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【Shooto2024#07】迎撃準備完了。住村竜市朗戦へ、西條英成「私は塩漬けにされるような選手ではない」

【写真】制圧。それが西城のMMA (C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで行われるShooto2024#07で、西條英成が元DEEP&パンクラス2冠王者の住村竜市朗を迎え撃つ。
Text by Shojiro Kameike

昨年12月にウェルター級KOPとなった住村にとっては修斗初参戦となる試合。その相手に選ばれたのは昨年のプロデビューから4戦無敗で、新人王も獲得している西條だ。筋骨隆々のヒットマッスルから繰り出されるテイクダウンとコントロール、グラウンドのパンチ&エルボーで相手を制圧する西條のファイトスタイルは如何に培われてきたのか。これまでのキャリアと住村戦について訊いた。


――今回はMMAPLANET初のインタビューとなります。西條選手はもともと自衛官だったのですか。

「そうです! 去年の3月、プロデビューの1カ月前まで自衛官でした」

――というと、プロデビューのために自衛隊を辞めたということなのでしょうか。

「もともと自衛官を続けるかどうか悩んでいた時期がありまして。その頃にMMAと出会い、プロデビューを機に退職という形をとりました」

――そうだったのですね、自衛官になるまでのスポーツ歴から教えてください。

「中高では空手をやっていました。流派は劉衛流といって、東京五輪で金メダルを獲得した喜友名諒選手は直属の先輩になります。そのあと自衛隊に入り、主に日本拳法をやっていました」

――自衛隊で日本拳法ですか。特格闘術ではなく。

「私は18歳から26歳まで航空自衛隊にいたのですが、空自で日本拳法をやっていて、競技大会も実施されていました。同時に陸上自衛隊でやっている徒手格闘の練習にも参加していました」

――なるほど。中高で空手を経験し、自衛隊に入ったあとも日本拳法をやっていたということは、ずっと格闘技をやっていきたいという気持ちはあったのですね。

「自衛隊で日本拳法を始めた当時、自分がそこまで格闘技をやっていきたい気持ちがあったかどうかは分からないです。最初は『やってみろよ』と言われて始めたもので(苦笑)。しかし練習や試合を通して『やっぱり自分は格闘技=対人で戦う競技が根っから好きなんだな』と感じました」

――その気持ちが、どのようにしてMMAへと移っていくのですか。

「最初にTheパラエストラ沖縄(現THE BLACKBELT JAPAN沖縄)に入会したのは柔術を学び、自衛官として徒手格闘の技術を高めたいと思ったからでした。そこで柔術だけでなくMMAも学んで、戦闘術のために技術を上げていこうと考えていました。しかし時を経て、それよりも選手として一人前になりたいという気持ちが大きくなったんです」

――最初は自衛隊の任務のために柔術を始めたのですね! ちなみに柔術は自衛隊内の徒手格闘で役立ちましたか。

「はい! まず自分が所属していたのが警備を担当する部隊でした。有事に限らず平素からテロを見据えた活動をします。そこで人間に対する拘束要領、相手を制圧する動きというのは、柔術の技術がとても大切になってくるものでした。そのため柔術から取り入れたものは大きかったです」

――制圧ですか。その言葉を聞いて理解できました。西條選手のファイトスタイルは相手に何の余裕も与えない、まさに制圧という言葉が相応しいです。

「おぉ、その言葉は嬉しいです! 自衛隊時代からその戦いを求めていたといいますか、やはり部隊として求められていたのが『相手を制圧する』というものでした。

自衛隊時代からそうですし、THE BLACLBELT JAPANでは『いかにリスクを負わず、しっかりと勝ち切るか』を求められました。それは自分の考え方と合っていたことは、MMAを戦ううえで良かったです」

――すると今は自衛隊時代の日本拳法より、THE BLACKBELT JAPANで学んだ柔術とMMAの要素のほうが大きいですか。

「ジムに入ってからの要素のほうが大きいですね。空手と日本拳法のバックボーンはありますが、今までMMAの試合でその技術を駆使してきたか――と訊かれたら、そういうわけではありません。ジムに入ってイチから柔術を学び、レスリングを学び、キックボクシングを学んできました。このジムで学んだものでMMAを戦っています」

――プロデビュー以降は4戦無敗。この2年間で変化してきたものはありますか。

「先ほども言ったとおり、これまでジムで学んだことを試合で出してきました。ただ、松根良太さんからも『今までやってきた空手や日本拳法を思い出しながら、その技術を使えるようになったほうが良い』とアドバイスを頂いています。プロデビューして以降で考えると、変化よりも成長してきたというほうが大きいです」

――修斗に限らず、国内ウェルター級は層が薄いなかで、どのようなキャリアの積み方を考えていましたか。まさか修斗のベルトに挑む前に、ここで元DEEP&パンクラス王者の住村選手と対戦することになるとは……。

「住村選手と対戦できるのは、自分のキャリアにとって本当に大きいです!自分が人生を賭けて成し遂げたいと思っているチャンピオンの称号を、住村選手は2度も経験しています。選手として尊敬していますし、そのファイターと戦える……そのファイターを倒すチャンスを頂くことができたのは『嬉しい』の一言に尽きます」

――では住村戦について自信のほどは?

「自信は非常に強く持っています。住村選手のことを尊敬しているからといって、胸を借りるつもりは一切ありません。これまで住村選手が積み上げてきたものは、凄く大きいと思いますが、自分がそれを奪います」

――その住村選手について、どのような印象を持っていますか。

「打投極において、とてもバランスが取れている選手です。しかし住村選手と比べて、自分に不安な要素はないと思っています。自分は普段やっている動きを出すだけです!」

――住村選手の「塩漬け上等」については、何か思うところはありますか。

「戦い方として塩漬けだろうと何だろうと、勝っているので何も文句はありません。それが全てです。しかし私は塩漬けにされるような選手ではないし、相手が考えるような戦いはできないと思っています。自分はここで住村選手に勝つので、次はベルトまでのレールを敷いてほしいです。よろしくお願いいします!」

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