好調です。2カ月、3カ月前にオファーがあって、本当に嬉しかったです。これで自分の力を試すことができます」
──2022年6月にアンドラジと対戦した時は、初回にミドルキックでKOされました。この2年半で、あの時と比較して一番成長したのはどの局面でしょうか。
「グラップリングも打撃も、成長しています。前回、日本を訪れた時に松嶋こよみ選手と一緒に練習をしました。彼がレスリング技術を指導してくれて、レスリングが強化できました。打撃は当然、準備万端です。前回の試合の自分と比較すると、すべての面で強くなっています。そしてアンドラジより、強くなっています」
──その松嶋選手もそうですが、韓国勢もユン・チャンミン選手やキム・ジェウン選手らがONEを離れました。ウォンイル選手も1年ぶりのファイトです。MMAファイターとして、将来を考えることはなかったですか。
「まだONEでチャンピオンベルトを巻いていない状態で、ONEを離れることはできないです。自分のゴールは、ベルトを取ることなので。確かに待つ時間が長いと辛いです。本当にしんどい人生だと感じるほどです。でも、このチャンスが巡ってきました。今は何も考えずに、この試合に集中しています」
──今やファイターでなく、P-Boy MMAで指導者もしています。この状況が、選手として成長できたと考えられますか。
「もちろん、指導をしていると自分の勉強にもなります。それに練習仲間から教わることも本当に多いです。皆でそうやって強くなっています。チームメイトもそうだし、出稽古でプロ練習に来てくれるファイターも多くて。UFCと契約したユ・スヨン選手はレギュラーメンバーです。Road FCファイターのヤン・ジヨン選手も時々、来てくれます。チーム・スタンガンの選手達や、ウズベキスタン人ファイターのアジスベク・ノロフと彼の仲間たちも。皆が自分のサポートしてくれます。だから、他のジムに出稽古に行く必要がないんです」
──この練習環境があって、色々と積んできた。今回のタイトルショットに向けて、一番自信は?
「グラップリングとパウンドです。それとパンチ力。アンドラジのパンチは、パワーがないです。自分の方がずっと威力のあるパンチを打てます。それが自分のアドバンテージだと思っています」
──逆に最も警戒しているアンドラジの攻撃は何ですか。
「キック……特にヒザ蹴りは危険です。でも、問題ないです」
──アンドラジは距離とタイミングを測るのに長けているように感じます。そしてカウンターが絶妙です。
「確かにカウンターは上手いし、力強いです。でもプレッシャーをかけ続けて、カウンター攻撃を無力化させます。ずっと圧をかけていると、カウンターのタイミングは狂う。タイミングが取れなくなります。自分は初回で倒します。1Rか3Rですね。フィニッシュします」
──2Rが含まれていないのが、気になりますが……(笑)。今回はタイトル戦、つまり5回戦です。ペース配分の方は?
「自分とアンドラジの試合に、5Rも必要ありません。彼は自分を殺しに行きます。自分もそうです。どちらもKOを狙っているので、試合は長くて3Rまでです。アジアの漢がブラジル人をぶっ飛ばせることを金曜日の夜に証明します。そして新世界チャンピオンになります」
■視聴方法(予定)
1月24日(金・日本時間)
午後8時15分~U-NEXT
■ONE170対戦カード
<ONEムエタイ世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者] タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
[挑戦者] スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)
クォン・ウォンイル(韓国)
<ONEムエタイ暫定世界バンタム級王座決定戦/3分3R>
ニコ・カリーロ(英国)
ナビル・アナン(アルジェリア)
<ムエタイ142ポンド契約/3分3R>
セクサン・オー・クワンムアン(タイ)
ソー・リン・ウー(ミャンマー)
<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ジョー・ナタウット(タイ)
バムパラ・クヤテ(フランス)
<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シンサムット・クリンミー(タイ)
ナルゼット・トルヒーリョ(スペイン)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ジョハン・ガザリ(米国)
ジョハン・エストゥィニャン(コロンビア)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
モーリス・アベビ(スイス)
サマット・マメドフ(カザフスタン)
<サブミッショングラップリング無差別/10分1R>
マルセリーニョ・ガウッシア(ブラジル)
今成正和(日本)
<ムエタイ134ポンド契約/3分3R>
スリヤンレック・ポー・イェンイン(タイ)
タン・ジン(ミャンマー)
<キック・フェザー級/3分3R>
野杁正明(日本)
シャーキル・タクレティ(イラク)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
フレディー・ハガティー(英国)
ジョルダン・エストピアン(コロンビア)