【Shooto2024#07】DEEP、パンクラス、修斗と三冠へ、住村竜市朗「修斗王者になって心置きなく引退」
【写真】〇〇〇万円を生む、ヘルメットと作業着。現役生活を充実させつために、欠かせない存在だ (C)MMAPLANET
本日22日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで行われるShooto2024#07で、住村竜市朗が14年1カ月振りに修斗公式戦に出場し西條英成と対戦する。
Text by Shojiro Kameike
DEEPウェルター級王者からRIZINへ、しかしウェルター級ファイターとして存在感を示すことはできなかった。30代後半、海外での活動も現実的ではない。その時、住村はパンクラスを新たな主戦場とし、さらに修斗を制して三冠という目標を掲げキャリアの最終版を泥臭く戦い抜くことを誓った。
――そのヘルメットが、計量では滑りまくってもスポンサーの獲得に絶大な効果があった秘密兵器ですね。
「ハイ。お金を生んでくれるヘルメットです(笑)」
──いったい、どれぐらい集めることができたのでしょうか。
「〇〇〇万ぐらいですかね」
──えぇぇぇぇぇぇぇ!!
「とにかくヘルメットスポンサーをお願いしますって、アホみたいな頭を下げまくって(笑)。ヘルメットと作業着自体がスポンサーさんのモノで。そこから集める形ですね」
──素晴らしいです。頭は下げる、そして使うために存在します。その両方を住村選手は実施しているということですね。
「これも皇治の紹介してくれたことから始まって、他のスポンサーさんも神戸のポートアイランドにある冷凍食品を扱う会社だったり。このジム(Team Oneジム)のスポンサーさんのグループ会社だったり、本当に色々な方に応援していただいています。ありがたい限りです」
──その感謝の気持ちでDEEP、パンクラスに続き、修斗ウェルター級王座を狙おうと思い始めたのはいつ頃からだったのでしょうか。
「RIZINで難しいかなって思った時……。言い訳になってしまいますが国内のウェルター級は回っていないですし、年齢的に海外への挑戦は難しいと思った時にパンクラスで戦わせてもらって、ベルトが見えてきて。その時に誰もやっていない国内メジャー3団体のベルトを制覇しようと」
──RIZINで結果を残しせなかった時に、引退しようという考えはありましたか。
「本当は37歳で引退しようと思っていました。でも連敗していて、負けて終わるのは嫌で。もうチョット頑張ってみようと思いました。それがDEEPの嶋田伊吹戦ですかね。『これで負けたら辞めよう』と思って挑み、勝てました。そこからは調子が良い──だけですね」
──あの試合からズタボロ根性ファイトに変わった気がします。
「そうですよ(笑)。ビックリしました、あのパワーには。でも、しがみついても勝とうと」
──キャリアの序盤は完全ストライカーで、組まれないようにというファイターでした。
「強かったですよね(笑)。本当にリアル、冗談抜きで今では考えられないですけど、打撃では国内では誰にも負けないと思っていました。組みをやっていなかったわけじゃないですけど、打撃の練習時間の方が長かったです。やっぱりメインの勝てる武器なので。レスリングはほとんどしてなかったです。打・倒・極で、打と寝だけで。
それでストラッサー(起一)さんにRIZINで落とされ、打撃の勢いは段々となくなっていきましたよね。若い時はあったんですけど、年齢がいくと『よっしゃ、喧嘩するぞ。殴り倒したるぞ』という気持ちもなくなっていったのかと思います。
それでも打撃主体のままで。国内なら、大丈夫というのがあって。でも、元UFCファイターでもライト級のジョン・タック……どっちかといえば組みの選手に打撃で負けて。こんなにUFCってレベルが高いんやって。で、レスリングと寝技かなって思って完全にシフトチェンジしましたね。何なら組みしかないですからね、今や」
──よく30代半ばでスタイルチェンジに踏み切れましたね。
「いやいやいや、皆できますよ。本気でやろうとしないだけで。打撃はセンスやと思いますけど、組みやレスリングは練習量で強くなれますから」
──しんどくて、やられる。そういう練習が当初は続いたかと思います。
「イゴールとか青木さんにメチャクチャやられて。いや、しんどいですよ。年齢も年齢なんで。でも、目標があるのでやらないと」
──老舗三団体、丁々発止のやり取りが裏では存在しています。DEEPに続きパンクラス王座を返上して、修斗。よく可能になったかと思います。
「最初はちょっともめました」
──えっ?
