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【PFL2024#02】永遠のBellator戦士ジェイジェイ・ウィルソン「ポイント獲得? 終わらせるのが僕の戦い」

【写真】試合になると、かなり形相が変わってZONEに入るジェイジェイもインタビュー時は凄くににこやかだ (C)MMAPLANET

12日(金・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター@ヴァージンホテルでPFL2024#02が開催され、ライト級でジェイジェイ・ウィルソンがアダム・ピコロッティと対戦する。
Text by Manabu Takashima

ニュージーランド出身、マオリ・キッドの異名を取るウィルソンは柔術で世界王者になるためにサンディエゴに移り住んだ。その地でフラヴィオ・ベーリンギの黒帯ジョアォ・ファイアに出会い、バーリトゥードに対応したファンダメタル柔術の指導を受けるようになる。さらにジャスティン・フローレスの下でフリー&フォークスタイルレスリング、ノーギ柔道を身に着けMMA戦績は10勝1敗、フィニッシュ率7割を誇るファイターに。

プロMMAデビュー戦がBellatorで、サークルケージ以外で戦うのは今回で2度目のマオリ・キッドは「今も僕はBellatorのファイターだ」と言い切った。


――金曜日、PFL初戦を戦います。今の気持ちを教えてください。

「良い相手だし、僕にとって良いマッチアップだ。少しでも速く倒して、6Pを獲ってプレーオフ進出に近づけるという意味でもね」

──BellatorがPFLに買収されるという話が広まった昨夏、ジェイジェイはどのような気持ちでこの話を聞いていましたか。

「どうだったのかなぁ。とにかく噂の段階では色々なことが耳に入って来て、その時にどう思っていたのかは覚えていない。ただ、PFLに買収された時に自分の契約はどうなるのか。このまま戦い続けることはできるのかと不安になったのは事実だよ。しかも、9月にBellatorで最後の試合を戦ってから、今後に関して正式発表がなかった。幸運にもPFLシーズンで戦うことができるようになり、心の底から嬉しかったよ」

──あの時期、契約が履行されるのか自身の将来に不安を感じるファイターも少なくなかったと思います。ところで1月にBellatorがBellator Champion Seriesとして活動が続くというアナウンスがあった時、ジェイジェイはBellator CSかPFL、どちらで戦いたいと思っていましたか。

「正直をいえばBellator CSで戦っていきたいと思っていた。エルボーの有無は大きかったからね。エルボーは僕のグラップリングで大きな役割を果たしていて、つまりは僕のゲームで重要な要素になっている。エルボーがないと、僕のグラップリングゲームは色々なモノを失う。でも、もう決まったことだ。そのなかで最大の力を発揮するのが、ファイターの仕事で。今でもBellatorでエルボーを使って戦っていたい。でも、100万ドルを獲得できる機会をみすみす逃すことはない。この機会を生かすよ」

──BellatorとPFLでは年間を通して、戦うテンポが違ってきます。その辺りはどのように捉えていますか。

「個人的にはアクティブに活動できるシーズン・フォーマットは大歓迎だ。ファイターにとって一番の敵は試合が決まらず、集中力が欠けてしまうこと。選手全員がそう思っているなんてことはないだろうけど、僕自身は8、9週間ごとに戦っていたい。その方が精神的にも、肉体的にも試合に向けて良い状態を保っていられる。

試合が決まっていなくても練習はするよ。でもコークを飲んで、ハンバーガーを食べる。そしてパーティーに出かけてしまうんだ(笑)。でもPFLのシーズン・フォーマットなら、試合後1週間だけジャンクフードを食べて、また試合に集中できる。ファイトが決まっていると、より規律正しい生活を送ることができるようになるからね」

──どうしてもジャンクフードは欠かせないのですね(笑)。

「ハハハハハ。できれば毎日のように食べていたいよ。でも1週間、我慢する。それを4度繰り返せば、100万ドルを獲得して腹いっぱいになるまでジャンクフードを食べまくるよ(笑)」

──そうやって考えると、フェザー級からライト級への階級アップは自然のことだったのかと。フェザー級で戦い続けていれば、5週間ごとに試合をするのは難しかったかもしれないですね。

