【Shooto2025#01】ベルトに向けて山上幹臣と激突、当真佳直「誰が相手でも自分の展開に持ち込める」
【写真】ミッキー・マウスの耳に意味はなし。夢の国にも行ったことはないそうです(C)SHOJIRO KAMEIKE
19日(日)東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2025#01にて、当真佳直が山上幹臣と対戦する。
Text Shojiro Kameike
昨年末に大阪で世界ストロー級王者決定戦では、田上こゆるが旭那拳との再戦を制してベルトを巻いた。ランカー同士による激しい潰し合いが繰り広げられていた修斗ストロー級だが、これで一区切り――ではない。一つの終わりは、新たな戦いの始まりでもある。そんななか新王者である田上への挑戦者決定戦ともいえるのが、今回の当真×山上の一戦だ。元王者を下してベルトに挑みたい当真が沖縄ストロー級、田上×旭那、そして山上戦に向けた自身の現在を語り尽くす。
田上選手に勝っていることはメチャクチャ自信になっています
――次の山上戦はこれまで修斗沖縄大会とTORAOで試合をしてきた当真選手にとっては、初めて東京での試合になるのですね。
「それが……実は一度だけ東京で試合をしたことがあるんですよ。アウトサイダーに出たことがあります」
――アウトサイダーに出場経験があるのですか。それは知りませんでした。
「アウトサイダー第41戦(2016年7月31日)に出ました。まだクロスラインに入る前、格闘技サークルみたいなところで練習していました頃ですね。当時まだ19歳か20歳ぐらいで、今RIZINに出ている伊藤裕樹選手が優勝した50-55トーナメントの1回戦で負けています。今回の試合が決まって、皆から『東京で初めての試合だね』と言われるので、『一度アウトサイダーに出たことがある』と言ったら驚かれました。確かに、今まで言ったことはなかったので」
――こちらも少し驚きました。というのも当真選手は修斗沖縄大会の第1回から第10回大会まで皆勤賞で、出ていないのは昨年11月の第11回大会のみ。とにかく沖縄で戦っているというイメージが強かったです。
「あぁ、なるほど。修斗沖縄大会が始まった頃は、沖縄にプロ選手も少なかったですからね。僕以外は皆勤賞の選手はいないので、その点は誇りです」
――連続出場記録は第10回までで途絶えました。当真選手としては、第11回大会も出場したかったのでしょうか。
「そう思ってはいましたけど、たぶん年末の大阪大会か年始の後楽園ホール大会のオファーが来ると予想していたんですよ。特に大阪ではストロー級の新王者が決まりますし、『その前座で自分も試合をすることもあるかな』って。結局、大阪大会は試合がなかったけど、すぐ後楽園大会のオファーが来ました」
――2024年11月度の修斗世界ランキングで、当真選手はストロー級3位でした。1位の田上こゆる選手と2位の旭那拳選手で王者決定戦を行うのであれば、当然のことながら勝者に挑戦するという先も見越していたのですね。
「はい、そうです。もっと言えば、自分が大阪で田上選手と王者決定戦をやることも考えていました。その前に健輔さん(桑原健輔=旭那拳の本名)は田上選手に負けていたので。でも規約で『王者決定戦はランキング1位と2位の選手が行う』と知ってから、自分は大阪か年始の後楽園で誰かランカーと試合とするのかなって思いました」
――一方、11月の沖縄大会で当時ランキング4位の畠山隆弥選手が5位のマッチョ・ザ・バタフライ選手をKOし、王者決定戦の前にストロー級3位に。当真選手は4位となりました(※取材後に修斗のランキングが更新され、王者=田上、1位=畠山、2位=当真となった)。いずれにしても上位は沖縄勢ばかりで、やりにくくはないですか。
「いやぁ、やりにくいです(苦笑)。さらに同じ大会で知名昴海が新人王決勝に出るじゃないですか。昴海も強いし、新人王と獲ったら次はランカーと組まれるでしょうね」
――当真選手にとっては皆、練習仲間です。それこそ修斗沖縄大会が始まった頃は全員が力を合わせて上を目指していた。しかし現在は、ストロー級トップを沖縄勢が争っている。以前と比べて意識が変わってきた面はありますか。
「え、う~ん……あれですね。今回、田上選手がベルトを巻いたじゃないですか。あの時、『旭那拳がベルトを巻いたら、もうやるしかない』と思っていました。だから隆弥や昴海との試合は、視野には入っていないです。自分がチャンピオンになったら――という感じですね」
――これは正直、田上選手が勝った時に『旭那拳と試合しなくていい』と、ホッとした部分なかったですか。
「……はい。もちろん練習仲間だから勝ってほしい。だけど練習仲間だから……その気持ちは少しありました」
――なるほど。では田上×旭那戦の感想を教えてください。
「確かに田上選手はスピードがあるけど、旭那拳が寝かせることができれば勝つ。ただ寝かせるまでが難しい――そう考えていました。結果、そういう試合になりましたね。旭那拳にとっては4Rには良いシーンもありましたけど、あの展開をもっと早く出していければ良かったのにな、と思います」
