【UFN249】UFC、2025年キックオフ。ロマン・コピロフに聞く、ハンド・トゥ・ハンド・コンバット
【写真】キャリア13勝3敗。UFCでは5勝3敗。インタビュー中、終始穏やかな表情だったコピロフ。左ストレートと左ハイがヤバいロシアン戦闘術使いだ(C)MMAPLANET
11日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFCの2025年最初の大会=UFN249:UFN on ESPN+107「Dern vs Ribas2」が開催される。
Text by Manabu Takashima
マッケンジー・ダーン×アマンダ・ヒーバスの女子ストロー級戦をメインに、14試合で今年のキックオフを迎えるUFC。その年頭のイベントでロマン・コピロフがクリス・カーティスと戦う。
4度のハンド・トゥ・ハンド・コンバット世界王者という実戦を持つコピロフだが、このハンド・トゥ・ハンド・コンバットとはいかなる競技、そして格闘技なのだろうか。日本語に訳すと徒手格闘技か。飛び道具を使わない、戦場の戦闘術。それでいて世界王者ということは、競技会が行われスポーツとしている存在しているのか。
カーティス戦を控えたコピロフに、未知のハンド・トゥ・ハンド・コンバットについて尋ねた。
――今週末、クリス・カーティスと対戦します。今の調子はいかがですか。
「凄く良い対戦相手だ。強いし。戦うことが楽しみだよ」
――多くの資料でロマンはハンド・トゥ・ハンド・コンバット世界王者という肩書が紹介されています。このハンド・トゥ・ハンド・コンバットですが、日本語に訳すのが非常に難しく、軍の徒手格闘技にルールが設けられ競技会が行われているということでしょうか。それとも軍隊内だけで、実施されているのですか。
「僕は4度のハンド・トゥ・ハンド・コンバット世界チャンピオンだ。そしてハンド・トゥ・ハンド・コンバットは軍人でなくても、誰でも練習できて試合に出ることができる。ロシアでは凄く人気があって、街中のジムでキッズから誰でも練習している。ハンド・トゥ・ハンド・コンバットの練習をして、試合に出るのに軍人である必要はないし、年に一度開催される世界大会への参加国は増える一方だ。とはいえ、圧倒的にポピュラーなのはロシアであることは間違いないよ。少年クラスも合わせると、トーナメントの参加者は1000人を超えることも珍しくない」
――ルール的にはコンバットサンボに似ているのでしょうか。
「MMAにとても似通っている。パンチ、キック、エルボー、サブミッション、レスリングも使える。ただし試合タイムは5分で、レスリングの攻防が続くとブレイクが入る。組み合いは限定的なモノになる。パウンドはボディのみで、グランドでは顔面を殴ることはできない」
――ロマンも子供のころから、そのMMAに似通ったハンド・トゥ・ハンド・コンバットの練習をしてきたのですか。
「ハンド・トゥ・ハンド・コンバットは僕にとって、最初の格闘技だった。9歳の時から練習してきたからね」
――4度の世界王者がMMAに転じる。ハンド・トゥ・ハンド・コンバットの世界王者として、生活を成り立たせることは簡単ではないということでしょうか。
「ハンド・トゥ・ハンド・コンバットの世界でやるべきことはないと思ったんだ。それにハンド・トゥ・ハンド・コンバットはMMAほど金にならない。でもハンド・トゥ・ハンド・コンバットほどMMAで戦うための基礎を養える競技はないからね」
――穴がなく満遍なく戦えるのが強みなわけですね。他方、強力なベースを生かしウェルラウンディットになるファイターもいます。満遍なく戦える強みはどこにあると思いますか。
「ハンド・トゥ・ハンド・コンバットがMMAを戦ううえで、ベストなベースなのかは分からない。ただ、今言ってもらったように僕らは全ての局面で最初からある程度は戦える力を持っている。MMAと比較すると、レスリングの局面だけは強固でない。でも、KOもサブミットも両方できる下地はある。だからベストとはいえなくても、絶対的にワーストではない。その素養を身に着けることはできるはずだ」
――どの局面でも戦えるなかで、ロマンは打撃が秀でているように見えます。
「その通りだ。何でもできるけど、特に打撃には自信を持っている。それこそハンド・トゥ・ハンド・コンバット出身者の強みだ。レスリングより、打撃で戦ってきたから。結果、一番の武器が打撃になったんだ」
――ところでロマンは今もロシアのバチャスキに在住で、北米やタイでキャンプを行うことはないようですね。
「バチャスキに住んでいても、しっかりと体調をキープできる。ただキャンプは、ダゲスタンのマハチカラで行っている。北米やタイにいかなくても、マハチカラはシベリアからは十分に遠い場所だよ(笑)」
――確かに(笑)。ではクリス・カーティス戦、MMAとして穴がない打撃を期待します。
「スパシーバ。ハンド・トゥ・ハンド・コンバットで養った素晴らしい技術を使って、凄い試合を皆に見てもらいたいと思っている」
■視聴方法(予定)
1月12日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS
午前5時45分~U-NEXT
■UFN249対戦カード
<女子ストロー級/5分5R>
メッケンジー・ダーン(ブラジル)
アマンダ・ヒーバス(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
サンチアゴ・ポンジニビオ(アルゼンチン)
カールストン・ハリス(ガイアナ)
<ミドル級/5分3R>
アブドゥル・ラザク(米国)
セザー・アルメイダ(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
クリス・カーティス(米国)
ロマン・コピロフ(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
オースティン・バシ(米国)
クリスチャン・ロドリゲス(米国)
<ウェルター級/5分3R>
プナヘラ・ソリアーノ(米国)
ウロス・メディッチ(セルビア)
<フライ級/5分3R>
ホセ・ジョンソン(米国)
フィリッピ・ブニス(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
マルコ・トゥーリオ(ブラジル)
イホール・ポティエリア(ウクライナ)
<ライト勝/5分3R>
チアゴ・モイゼス(ブラジル)
トレイ・オグデン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
プレストン・パーソンズ(米国)
ジャコビー・スミス(米国)
<女子フライ級/5分3R>
エルネスタ・カレクカイト(リトアニア)
ニコーリ・カリアーリ(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
マゴメド・ガジヤスロフ(バーレーン)
ブルーノ・ロピス(ブラジル)
<女子ストロー級/5分3R>
ヴィクトリア・ダダコワ(ロシア)
ファティマ・クライン(米国)
<ライト級/5分3R>
ジョー・ソレツキ(米国)
ニュルロ・アリエフ(タジキスタン)