「金曜日に試合があって、今は168ポンドだ(※取材は8日に行われた)。これから12ポンド(約5.44)を落とすのは、全くもってイージー。完全に管理できている。フェザー級時代よりも大きくなっているし、145ポンドに落とすのはもう無理だ。適正なクラスで戦えば、より良い試合を見てもらえる。そして、30ポンドや40ポンドも落とファイターは、このフォーマットで戦えないのも事実だろう。そういう選手は年に1度か2度しか、試合ができない。僕からすると、過度な減量はボディに与える心境は深刻だというしかないよ」

──今回の対戦相手であるピコロッティもBellatorからPFLで転じる選手です。MMAは個人競技ですが、PFLファイターと戦いたかったという気持ちはありますか。

「僕の前に立ち塞がる相手を倒す。それが誰かは気にしない。今年のシーズンにはBellatorで戦っていた選手も多く出場している。そのなかで名前を挙げて戦いたい相手は、ガジ・ラバダノフだけだよ。彼へのリベンジは果たしたい。スコアをイーブンに戻したいんだ。彼以外だと、当てられた相手と戦って勝つだけさ。

僕的には今でもBellatorファイターだと思っている。プロデビュー戦自体、Bellatorだった。5、6年も在籍していたんだ。今も僕の心はBellatorにある。戦うプロモーションはPFLになったけど、今もBellatorの選手だ。今年、PFLライト級を制したらBellatorの世界王座を獲りに行く。2024年PFLライト級ウィナーとして、Bellator世界ライト級チャンピオンになるんだ」

──プレーオフ進出にはQuick6の獲得が一番。そしてファンもフィニッシュを望んでいる。そのなかで金曜日の夜にはどのようなファイトを見せたいと思っていますか。

「もちろん初回フィニッシュだ。KOだろうが一本だろうが、1Rで終わらせる。相手の良さを消して、少しでも早く勝負を決める。それが僕の戦い方だ。何もポイント・システムを考慮してのことじゃない。ポイント獲得? 終わらせるのが僕の戦い。常にフィニッシュを目指して戦ってきた。ポイントはその結果、得られるモノ。ポイント獲得ではなく、終わらせること。それが僕のスタイルだから。

これまで削って判定で勝って来た選手は、ポイントを意識することになるだろう。そういう退屈な試合をやってきた者が、慌てて戦略を練るようになっている。でも僕にとっては、フィニッシュすることが戦う目的で。実際に最初の7試合は全て1Rで勝って来た。だからPFLで戦うことで、自分の戦い方を変える必要は一切ない。押忍!!」

■視聴方法(予定)
4月5日(金・日本時間)
午前7時15分~U-NEXT

■ PFL2024#02対戦カード

<ライトヘビー級/5分3R>
インパ・カサンガネイ(米国)
アレックス・ポリッジ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィルキンソン(豪州)
トム・ブリーズ(英国)

<ライト級/5分3R>
クレイ・コラード(米国)
パトリッキー・フレイレ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マス・ブーネル(デンマーク)
ミカエル・デュフォー(カナダ)

<ライトヘビー級/5分3R>
サディボウ・シ(スウェーデン)
ジョシュ・シルヴェイラ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ(トルクメニスタン)
ヤコブ・ネドー(スロヴェニア)

<ライトヘビー級/5分3R>
アントニオ・カルロス・ジュニオール(ブラジル)
シモン・ビヨン(カメルーン)

<ライト級/5分3R>
ブルーノ・ミランダ(ブラジル)
ブレント・プリマス(米国)

<ライト級/5分3R>
ガジ・ラバダノフ(ロシア)
ソロモン・レンフロ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイジェイ・ウィルソン(ニュージーランド)
アダム・ピコロッティ(米国)

<ライト級シーズン補欠戦/5分3R>
エルヴィン・エスピノーザ(ニカラグア)
アンソニー・ロメロ(カナダ)

<ヘビー級/5分3R>
マルセロ・ヌネス(ブラジル)
ジョーダン・ヘイダーマン(米国)

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