【Black Combat13】山本聖悟とバンタム級王座決定戦、キム・ジェウン「それほど深刻に考える相手では」
【写真】力のがることは確か。それだけにアフターONEが楽しみ(C)MMAPLANET
28日(土・現地時間)に韓国はソウルのソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で開催されるBlack Combat13で、キム・ジェウンがバンタム級王座決定戦で山本聖悟と戦う。
Text by Manabu Takashima
松嶋こよみ、マーチン・ウェン、タン・カイ、シャミール・ガサノフ、ケビン・ベリンゴン、佐藤将光、ジョン・リネケルという猛者と対戦してきた。
5年振りに国内に戻り、厚待遇で迎えてくれたBlack Combatで戦うことを決めたキム・ジェウン。そのBlack Combatに一度は反旗を翻した山本との王座決定戦を前に話を訊いた。そして見えてきた――Black Combatバージョンのキム・ジェウンとは。
――キム・ジェウン選手、お久しぶりです。ONEで戦っていた時以来のインタビューとなります。
「こちらこそ、お久しぶりです。よろしくお願いします」
――今回、キム・デファン選手とバンタム級王座決定戦を戦う予定でしたが、山本聖悟選手と対戦することになりました。
「ハイ。3週間ほど前に(※取材は22日に行われた)、キム・デファン選手がケガをして試合ができなくなり、山本聖悟選手と戦うことになりました。全然、問題ないです」
――Black Combatで2戦目となりますが、昨年8月のジョン・リネケル戦を最後に4年ほど活躍していたONEを離れました。
「あの試合が契約最後の試合で、更新をしませんでした。条件面は良かったです。ただ、ONEではキックと比較してMMAの試合数が減ってしまって、なかなか試合が組まれないと思いました。そういうなかでONEほどではないですが、それに近い条件を提示してくれたBlack Combatで戦うことに決めたんです。日本でもRIZINぐらいの待遇ではないでしょうか」
――なるほど。プロとして凄く大切なことですね。一方でBlack Combatはケージの外の活動も重視されるかと思うのですが、キム・ジェウン選手はそういうことを得意としているというイメージはなかったです。
「確かに自分はSNSでトラッシュトークを展開することを全面的に肯定するようなことはなかったです。と同時に、世界中のMMAで見られることですし、自分もアピールする必要があるとは思っています。そういう時代なので、自己アピールが上手い選手にならないといけないです」
――9月にはパク・ソンジュン選手に勝利し、ケージの中から客席にいたキム・デファン選手とマイクでやりあっていましたね。
「ハイ。マイクのためにありもしない話をすることはできないですが、全て思っていることなので難しくなかったです」
――そのBlack Combat初陣は、5年振りの韓国での試合でした。これまでアジア各国で戦い続けてきたわけですが、母国での試合はいかがでしたか。
「やはりホテルで対戦相手と顔を合わすことが度々ある海外の試合と比べると、心が平穏でした。それに普段から口にしている食事を摂り、周囲に仲間がいるのは違いましたね。しっかりと休むことができました」
――ところでONEとは違う北米階級のバンタム級の体を創ることに、苦労は伴わなかったですか。
「前回の試合は64キロ契約で、バンタム級とフェザー級の間のキャッチウェイトでした。体重はONEの時より落とさないといけないのですが、ハイドレーション検査がないのは楽です。ONEではハイドレーションのために水をたくさん飲むのが、なかなか楽ではなかったです」
――ところでキム・デファン戦が、相手の都合で2度連続で流れました。何か想うところはないですか。
「もちろんキム・デファン選手と戦うつもりで準備をしていたので、試合が流れたのは残念です。ただ、キム・デファン選手と戦うためにMMAをやっているわけではないですし、自分が好きでMMAを戦っています。だから、それほど気にすることはないです」
――では今回、タイトルを争う相手が山本聖悟選手に代わると知った時にはどのような気持ちになりましたか。
「正直、山本聖悟選手のことは余り知らなかったです。Black Combatで試合をしているということぐらいしか。戦うことが決まってから、試合をチェックしました。キム・デファン戦が流れた時は、試合がなくなるならフェザー級でノンタイルの試合でも良いと思ったぐらいでした。なのでベルトのことはそれほど考えていなくて、試合ができることに感謝しています」
――山本選手はランク2位で、今大会で1位の選手との試合が王座決定戦にならない。それはキム・ジェウン選手とキム・デファン選手がONEからBlack Combatに移ってくることが要因という説明に不信感を覚え、1度はBlack Combatを離れました。
「その話は自分も最近になって知りました。まぁ2位になったのもBlack Combatにチャンスを貰って、試合ができた結果だと思います。それなのにタイトル戦が組まれないとか、自分たちに対して不平を口にするような立場にはないと思います」
――誤解をしないでほしいのは、キム・ジェウン選手に文句を言っているわけでなくランキング制の意味がない、筋が通っていないというのが山本選手の言い分でした。
「あぁ、そういうことですか。う~ん、ランキング下位の選手に2回勝っただけでランク2位になり、1位の選手と試合はあったわけじゃないですか? 選手は主催者の要望に応じるべきだと思います」
――キム・ジェウン選手の口ぶりから、山本選手のことをそれほど評価していないようにも感じられます。
「それほど深刻に考える相手ではないです。でも、どの選手と戦うにしても最善を尽くします。油断して負けた経験があるので、全力で倒しに行きます」
――ところで今回のタイトル戦を経て、どのようなキャリアの再構築をしようと考えているのでしょうか。
「今はバンタム級のベルトを取ることだけを考えています。チャンピオンになり、バンタム級にあまり相手がいないようでしたらフェザー級王座を狙い二階級制覇したいですね。ただチャンスがあれば海外、日本の大会でも試合をしたいと思います。
日本は格闘技の本質が分かっているファンがいる国。そんな風に大会を見ていても思います。今回は日本人選手とたたかいますが、自分も頑張るので応援してもらえると嬉しいです」
■視聴方法(予定)
12月28日(土・日本時間)
午後6時30分~メインカードBlack Combat YouTubeメンバーシップ
午後2時00分~アンダーカードBlack Combat YouTubeメンバーシップ
■Black Combat13対戦カード
<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ(韓国)
木下カラテ(日本)
<Black Combatミドル級選手権試合/5分3R>
[王者]チェン・ウォンジュン(韓国)
[挑戦者] オ・イルハク(韓国)
<Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
[王者]大原樹理(日本)
[挑戦者] ムン・ギボム(韓国)
<Black Combatバンタム級王座決定戦/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
山本聖悟(日本)
<Black Combatフライ級王座決定戦/5分3R>
ユン・ホヨン(韓国)
駒杵崇大(日本)
<ウェルター級/5分3R>
ジン・テホ(韓国)
チェ・ジュンソ(韓国)
<ライト級/5分3R>
パク・オジン(韓国)
ジョン・ハングク(韓国)