「パンクラスさんはベルトを巻いたまま修斗王座を狙って欲しいということでした。ベルトを持ったままの方が飛び級でチャンピオンと対戦できるのでは?と」
──もめていないじゃないですか(笑)。
「自分の意思を尊重してくれましたね(笑)。だからDEEPさんと同様にパンクラスさんにも感謝しかないです。どっちかいうと修斗の方が、チャンピオンでない方がという風でした」
──えっ、藤野恵実選手は修斗のベルトを持ってパンクラスに挑むのに。なんか、おかしいですね。
「いや、おかしいとか止めてください。僕がやり難くなるじゃないですか(笑)」
──アハハハ。
「そこで逆にパンクラスの福井(幸和)代表が『ベルトを持っていることで挑戦し辛くしてゴメンなさい。住村選手の夢を追ってください』と返上させてくれたんです。ホント、感謝しかないです」
──そして修斗ウェルター級に挑むと。とはいえチャンピオンはブラジルのエルナニ ペルペトゥオです。どのような段階を踏んで王座を目指そうというプランなのでしょうか。
「ランキングにも入っていないので、ランカーになるための試合は必要だと思っていました。で環太平洋のベルトという流れはあるんですけど、僕はもう時間がないんです。今、38歳で次の2月で39歳になります。今回勝って、ランカーになったら世界王座に挑戦させてほしいという話はしています」
──ブラジル人王者……コスト面でハードルが高い……。
「そこはもう何とか、実現させます。勝ってリングの上で『ブラジルの人、聞こえますか?』って叫んで滑ってやろうかと思います。ハイ」
──……。滑る前に勝利が絶対です。
「元自衛隊員、不気味ですよね(笑)。でも、不気味な人とはたくさんやってきたので。大丈夫……大丈夫じゃないですけど、まぁまぁ」
──平良達郎が育ったジム所属。どれだけできるのかとか、考えることはないですか。
「それは思わないです。平良君は特殊ですよ。誰もが、あんな風にはなれない。まぁまぁ、いつも通りにやれば勝てると思います。多分、どんな練習をしていても勝手に組む展開になると思いますし。
相手も打撃には打撃、組みには組みに対応するよっていうタイプやと思うので、組みになるでしょうね」
──UFCを目指す、RIZINでトップになる。そういう選手が周囲に多いなかDEEP、パンクラスから修斗と国内三冠を目指す。なかなか素敵なMMAファイター人生ではないでしょうか。
「誰もやったことはないという。その近くにいるので、挑戦しようと。で修斗のチャンピオンになって、心置きなく引退しようと思います」
■視聴方法(予定)
9月22日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
■Shooto2024#07 対戦カード
<環太平洋バンタム級王座決定T準決勝/5分3R>
野瀬翔平(日本)
人見礼王(日本)
<環太平洋バンタム級王座決定T準決勝/5分3R>
川北晏生(日本)
ダイキ・ライトイヤー(日本)
<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
西條英成(日本)
<ライト級/5分3R>
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)
西尾真輔(日本)
<ストロー級/5分3R>
黒部和沙(日本)
山上幹臣(日本)
<ストロー級/5分2R>
内藤頌貴(日本)
大城正也(日本)
<女子アトム級インフィニティリーグ/5分2R>
パク・ソヨン(韓国)
NOEL(日本)
<女子アトム級インフィニティリーグ/5分2R>
平田彩音(日本)
檜山美樹子(日本)
<フライ級インフィニティリーグ/5分2R>
大竹陽(日本)
ヤックル真吾(日本)
<バンタム級/5分2R>
平川智也(日本)
新井拓巳(日本)
<2024新人王決定T フライ級1回戦/5分2R>
手島響(日本)
直島弘昌(日本)