この星の格闘技を追いかける

【ONE170】野杁正明が緊急参戦→連敗脱出とONE初勝利をかけてタクレティと対戦

【写真】昨年12月のリウ・メンヤン戦は1Rにダウンを奪われたあと、猛反撃に転じた野杁。今回こそONE初勝利を掴めるか(C)ONE

24日(金・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE170に野杁正明の参戦が決定。フェザー級(70.3キロ)キックボクシングルールでイラクのシャキール・タクレティと対戦する。
Text by Takumi Nakamura


昨年4月にONEと契約し、ここまで2戦を戦っている野杁。ONEデビュー戦となった6月のONE167ではフェザー級トップファイターの一角=シッティチャイ・シッソンピーノンに判定負けし、12月のONE Friday Fights92でも中国のリウ・メンヤンにも判定で敗れて未だ勝ち星を挙げられていない。

特にメンヤンとの一戦では開始早々にクリンチからの離れ際の右ストレートでダウンを奪われ、徹底したボディへの攻撃で反撃を試みたもののダウンを奪い返せないという、手痛い敗戦を喫している。

K-1時代から「連敗したら辞める」と発言していた野杁だけに、キャリア初の連敗でその去就にも注目が集まったが、試合後の自身のInstagramで「口だけじゃんと思われるかもしれません。そこに関してはすみませんと言わせてください。ただ自分の格闘技人生は残り数年だと思います。満足いくまで、納得するまでやり切ろうと思います」と現役続行を表明していた。

この時点で野杁の復帰時期は未定だったが、約1カ月というショートノーティスで試合のオファーが舞い込み、再びリングに立つことを選択した。

対戦相手のタクレティはイラク出身のファイターで、アマチュアムエタイではIFMAアジア選手権の銀メダルを獲得。タイのパタヤに活動の拠点を置き、2023年10月のONE Fight Night15ではフランスのバムパラ・クヤテからヒジでダウンを奪って判定勝利、翌年1月のONE Fight Night18ではルンラーウィー・シッソンピーノンにKO負けしている。

ONEでの過去2試合はいずれもムエタイルール、2戦1勝1敗のタクレティだが、気をつけなければいけないのは体のサイズだ。タクレティは身長186㎝を誇り、クヤテ戦は174.5ポンド=79.15キロ、ルンラーウィー戦はライト級(77.10キロ)で試合をしており、ライト級から階級を落とす形になる。

先月野杁が苦杯をなめたメンヤンも身長184㎝、70キロよりも重い階級で戦った経験がある選手で、身体的な特徴はタクレティと重なる。当然1カ月という期間で急激にフィジカルが強化されることはないため、今回も野杁はフィジカル差という戦いにも挑まなければならない。

一方でKO負けを喫したルンラーウィー戦でのタクレティはサウスポーのルンラーウィーの左ミドルをカットできず、1Rに左ボディストレートからの左ミドル、2Rに左ハイキックでダウンを奪われ、ヒジで立て続けにダウンを奪われてマットに沈んでいる。スイッチファイターで左の蹴り・ボディへの攻撃を得意とする野杁からすればルンラーウィーの戦い方はタクレティ攻略の参考になるはずだ。

同大会ではフェザー級ムエタイ王座をかけて王者タワンチャイ・PK・センチャイと挑戦者スーパーボン・シンハ・マウインの一戦が組まれており、ルールは違えど野杁が目指す頂はこのレベルでの戦いだ。今の野杁に求められるのは確実に1勝を挙げること。常にタイトル戦線で戦ってきたK-1時代にはなかった状況だが、だからこそ勝利に飢えた野杁の貪欲なファイトを期待したい。

PR
PR

関連記事

Error, no Advert ID set! Check your syntax!

Movie