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【Pancrase353】メジャーリーグ10年、内藤由良と対戦ゴイチ・ヤマウチ「現実を見せつけるよ(笑)」

【写真】まるで驕るところがなく、自信だけが伝わってきたゴイチだった(C)MMAPLANET

明日27日(日)に東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE 353で、ゴイチ・ヤマウチが内藤由良と対戦する。
Text by Manabu Takashima

2019年の日本でのファイトはBellator Japanでの一戦だった。そのBellatorがPFL配下となり、昨年いっぱいで活動を停止した。サークルケージで10年に渡り活躍してきたゴイチが選択した次の一歩は、日本。そしてパンクラスだった。

日本のファンには嬉しい来日も、国際的な評価ではステップダウンと映るかもしれない。そんな声に対し、ゴイチは「ステップアップでもステップダウンでもない。ステップフォワードだ」と力強く話した。

と同時に伝わってくるメジャーリーガー10年の経験値と自信。ゴイチ・ヤマウチの想いに触れてほしい。


ベアナックルは引退をしたファイターの小遣い稼ぎの場所だよ

──公開練習を終えて残すところは計量とファイトだけですね。

「スケジュールも順調にこなし、あとはリラックスして……そして計量に集中するだけだね。神経も肉体も、減量に向かっているよ」

──2013年からBellatorで活躍し、PFLと10年以上メジャーリーグで戦ってきたゴイチが日本、そしてパンクラスをネクストステージに選んだ。まず、PFLから離れた理由を教えてもらえますか。

「Bellatorが活動を停止して、少なくない選手がPFLから離れている。Bellatorはもうない。Bellatorで長い間、戦うことができて本当にハッピーだった。Bellatorがないことは、人生でも大きな分岐点になる。でも前に進まないといけない。こうやって日本にきて、メディアからインタビューを受けている現状もハッピーだよ」

──次の章に向かう時に日本、そしてパンクラスを選んだのはなぜでしょうか。正直、RIZINという選択もあったかと思います。

「う~ん、とにかく人生の転機になったから、前を向いて歩こうと思った。パンクラスは長い歴史と伝統がある。試合の機会も増えると思っている。継続的に戦いたい。それがパンクラスをチョイスした理由だよ。パンクラスのサカモト(坂本靖氏)、マネージャーのフミヒコ・イシイに感謝している。パンクラスで戦う機会を与えてくれて」

──パンクラスの王者はステップアップを狙います。つまりはフィーダーショーです。メジャーリーガーからすると、ステップダウンという見方もされます。

「どういう風に思われても、構わないよ。さっきもいったけど、人生のニューチャプターを迎えた時に違う場所で、新しいファイターたちと戦う。僕も若い時に、トップファイターを食ってやろうと必死になっていた。今、長い間トップとしてやってきて、若い選手のターゲットになる時を迎えたんだ。オールドドッグが、ヤングドッグの挑戦を受ける。それが僕のMMAファイター人生になったということだよ。

正直、フリーになった時は中東や南米の大会やマネージャーからたくさん連絡があった。ベアナックルファイトからもコンタクトがあったよ(笑)。そこでパンクラスで戦うことを選んだんだ。ステップアップでも、ステップダウンでもなく、ステップフォワードだよ」

──おお、グッとくる言葉ですね。ただ条件的にはベアナックルファイトが一番だったかと想像がつくのですか。

「僕は前に進みたかったんだ。ベアナックルは引退をしたファイターの小遣い稼ぎの場所だよ。ファイターとしての夢は、そこにはない。もうチャンピオンを目指さないという選択。僕の求める場所は、そこじゃなかった」

──つまり、まだまだ強さを追求すると。

「そうだね。今はとにかく、パンクラスでのファイトに集中している」

ナイトウとのファイトは、ISAO戦の再現になる

──そのパンクラスの狙いは、内藤選手がゴイチに勝ってレガシーを引き継ぎ、その勲章を胸にUFCに向かうことです。

「最高だよ。そのつもりでユラ・ナイトウには戦ってほしい。でも、勝つのは僕だ。自分がこれまでMMAに賭けてやってきた日々を信じている。今も世界のベストファイターになることが、僕のゴールで。誰よりも勝利を欲している。そんな僕の姿を日曜日には見てほしい」

──内藤選手の打撃は我々にとっても未知数です。そしてテイクダウンは強い。MMAファイターとして、内藤選手の能力をどのように判断していますか。

「彼が僕をテイクダウンできるか。まずはそこだね。そうは簡単にいかないよ。それにテイクダウンされた後も、しっかりとやるべきことは分かっている。テイクダウンできたからといって、ナイトウの試合にはならない。

打撃に関しても、僕らの間には差があると思っている。僕がこれまで戦ってきた世界のトップファイターが、力をつけてくれた。打撃で勝てる。それが僕のプランだ」

──内藤選手はミドル級のパンクラス王者でした。体格差をどのように捉えていますか。

「そんなに体力差はないんじゃないかな。きっと力は僕の方がある。楽観視することは絶対にないよ。でも、レベルの差は明白だから。経験が違う。そうだね、BellatorでISAOと戦ったけど、彼はパンクラスのライト級チャンピオンだった。あの試合はフェザー級で、僕は1階級上のパンクラスのチャンピオンに勝った。計量さえクリアしてくれれば、条件は同じだ。ナイトウとのファイトは、ISAO戦の再現になる」

──軽視はしないと言われましたが、10年のメジャーリーガーがコンテンダーシリーズで負けた新鋭に遅れを取ってたまるかという意地はないですか。

「つまり、僕がそれだけアドバンテージを握っている試合だということ。同じ階級の相手と戦う限り、誰と戦っても油断はしない。ナイトウとの試合に向けて、本当にシリアスに向き合ってきた。これまでと同じだよ。最高の準備をして、ファイト当日を迎える。

自信はあるよ。10年のメジャーリーグでの日々は、僕に自信を与えてくれた。最高の試合を日曜日には、皆に見せたいと思っている。僕もこの間に肉体的な面を見直して、トレーニングをしてきた。最高のパフォーマンスを見せることができると思う。何より僕に勝って、ステップアップを目指したいと思っている若い選手に現実を見せつけるよ(笑)」

■視聴方法(予定)
4月27日(日)
午後1時00分~U-NEXT

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