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【Gladiator023&024】チハヤフル・ズッキーニョス、ハンセン怜雄戦から河名マスト戦へ「もう幻想はない」

【写真】グラジ・フェザー級の中心に(C)SHOJIRO KAMEIKE

9月30日(日)に大阪府豊中市の176boxで開催されたGLADIATOR023にて、ハンセン玲雄にTKO勝ちしたチハヤフル・ズッキーニョスのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ダギースレン戦に続く激闘となったハンセン戦を振り返ってもらった20日後、12月9日(土)に行われるGLADIATOR024で河名マストと対戦することが決まった。2023年、最もグラジエイターで成長したファイターの一人であるチハヤフルにとって、今年を締めくくるにふさわしい一戦についても訊く。

<チハヤフル・ズッキーニョスによるハンセン玲雄戦振り返りインタビューPart.01はコチラから>


――ハンセン選手をKOした2Rについて、まずテイクダウンを奪いました。

「気持ちとしては打撃で行きたかったですが、遠い距離だとハンセン選手の蹴りとか巧い部分が際立っていましたよね。僕も狙っていたわけじゃないですけど、反射的というか『取れる!』と思ったので、テイクダウンに行きました」

――しかしスクランブルの中でハンセン選手にトップを奪われ、さらに投げられてしまう場面もありました。

「ハンセン選手も柔道出身なので、投げ技があることは知っていました。でもまさか投げに来るとは思わなかったです。僕はちょうど殴り合いに行こうと思っていて、ここで離れると思っていたんです。するとハンセン選手は離れずに組んできて、こんなに綺麗に投げられてしまいました(苦笑)」

――ここでは、しっかりと背中を着かされています。

「2Rも終盤だったので、ここで立ち上がってから打ちに行こうという気持ちでした。離れた時に右が一発入って、僕もスイッチが入りましたね。相手も効いているという感覚があったので、とにかく相手のパンチを見ながら自分のパンチを当てることに集中していました。相手が倒れた時も、いつもなら抑え込みに行っていたと思います。でもこの時はラッシュしていたし、左ハイも自然に出ていて」

――あの左ハイはハンセン選手も見えていなかったような感じですね。

「はい。あの左ハイで試合も決まったかなと思います。しっかりと打ち勝てたし、このKO勝ちによって――MMAファイターとしてまた一歩先に進むことができました」

――結果、ハンセン戦はダギースレン戦と同様に大激闘となりました。ただ、ハンセン戦は勝つことができましたが、ダギースレンには敗れている。今、あのダギースレン戦の敗北をどのように受け止めていますか。

「あの時は『自分はまだまだ』と思いました。フェザー級トーナメントに抜擢してもらい、ダギースレンもまだキャリアは浅い選手で、僕が勝たなければいけない試合で負けてしまった。まだまだトップには遠いと感じて。でも『自分には失うものはない。守りに入るよりも、できないことにチャレンジしかなければいけない』と考えた先にあったのが、この試合の『殴り勝つ』というテーマだったんです」

――なるほど。同日に行われたフェザー級王座決定戦、パン・ジェヒョク×ダギースレンの試合はどのように見ましたか。

「最初から思っていたことですが、実際に試合をしてみると二人に技術差がありましたね。ダギースレンの計量失敗は残念です。でも、あれだけ落とせなかったということは、練習中に何かあったのかもしれません。とはいえ、『僕と対戦した時のダギースレンなら、もっと何かを見せてくれたんじゃないか』とは思っています」

――では新王者となったパン・ジェヒョクについては、いかがですか。

「強い選手ですし、彼がチャンピオンであることには異論はないです。結構危なげない試合をするタイプですよね。ただ……、自分が選手であることに誇りを持っているようですけど、それならもっとフィニッシュを狙いに行ってほしかった(苦笑)」

――ご自身としては、すぐにでも新王者に挑みたいですか。それとも、もっとキャリアを重ねてから挑戦したいでしょうか。

「僕の中ではもう1試合か2試合してから挑戦したいです。今すぐ、ということではないと思います。パン・ジェヒョクは打撃が強いと言われていますが、試合を見ても驚くようなことはなかったです。今の自分と彼との差は、それほど大きくはないと思っています」

――2023年は大きく成長し、2024年も楽しみなチハヤフル選手です。グラジエイターの次大会は12月9日ですが、2023年から2024年にかけての意気込みをお願いします。

「2023年はマッチメイクに恵まれていたと思いますし、すごく感謝しています。ここまで来たらベルトに辿り着きたいですね。まずフェザー級では河名マスト選手をブッ倒して、『京都にチハヤフル・ズッキーニョスあり』というところを見せたいです」

ここまでのハンセン玲雄戦の振り返りインタビューは、10月17日に行われたものだ。この時点では次の相手は決まっていなかったものの、河名マスト戦を意識していたことが分かる。11月4日に正式に河名戦が発表されたことを受け、後日改めて河名戦について訊いた。

――インタビュー時点では決まっていませんでしたが、遂に河名戦が発表されました。

「よし来たな、という感じです。河名選手とは対戦したかったので、オファーが来た時は嬉しかったですね。高い確率で次は河名選手と対戦すると思っていました。それとフェザー級では中川皓貴選手が復帰して、モンゴル人選手(バットオチル・バットサイハン)と対戦するというのも楽しみです」

――河名選手の印象を教えてください。

「まずグラジエーターのトーナメントに出ると聞いた時は、彼について詳しくは知らなかったんです。でもその前にプログレスの森戸新士戦を視ていて、これは対戦してみたいと思っていました。

もともとレスリング世界王者ということもあって、幻想を抱いていていました。正直、怪物なんじゃないかって。でもトーナメントでパン・ジェヒョクに負けて、前回の試合(ユン・ダウォンに判定勝ち)も接戦でしたよね。MMAPLANETのインタビューで『成長したところを見せることができた』と言っていましたが、前回の試合で成長や変化があったとは思わないです。僕の中には、もう彼に対する幻想はありません」

――チハヤフル選手もダギースレン戦とハンセン戦で、大きな自信を得ているようですね。

「彼と比べたら、僕のほうが成長している部分を見せられていると思いますよ」

――河名選手のグレコをベースとした組みについては、いかがですか。

「僕もレスリング経験はないけど、グレコ的な組みは大好きです。ここで河名選手の組みの強さを体験してみたいですね。相手の組みから逃げて僕は打撃で――という展開は、河名選手の思うツボだと思うし、それでは面白い試合にならない。全局面で勝負して勝ちます!」

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