――前戦から期間も短いリマッチであったことが、影響しているとは思います。田上選手は前戦で旭那選手をKOしていて、どういう相手かも分かっていました。
「そうかもしれないですね。その点では、自分が田上選手に勝っていることはメチャクチャ自信になっています」
THE BLACKBELT JAPANに仮想・山上選手がいるんです
――そうして沖縄勢による田上こゆる包囲網が敷かれるなか、ここに山上選手が復帰してくることは予想していなかったです。
「山上選手が復帰してくるとは考えてもみなかったけど、黒部和沙選手に勝った時『どこかで自分と山上選手が組まれるだろうな』とは思っていました」
――この山上戦で勝てば、次はタイトル挑戦になると思いますか。
「それは自分の中で確定だと考えていますね。さっき言ったとおり、規定がなければ田上選手とベルトを争っていたのは自分だと思っています。さすがに6連勝しているので、次は間違いないでしょう。ランカー同士の試合で勝てば、次は僕が1位になるでしょうし」
――ベルト挑戦に向けて、次は本当に重要な一戦となります。対戦する山上選手の印象を聞かせてください。
「山上選手は身長が高くて、リーチが長い。テイクダウンを狙ったらギロチンを合わせてくる。サウスポーだし、人によっては嫌な相手でしょうね。自分は全く気にならないですけど。今の僕は、誰が相手でも自分の得意な展開に持ち込めると思っています。
根井戦の前あたりから、いろんなことができるようになってきました。もともとは寝技中心でしたけど、打撃でもやれるし、寝技でもやれる。相手が来たところに合わせることもできて、テイクダウンされても下から攻めることもできます。試合中に危ない展開になっても、リセットして立て直すことができるようになりました」
――まさにウェルラウンダーですね。
「寝技中心のままだと組みたい気持ちが強すぎて、組めないと後手に回るようになります。じゃあ組めない時にどうするのか。寝技だけでなく全局面で、何か一つできない時に他の手段を実行できるようになってきました」
――根井戦については試合前、もっと競った内容になると思っていました。根井選手には、それだけの勢いがありましたから。しかし実際の試合では、当真選手が根井選手の勢いを大きく上回る安定感を見せたと思います。真正面から相手の嫌なところを突き続けて。
「ありがとうございます。今は根井戦の時より、もっともっとパワーアップしているんですよ。そのおかげで怖いものはない、というか――相手が打ち合いたいなら打ち合います。相手がやってくることに対して、自分が逃げることはないですね」
――山上選手の長いリーチとコンパスをかいくぐり、組みに行くこともできると。
「はい。今は出稽古先のTHE BLACKBELT JAPANに仮想・山上選手がいるんですよ。金城友大っていいます。まだアマチュアなんですけど、山上選手と同じ体型で、体重はもっと重い。打撃のスピードは山上選手より速いと思います。腰も重いですし、山上戦に向けて良い練習ができていますよ」
――沖縄には、まだまだ新しい選手が控えているのですね。
「そうなんです。あと平良達郎がいるおかげで県内だけじゃなく、いろんな選手が沖縄へ練習に来てくれているじゃないですか。福田龍彌選手もそうですし。同じ練習相手だとお互いの手の内も分かってくるなかで、そうやって違うタイプの選手と練習できるのが大事だと思っています。
僕も横浜グランドスラムで練習させてもらったり、沖縄県内でも北谷のカルペディエム沖縄に行ったりしていて。他の道場で練習させてもらうのは、内容はもちろん緊張感が実際の試合にも通じるものがありますよね。試合のような空気感を味わえるというか。
根井戦の時は沖縄大会のメインだし、ちょっとプレッシャーがありました。でも今回は東京――アウェイで如何に自分のパフォーマンスを発揮できるか。それが楽しみです」
■Shooto2025#01 視聴方法(予定)
12月19日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
■Shooto2025#01 対戦カード
<修斗世界フライ級暫定王座決定戦/5分5R>
関口祐冬(日本)
安芸柊斗(日本)
<修斗環太平洋ライト級選手権試合/5分3R>
[王者] エフェヴィガ 雄志(日本)
[挑戦者] 西尾真輔(日本)
<ストロー級/5分3R>
当真佳直(日本)
山上幹臣(日本)
<ストロー級/5分3R>
泰斗(日本)
内藤頌貴(日本)
<バンタム級/5分3R>
人見礼王(日本)
清水俊一(日本)
<インフィニティリーグ2024フライ級/5分2R>
大竹陽(日本)
亮我(日本)
<2024年度新人王Tライト級決勝/5分2R>
シヴァエフ(日本)
手島響(日本)
<2024年度新人王Tストロー級決勝/5分2R>
田口恵大(日本)
知名昴海(日本)
<2024年度新人王Tフェザー級決勝/5分2R>
ヒカル(日本)
歩生(日本)
<2024年度新人王Tフェザー級決勝/5分2R>
シモン・スズキ(日本)
山本壮馬(日本)
<2024年度新人王Tバンタム級決勝/5分2R>
宮口龍鳳(日本)
恵真(日本)
<ウェルター級/5分2R>
西條英成(日本)
ムクロック(日本)
<バンタム級/5分2R>
御前昂史(日本)
菊西拓馬(日本)