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【DEEP121】二階級制覇。福田龍彌が初回KO勝ち=最上級のエールを平良達郎に「僕ら、強いし。日本人は」

【写真】プロとして、ファイターとして──福田龍彌を認めないのは、目が節穴と言わせてもらいます (C)MMAPLANET

16日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたDEEP121 Impactのメインで、DEEPフライ級チャンピオン福田龍彌が、瀧澤謙太とのバンタム級王座決定戦を戦い2RにKO勝ちを収め、二階級制覇を成し遂げた。野村駿太が江藤公洋を破りDEEPライト級チャンピオンの座についた。
Text by Manabu Takashima

5月に同王座決定戦で元谷友貴と対戦予定だった福田は、タイ修行中に肩を負傷し欠場を余儀なくされた。4カ月を経てケージに戻ってきた福田は、瀧澤とのセッションで宣言通りヒリヒリさをファンに提供し、最後はヒザ蹴りに右を合わせてKO勝ちし、ミッションコンプリートとした。

この戦いを遂行するために、日々を送る福田のイベント終了後の共同インタビューの場で、MMAPLANETの質問への返答を切り取ってお届けしたい。

人として、全体を俯瞰し抜いた──ある意味、達観したようなセイン信と熱い熱量を併せ持つ福田は、タイトル戦前に沖縄合宿で時間を供給をした平良達郎にエールを送った。


──二階級制覇、おめでとうございます。

「ありがとうございます」

──瀧澤選手の前進、詰め方。福田選手が望むヒリヒリ、お客さんに提供したいヒリヒリという部分に関して、応援してくれる人達がヒヤヒヤすることがヒリヒリに通じているのでしょうか。

「まぁ、そうですね。僕もミスったら貰わんと。そういう距離でやるもんやから。それを恐れたところで駆け引きをしたくないんですよ。『えぇ、お前。そこでブレーキを踏むんや』、『えぇぇぇぇ?』みたいなんが嫌いなんで。『常に行けよ』……お客さんに『行けよ』なんて思われたないじゃないですか。

気が付けば『もう1Rが終わったんや』って、見入ってもらえるモノを提供したいから」

──詰められても下がるのでなく、間合いを測っていた?

「そうそう、前に出させて観察するんですよ。向うがどういう動きをすんのかをね」

──ミドルを蹴ってきたり、初回にもヒザを蹴ろうという気配はありました。

「インプット、インプット。だから次に出して来たら、合わしてやろうって思いましたね。出してくれたらね。だから見切るまでがヒリヒリすんのかも。見切っちゃったら、俺のパンチが相手に当たっちゃうから。1R中盤に一発バンと当たって、多分効いていたと思います。

メッチャ楽しみにしていたんです、今日を。やっぱり、前の試合を飛ばしちゃったから。俺ももうヒリ禁が長くて(笑)。ポーンと効かせて『終わらせられる』って思ったんですけど、ブレーキをかけてしまいましたね。『もう終わるんは嫌や』って。それでチョット見ちゃいました。ハハハハハ」

──そうだったのですが。ところで、肩の腱板損傷で4月の試合を欠場しました。実は自分もやったことがあって、もの凄く痛くなかったですか。

「メッチャ痛かった。痛かったし、『これは元谷戦はヤバい』って思ったんですよ。いや、やりたいけど。でも痛いのを我慢して無様なモノを見せるために戦うわけではない。ケガをすることはもちろん悪いです。でも、提供したいのはアレなんで。今日見てもらった、アレ。だから万全でやらなアカンっていう……コンディションを踏まえてというか。

出てきた以上は、オモロイもんを見せたい。それができへんがために、前は辞退させてもらいました」

──負傷の後、自分の場合は肩の動きは明らかに変わりましたが、実際に戦って影響は残っていないですか。

「慣れたっス。やっぱり浮いていて、緩い感じはします。でも……なんか、これにはこれなりの殴り方があるって」

──あぁ、なるほどです。先ほどケージの中で『後楽園ホールで元谷選手と。そうでなければ他の場所でも』という趣旨のマイクがありました。勝手ながら、もっとお客さんの多い場所で中央アジア勢にリベンジなど期待してしまいます(笑)。

「アハハハハハ。それはねぇ、決めることができるのは、俺じゃないやないですか。僕がどこで戦いたいって言って戦えるなら良いですけど、戦われへんから。僕の意向だけでは……だから誰と戦いたいって言っても、願望だけになるので。まぁエェんですけどね、それも」

──29日のRIZIN48 、シェイドゥラエフの相手がフアン・アルチュレタで日本人ではないですよ。

「ねぇ。そういうところに俺? アハハハハハ。そういう枠?
 そういう枠かぁ……エェかもしれん。でも、そことのリベンジはホンマにしたいから。全然、お話を頂くことができれば。どういうお話かっていう、それだけですから。僕は面白いお話が来るのを待っていますし、基本オファーは断らへんので。マジで。色んなことが巡り巡って、こうなっているだけで。

ホンマ淡々と頂いたお話を処理して、遂行しようと。自分からいうもんじゃないです。ただ元谷選手との試合は、俺が飛ばしちゃったからで」

──押忍。では取ってつけたような形ですが(笑)、10月12日にブランドン・ロイヴァル戦を控える平良達郎選手に良い形でつなぐことができました。

「ホンマ、そこ。良いバトンを渡せたかなって。これで達郎も同じようなパンチで勝ってくれたら、嬉しいですよね。ホンマに僕なりにできるエールは、これが最上級なんですよ。それだけ僕にとっても達郎にとっても、沖縄でエェ期間を過ごせたから。これで良いバトンを繋ぐことができて、ホッとしているし……安心しています。

僕ら、強いし。日本人は」

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