この星の格闘技を追いかける

【FORCE18】メイン=加マーク納戦へ、高岡宏気―02―「自分らしさを最後まで貫くべき」

【写真】試合機会を断らない──階級が違う試合も受けてきた高岡。黒星が倍先行した時、NEXUSで2試合を経験。このようなフレキシブルな判断を所属ジムがしたことは非常に良いことだったように思う(C)MMAPLANET

17日(日)に香川県高松市の高松シンボルタワー展示場で開催されるプロフェッショナル修斗公式戦FORCE 18のメインイベントで、加マーク納と対戦する高岡宏気のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

香川の修斗を代表する選手として戦ってきた高岡だが、決して明るいキャリアを過ごしてきたわけではない。さらに上に行くためには自分に何が必要なのか――高岡が貫こうとしている「自分らしさ」と、練習仲間でもある安芸柊斗について語った。

<高岡宏気インタビューPart.01はコチラから>


――中学生の頃に極真空手を習っていたとのことですが、現在のファイトスタイルからは想像できませんでした。

「アハハハ、空手らしさはないですよね(笑)。MMAを始めて、全く別モノだと思いました。アマ修斗で勝つためにはどうすれば良いかを考えた時に、やっぱりテイクダウンとトップキープを鍛えることが基本になってきます。だからアマ修斗をやっていくうちに、しっかりボクシングとレスリングをやって、テイクダウンして――というスタイルになりました」

――なるほど。そんななか、2017年4月のプロデビュー戦は敗れ、その後もレコード的には苦しいキャリアを過ごしていました。

「正直なところ、アマチュアの頃は『プロになれたらいいなぁ』とMMAをやっているだけでした。それでプロになったら早々に、自分でも『技術不足やな』って感じましたし、何よりプロになったことで満足してしまったんだと思います。プロ昇格した時点で燃え尽きかけて……。最初の頃は『どうすればいいんだ。自分はどうするんだ』と迷っていました」

――その迷いは解消できたのでしょうか。高岡選手の場合、現在も黒星が先行しています。ただ、2019年~2022年ごろまでは格上の選手と対戦し、手が届きそうで届かないという状態のまま3年間も白星から遠ざかっていました。

「そうですね。『どうすればいいんだ』と思っても、どうすれば良いのかが分からない状態で。でも僕は良い相手と試合させてもらってきたと思っていますし、基本的に誰が相手でも――よほど動けない状態でなければ、試合を断ることはないんです」

――その高岡選手の動きなり意識なりが、2022年ごろに大きく変わったように感じます。

「そう言われたら確かに……。最初はトイカツ道場高松支部として運営されていたジムが、2022年に入って現在のフォースジムになりました。その頃からジムに選手志望の子たちが増えてきたんです。だから練習内容もそうですし、自分自身も一つギアが上がったように感じます」

――一方で、高岡選手はフォースジムや高松の修斗を背負おうという気持ちが強くなかったですか。

「そういうプレッシャーがあったわけではないです。でも、地元の高松で開催される大会だから自分が大きく扱われる――その期待に応えないといけないという気持ちは強かったです。もちろん今もその気持ちはあります。地元の人たちが、たくさん見に来てくれますから。良い結果はもちろん、良い内容を見せたいです。その想いは試合を重ねるごとに強くなっています」

――そして今年4月に蒔田信吾選手を下し、修斗フライ級ランキングに入ることができました。

「ランキング入りは一つの目標でもありましたし、そういう目に見える結果が出たのは嬉しいです。近くにいる人はもちろん、高松以外の場所にいる人たちにもランキングを通して自分の名前を見てもらうことができるので。ランキングに入ったことで、もっと上を目指したいという気持ちが強くなりました」

――その気持ちが強すぎたのかどうかは分かりませんが、今年6月の和田教良選手は序盤から良い形で攻めることができていたもののドローになっています。あそこで勝ち切るためには何が必要だと思いますか。

「これまでの試合も同じなのですが、僕は試合で『いろんなことをやろう』としすぎる傾向があります。和田選手との試合も1Rはトップからコントロールしていながら、2Rは下になった時『下からコントロールして極めるか、削っていけば良いかな』と考えてしまいました。その選択が間違っていました。下から攻めることが間違いというより、僕はファイトスタイルが一貫していないんです」

――……。

「本当に『下から攻めれば良い』と思っているのであれば、これまでも一貫してそのスタイルで戦ってきたはずです。でも試合によっては自分からテイクダウンに行ったり、展開によっては下から――と考えたりしていて。MMAだから、全部できるようになるのは当然です。でも、その中で自分が『絶対にこうする』と、何かを一つ貫く気持ちがあれば……」

――確かに、和田戦の1Rこそが本来の高岡選手だったと思います。

「ありがとうございます。1Rはテイクダウン・ディフェンス、スクランブル、テイクダウンして削るという自分らしさを出すことができていました。今は自分らしさを最後まで貫くべきだと思っています」

――次の対戦相手、加マーク納選手は同じ日に井口翔太選手に敗れています。しかし微妙な判定でしたし、何より加マーク納選手はグラウンドコントロールとサブミッションという自分らしさを貫いていました。

「すごいテクニシャンですよね。試合では本当にやりづらい相手なんだろうな、と思います。僕がガムシャラに攻めていくだけなら、うまくコントロールされてしまいますよね。そこはしっかりと対策をしつつ、自分らしい戦いをしないといけないです。地元でこの相手に勝って、さらに上へ行きたいです」

――今年7月には徳島県から安芸柊斗選手が修斗王座に挑戦しました。安芸選手が敗れたものの、同じ四国勢として何か力をもらったのではないですか。

「めちゃくちゃカッコ良いと思いました。柊斗君がいるZジムさんには月1回、出稽古に行かせていただいています。しかも柊斗君と僕はプロデビューした年が同じで。同じ四国から同じ2017年にプロデビューしているのに、安芸選手はタイトル挑戦まで辿り着いている。そう考えると悔しくもあります。今は『柊斗君に追いつけ、追い越せ』という気持ちが強いですね。次も加マーク納戦も苦しい試合になると思いますが、その強い気持ちを出して、しっかり倒す姿を皆さんに見せたいです」

■視聴方法(予定)
9月17日(日)
午後3時~ Twit Casting LIVE
             
■ FORCE18対戦カード

<フライ級/5分2R>
高岡宏気(日本)
加マーク納(日本)

<フライ級/5分2R>
堀川“55”滉介(日本)
亮我(日本)

<バンタム級/5分2R>
波平ゴング(日本)
ダイキライトイヤー(日本)

<新人王決定Tフェザー級準決勝/5分2R>
松浦真実也(日本)
宇藤彰貴(日本)

<ストロー級/5分2R>
石原愼之介(日本)
若山達也(日本)

<バンタム級/5分2R>
矢野武蔵(日本)
JAM(日本)

<ライト級/5分2R>
おえゆうた(日本)
轟轟(日本)

<ストロー級/5分2R>
里見拓磨(日本)
木村旬志(日本)

PR
PR

関連記事

Movie