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【Pancrase345】メンタル乱降下のファイトウィーク、内藤由良「勝たないと何も始まらない」

【写真】スーツを脱げばカルバンクラインのカラダギィに対し、内藤はまさかのミーアキャット。実家でミーアキャットを飼っているそうだ (C)MMAPLANET

本日30日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるダルヘッダー夜の部= Pancrase345のメインで、内藤由良がアリ・カラダギィと対戦する。
Text by Manabu Takashima

2年3カ月振りの実戦となる内藤は、キルクリフFC所属のディラン・オサリバンと対戦予定だったが、水曜日の夜にオサリバンが入国できなかったことが発覚──急遽、カラダギィと戦うことが決まった。

J-MMA重量級期待の新鋭はUFCを目指し、海外でのステップアップを図るも決まりかけた試合がことごとく流れた。この間も練習仲間の間で語られる内藤の強さは伝わってきたが、やはりファイターは公衆の面前で強さを見せつける必要がある。紆余曲折がありながらも、その場に戻って来る内藤の話を計量直後に訊いた。


――オサリバン戦が無くなったと聞いたのは、いつ頃だったのでしょうか。

「水曜日の夜でした(苦笑)。ちょうど、パンクラスのオフィスに用事があって。『ロッキーが迎えに行っているから』という話も聞いていたんです。で、チケットを配って家でゴロゴロとしていたら、彼が入国できなかったという連絡がありました。

最悪、体重オーバーはあり得るとは思っていました。でも、ここまできて試合がなくなるとは……。もう99.99パーセント、試合はないと思っていました。国内で階級下の選手がやってくれるわけがないし。外国人が3日で来れるものでもない。もう水曜日の夜から木曜日の夜まで、死んでいました(苦笑)。何もやる気がおきなくて……計量の前日なら、心が折れて食べていたかもしれないですね(笑)。

だから、良く対戦相手を見つけてもらえて……凄く人に恵まれ、パンクラスに愛されていると思います。木曜日の夜に『見つかるかもしれない』、『やってくれると言っている選手がいる』という話があって、そこで気持ちを戻しました。

これから海外で戦っていくと、対戦相手が直前で代わるなんて普通にあると思うんです。そういう場合も気持ちを切らさない必要がある。その予行演習になるんだと言い聞かせていました。で、正式に金曜日の朝にアリ選手が試合に応じたという連絡がありました」

──2年3カ月振りの試合、チャンピオンといえどもキャリアは5試合。オサリバンは北米MMA育ちで、そのポテンシャルを見せつける試合になるという期待がありました。

「ハイ、絶対に噛ませ犬じゃないし。5勝1敗で全て1Rフィニッシュ、UFCを目指している30歳。年齢も近かったですし、自分も目指す道があるので必ず倒さないといけない。そういう相手だったので、めちゃくちゃやりたかったです」

──試合が決まってからの日々は、試合が確定しない時期と比べるといかがでしたか。

「やっぱり気持ちの入り方が違いました。相手が決まってから、あっと言う間にファイトウィークになるぐらい充実していましたね。生きているというか、『これだよ、これ』みたいな。何か、体の中から出てくるモノがありました」

──その成果をアリ・カラダギィ選手にぶつけるのみ……なのですが、キックやラウェイを戦っているUAEがベースのファイターだと聞きました。

「ハイ。中井(裕樹)先生と親交が深くて、柔術をやっていると。あとは合気道とか日本の武術にも傾倒していると聞いています。MMAはやったことがないみたいですけど」

──MMAファイターとしては全く分からないです。ただ、この期間で内藤選手との試合を受けて、計量にあの表情と装いで現れる。人として、相当な強さではないかと。

「確かにそうですね(笑)。ドバイに住んでいるって、バシッとしたスーツ姿でやってきて。格闘技をやる必要なんてない人なんじゃないですか。アハハハハ。これで俺に勝てば、パンクラスのチャンピオンに勝ったという泊がつきますし、腕試しをやってやろうという気持ちなのかもしれないです」

──対して、内藤選手は……。

「もうリスクしかないですよね(苦笑)。負けるわけにいかないです。気を抜かないように、自分の得意なところで仕留めに行きます」

──そこですね。オサリバンが相手だとMMAファイターとしての成長や可能性を見せる試合になるはずでした。ただし、相手が代わってキックボクサーなら、もうベースとなる強い部分で勝つのみという試合が必要です。

「そうッスよね。いくら仲間内で評価されても、それが試合で発揮されるのか。本当に言われているような強さがあるのかっていう見方をされていると思います。そこを見せる試合が、ディラン選手とできると期待していました」

──この間、上を目指してなかなか上手くことは運ばなかったです。この試合後、その状況が劇的に変わることはないはず。そのなかで、今後のキャリアアップをどのように考えていますか。

「UFCを目指す中でUAEWなのか、LFAなのか。海外の目根―ジメントと契約していて、ここで勝てば6勝無敗になるのでゴリゴリに押してもらうしかないです。当然、コンテンダーシリーズに出るつもりでいます。その気は満々です。ミドル級だとRoad to UFCもないし、そこで引っ掛かるしかないと思っています。正規ルートなんてないし、何が正解とかもない。僕の階級だと、この島国からUFCに行くというのはそういうことで。日々、模索し続けないといけない。

とにかく明日の試合で勝つ。フィニッシュして勝つ。2年も試合をしていないので、勝たないと何も始まらない。ここで試合をするというのは、そういうことですし。これからのことは、また周囲と協力しあって……今年こそ、UFCに行かないといけないので──明日はしっかり勝ちますっ!!」

■Pancrase344&345視聴方法(予定)
6月30日(日)
午後12時00分~U-NEXT

■Pancrase345

<ミドル級/5分3R>
内藤由良(日本)
アリ・カラダギィ(UAE)

<フェザー級次期挑戦者決定戦/5分3R>
平田直樹(日本)
Ryo(日本)

<ライト級/5分3R>
西尾真輔(日本)
神谷大智(日本)

<フライ級/5分3R>
大塚智貴(日本)
山崎聖哉(日本)

<ウェルター級/5分3R>
渡邉ショーン(日本)
武者孝大郎(日本)

<バンタム級/5分3R>
友寄龍太(日本)
さぶろう(日本)

■Pancrase344

<フェザー級/5分3R>
キム・サンウォン(韓国)
中田大貴(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将年(日本)
眞藤源太(UAE)

<フェザー級/5分3R>
糸川義人(日本)
小森真誉(日本)

<フライ級/5分3R>
大野友哉(日本)
小林了平(日本)

<ネオブラットTフライ級準決勝/5分3R>
饒平名知靖(日本)
山崎蒼空(日本)

<バンタム級/5分3R>
渡邉泰斗(日本)
佐藤ゆうじ(日本)

<ストロー級/5分3R>
渋井宏行(日本)
日向優希(日本)

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