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【ONE166】2度目のタン・タン決戦=統一戦へ。フェザー級正規王者タン・カイ「自信しかない」

【写真】セレモニアル計量でのタン・カイ(C)ONE

いよいよ2時間後に迫ってきたONE166「Qatar」。同大会のコメチンでONEフェザー級世界王者タン・カイが、暫定王者タン・リーと戦う。
Text by Manabu Takashima

一昨年8月の対戦で3-0の判定勝ちを収め、世界のベルトを巻いたタン・カイ。ダイレクトリマッチが決まったものの昨年7月の一戦はヒザの負傷でキャンセルした。今、ジムごとタイに移り万全の準備ができたというタン・カイに試合前の心境を尋ねた。


──タン・リーとの再戦が迫ってきました(※取材は2月26日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「この試合をずっと待っていた。それだけ準備期間も長かったし、これ以上ないほど気合いが入っている。最高の試合をするつもりだ」

──昨年の7月にこの再戦は予定されていましたが、ヒザの負傷でキャンセルとなりました。

「僕のヒザはもう大丈夫だ。問題ないよ(※本人が通訳を通さず、英語で返答した)」

──ところで所属するシンジャン・ファイトジムが中国のチンタオからチームごとタイのパタヤに移ったと知った時には、本当に驚かされました。ちょっと普通の出来事ではないですよね。

「マイ・ボス・ハズ・ビッグマネー。ノープロブレム(笑)」

──ハハハハハ。

「それは冗談としても、ジムがパタヤに移ったことは僕のキャリアを考えるとポジティブでしかない。今、タイはMMAのトレーニングをしていくうえで凄く良い環境が揃っている。そしてチームは、ダゲスタンから3人のフルタイムコーチを招待した。ダゲスタン人コーチのお陰で、僕のMMAはもの凄く進化している。だから今回のタン・リーとの再戦も、自信しかない」

──タイのジムは国際色が豊かですが、どのような国の選手がシンジャン・ファイトジムに集まっているのでしょうか。

「シンジャン・ファイトジムは中国人選手が中心で、何人か違う国の選手が合流している。そして、僕はチーム全体のサポートを受けている。と同時にプーケットに行ってタイガームエタイでキャンプのいくつかのパートを行って来た。タイガームエタイは多国籍軍だから色々なスタイルの選手と練習できる利点があるんだ。

圧倒的にロシア人ファイターが多くて、そこにブラジル、キルギスやウズベキスタンなど中央アジアの選手がいる。凄く良い練習ができるよ」

──タイガームエタイでは、日本人選手とも合流がありましたか。

「ホンダ! ホンダ!! 彼だけでなくタイガームエタイで練習をした日本人選手は、みな礼儀正しくて尊敬できる選手ばかりだったよ」

──ところで前回のタン・リーと試合は、ある意味一方的ともいえました。そのなかでダイレクトリマッチとなりましたが、その点はどのように捉えていますか。

「何も問題ないよ。タン・リーが再戦を望み、ONEが再戦を望んだ。なら僕は戦うだけだからね。そして前回以上に一方的な試合をして、もう2度とタン・リーが僕と戦いたいと思わないように叩きのめす」

──タン・リーが暫定王座決定戦で、イリャ・フレイマノフを内ヒールで破った試合はどのように分析していますか。

「タン・リーは良い試合をしたよ。ただ、あの足関節は驚くべきモノじゃない。彼はブラジリアン柔術の黒帯だからね。イリャの寝技は、そうでもない。だからこそ、イリャのゲームプランは間違っていた。彼は素晴らしいストライカーなのだから、なぜ寝技の展開に自ら持ち込んだのか。完全なミスだったよ。そんなことをしなければ、彼が暫定王者になっていたはずだ。あの展開になったのだから、タン・リーのフィニッシュや勝利は十分に予想できた。でも僕にあの攻撃は通じない。

僕自身、特に何かが大きく変わったとかそういうことではないけど、100パーセントの準備ができた。全力でフィニッシュする。そして世界王座を統一する。ベルトは僕のところに戻ってくるよ」

──今大会は初のカタール大会で、秋には米国大会が2度予定されています。ONEの拡大をどのように思っていますか。

「試合に集中しているから、そういうことは頭になかった。これから僕がどこで戦うのか、何も考えていない。とにかくタン・リー戦のことしか考えていないんだ。今回の試合は、日本のファンも僕の拳に注目してほしい」

■放送予定
3月1日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT

■ONE166対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] アナトリー・マリキン(ロシア)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)王座統一戦/5分5R>
[正規王者] タン・カイ(中国)
[暫定王者] タン・リー(米国)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ジャレッド・ブルックス(米国)
[挑戦者] ジョシュア・パシオ(フィリピン)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アージャン・ブラー(カナダ)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ボクシング147ポンド契約/3分3R>
ズハイール・カハタニ(サウジアラビア)
メディ・ザトゥー(アルジェリア)

<サブミッショングラップリング・フライ級(※61.2キロ)/12分1R>
オサマ・アルマルワイ(イエメン)
クレベル・ソウザ(ブラジル)

<ムエタイ147.75ポンド契約/3分3R>
ザファー・シャイック(トルコ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ザカリア・ジャマリ(モロッコ)
アリ・サルドエフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
鈴木真治(日本)
ハン・ズーハオ(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

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