【UFC300】超高度な技術戦~残り10秒で殴り合い。ラスト1秒でホロウェイがゲイジーをKO。BMF王者に
<BMF選手権試合ライト級/5分5R>
マックス・ホロウェイ(米国)
Def.5R4分59秒by KO
ジャスティン・ゲイジー(米国)
ジョー・ローガンが「バイオレンスなだけでなく、もっとも技がある」と評した王者ゲイジーが、開始直後からやや近い距離で圧を掛ける。ジャブから左ミドルのホロウェイが、ゲイジーの右をかわす。右カーフを蹴ったゲイジーに対し、ホロウェイが構えを変えてフェイクからジャブを伸ばし、右ローへ。ステップインから左を届かせたホロウェイだが、右カーフで体が流れる。左リードを当てたホロウェイに対し、じっくりと構えたゲイジーは右アッパーを被弾して、直後に右を当てるが左を打たれる。ゲイジーは右カーフを蹴り、やや粗いワンツーを振るう。
ホロウェイは左ボディストレートを当て、右アッパーに続ける。しっかりとゲイジーの動きを見るホロウェイが、カーフをチェックする。それでも痛そうなホロウェイは、左ハイをガードすると右アッパーを放つ。そしてカーフをチェックしてワンツー、ゲイジーが右を思い切り振るう。飛び込みざまにスリップしたゲイジー、足下は滑りやすいか。と前蹴りを入れたホロウェイは、最後に思い切り前にでてきたゲイジーの腹にスピニングバックキック、頭を下げていためヒザが鼻に当たりカットを誘った。
2R、ホロウェイが左三角蹴り、ゲイジーが左ローを蹴る。右から左を振るったゲイジーだが、右ミドルを蹴られる。ガードの隙を見つけて、射抜くような攻撃を見せるホロウェイはカーフもしっかりとチェックしている。ゲイジーの右にエルボーを打とうとしたホロウェイだが、その前にアイポークがあり試合が中断する。1分ほどのインターバルで試合は再開、ここからも慎重な戦いが続く。ホロウェイが右ボディ、右ミドル蹴り、ワンツー。ゲイジーが右からの右カーフが決まった。と続くパンチの応酬で、再びアイポークがあり試合は2度目の中断に。
ここもすぐにリスタートとなり、両者の動きのギアが一段上がったか。ゲイジーが左リードフックから右を振るう。カーフで姿勢が乱れたホロウェイはオーソのまま左足を蹴られる。残り5秒、蹴りからワンツーをホロウェイが入れた。
3R、右ボディを殴ったホロウェイだが、右カーフを蹴られる。ゲイジーは前蹴り、ホロウェイが右ミドルハイを返す。さらにホロウェイが左ミドルを入れ、ゲイジーは右カーフを蹴っていく。前に出てくるゲイジーに左フックを被せるホロウェイの左足はいつまで持つのか。ゲイジーが左フックを当てるも、ホロウェイはワンツーからスピニングバックキック、さらに左ジャブでゲイジーが動きを止める。それでも右カーフを返したゲイジーだが、スピニングバックキックでまたも腹を蹴られる。
残り80秒、ゲイジー・チャントのベガスのファンだが、右を受けたゲイジーが顔をガードで覆う。そこからボディを放ったゲイジー。ホロウェイはゲイジーのステップバックのタイミングで踏み込んで、右を伸ばす。ホロウェイの距離で3Rが終わった。
チャンピオンシップラウンドの4R、ゲイジーがまず右前蹴りを蹴る。ホロウェイも右前蹴りを駆使し、右ボディへ。さらに左ハイを狙ったホロウェイだがワンツーを打たれる。テイクダウン狙いのフェイクを見せたゲイジーが、左を当てる。直後に右を打ち返したホロウェイ、ゲイジーが動きを止め左ジャブでも足が止まる。すぐに前に出てきたゲイジーが右カーフ、ワンツーをかわしたが自らも左を空振りする。
ゲイジーの空振りの後に右をヒットさせたホロウェイが、右ヒザをボディに突き刺す。カーフに左フックを合わせたホロウェイだが、右一発でダウンを喫する。立ち上がったホロウェイにラッシュをかけると思いきや、ここでも間合いを測ったゲイジーがジャブ。ボディを打ったホロウェイは、右をテンプル付近に被弾したが、ダメージはなかった。
最終回、ゲイジーがジャブを当てる。ボディから右も、ホロウェイがまたもスピニングバックキックを放つ。前に出るゲイジーに対し、回るホロウェイが右をヒット。さらにワンツーから右を当てると足がふらついたゲイジーがケージまで下がる。パンチのラッシュ、ヒザを入れたホロウェイは間合いを取り直して、スピニングバックキック。
ラフな打ち合いに持ち込ませないホロウェイが、またも右を当てる。ゲイジーが左を返すが、すぐにワンツーをホロウェイが放つ。残り90秒、左ボディを入れたホロウェイが関節蹴り、前に出てくるゲイジーにスピニングバックキクを放つ。ゲイジーは前に出て右オーバーハンドも腹を殴られる。距離、タイミングを考え、高度な打撃戦を繰り広げた両者。最後の10秒で足を止めての打ち合いになると、軸が乱れパンチが空を切るゲイジーに対し、ホロウェイがボディから右で顔面に打ち抜く。ゲイジーが頭から崩れ、タイムアップ1秒前のKO決着となった。
このまま判定でも勝利を手にしていたであろうホロウェイは、最後に打ち合いに応じKO勝ち。まさにBaddest Motherfucker、最高にヤバいヤツが、最高にイカした勝利を手にした。
「ゲイジーは本当のBMFだ。彼はこの試合で何も失っていない。エルマタドール(イリャ・トプリア)は逃げた。イスラムでも構わない。145ポンドでも155ポンドでもタイトルを賭けて戦う。俺はここにいるぞ。これが本当のBMFだ。この機会を与えてくれた皆、ダナに感謝している。俺は誰とでも戦う」とBMF王者が咆哮が館内に響き渡った。