【FORCE21】メインで高岡宏気と対戦、亮我「未来を掴むためにも今回は必ずフィニッシュする」
【写真】昨年11月の初黒星をきっかけに練習量を増やし、基礎から自分を見つめ直したという亮我。今回の試合をクリアして修斗でのタイトル挑戦、来年のRoad to UFC出場を目指す (C)TAKUMI NAKAMURA
明日22日(日)香川県の高松シンボルタワーで開催されるFORECE21のメインイベントで亮我が高岡宏気と対戦する。
text by Takumi Nakamura
昨年のインフィニティリーグでは須藤晃大にプロ初黒星を喫して優勝を逃した亮我。今年は1月に大竹陽を1RKOし、4月に黒石大資に判定勝利して、2連勝で今回の高岡戦を迎えた。修斗でのタイトル奪取、来年のRoad to UFC出場を目標に掲げる亮我は、今回の高岡戦のテーマをフィニッシュして勝つことと語った。
――試合まで一週間を切りましたが(取材日は6月19日)、今の体調とかコンディションの方はいかがですか。
「コンディションはめちゃくちゃいい感じです。前までは長い期間、2週間ぐらいかけて体重を落としていたんですけど、最近は1週間ぐらいで落とすようにしていて、それが自分に合ってるんかなって感じですね」
――もちろん節制はしておいて、集中して減量する期間を短くしたわけですよね。
「そうです。1カ月前から節制をスタートして、最後の一週間で集中的に落としています」
――前回の試合映像を見ると肩周りなど、以前よりも体つきがよくなっている印象でした。そのあたりも調整方法を変えた影響があるのでしょうか。
「そうかもしれないですね。あと最近は筋トレもちょこちょこ増やして、フィジカルも頑張って強くしようと思っているので、その影響もあると思います」
――そういった練習内容の変化に関しては、昨年11月に須藤晃大選手にプロ初黒星を喫したことがきっかけになっているのでしょうか。
「須藤戦の前はスパーリングが練習のメインやったんですけど、須藤戦後は基礎練習をめっちゃ大事にして、基礎練習を長めにやるようにしました。僕たちのジムは21時から23時過ぎぐらいまでスパーリング中心の練習をやっていて、いつも21時から練習に参加していたんですよ。でも須藤戦の後は19時半からやっている一般クラスにも参加して、そこで基礎練習からやっている感じです。だからシンプルに練習量が増えました。やっぱり技術練習や基礎練習をやっていないと必要な時に出ないというのもあるし、スパーリングだけではいけないと感じました」
――基礎練習に立ち返ったことで分かったこと、逆にスパーリングで活きてきたこともありますか。
「結構ありますね。基礎を見直すと、ここを忘れていたなとか、ここを一つ飛ばしてしまっていたなというのが分かって、そういうところを一つ一つ詰めていったら、テイクダウンもしやすくなりましたね」
――何か一部分ではなく全体的に戦いやすくなった面もありますか。
「戦いやすくなった感じはあります。もちろん打撃にも倒すための基礎はありますが、やっぱり僕は組みたい選手だし、打撃から組みにつなげるまでの部分が(変わったことが)デカいですね。また最近で言ったら投げもちょいちょいできるようになってきて、使える技も増えている感じです」
――基礎練習から見直した方がいいというのは周りからのアドバイスだったのですか。
「結構前から先生には『もっと基礎練習をやった方がいい』と言われていたんですけど、どうしても仕事の都合で、スパーリングの時間からしか練習に参加できなかったんです。でも須藤戦の後からは仕事も減らして、もっと格闘技に打ち込もうと思いました」
――亮我選手はもともと組み技よりも打撃の方が好きだったんですよね。
「はい。最初は組みが全然できなかったのですが、やってるうちに組みが好きになってきました。UFCとかを見ていても組みの選手の方が好きになったし、MMAをやるなら組みをやる方がいいなと思い、プロになってから組むようになりましたね」
――MMAにおいて組みの強さが軸にあることでスタンド・グラウンド、どちらで戦うかを自分で選択できる部分があると思います。
「そうですね。組みがあることによって打撃も当たるし」
――まさに今年1月の大竹陽戦は組み際のパンチを効かせてからのKO勝ちでした。組みの中での打撃や削ることは意識している部分ですか。
「はい。組みが主体ですが、常にどこを殴れるかなというのは考えていて、隙があったら殴るというのはずっと練習していました。あの試合はパンチでしたけど、組んでからの肘とか、組みからの打撃は結構練習してています。だからグラウンドで上になったら、どの状態からでも殴れるように意識して戦ってます」
――その意識があるだけでMMAにおける試合運びは変わりますよね。
「結構変わってきますね。組みの打撃の当て方・効かせ方も、ちょっとずつ分かってきた感じがあります」
――先ほどは仕事を減らして練習量を増やしたということでしたが、それだけ格闘技にかけたいと思ったのですか。
「はい。普段は現場仕事をしているんですけど、今はかなり仕事量も減らしました。やっぱり自分は戦うことが好きだし、どうせやるんだったら行けるところまで行きたい。やるんやったらとことんやりたいと思いました」
――今大会では高岡宏気選手と対戦します。対戦相手の印象を聞かせてもらえますか。
「ベテラン選手で素晴らしい選手やと思うんですけど、映像を見ても僕の方が強いなというのは感じます。常にフィニッシュすることを意識して戦おうと思います」
――高岡選手は4連勝中ですが、自分の実力を出せば勝てるという手応えはありますか。
「手応えも自信もめっちゃあるんで、ほんまに今回はしっかりフィニッシュする。前回ちょっとフィニッシュできなかったので、今回はフィニッシュすることがテーマです」
――前回4月の黒石大資戦が5分3Rドミネイトしていたにも関わらず、フィニッシュできなかったことは課題ですか。
「めちゃくちゃ課題ですね(苦笑)。勝ちは勝ちなんですけど『ここがあかんかった』とか『ここはもっとこうした方がよかったな』というのが結構あったんで、反省というか色々考えることが多い試合でした」
――ここからの目標を聞かせてもらえますか。
「僕は最終的にUFCに行きたいので、次の試合に勝ったら、国内・修斗でチャンピオンになる。そして来年のRoad to UFC(RTU)を狙って、そこからUFCを目指したいと思っています」
――修斗フライ級の動向でいくと新井丈選手が正規王者、関口祐冬選手が暫定王者で、5月に予定されていた統一戦が新井選手の怪我で流れています。ベルトを目指すものとして複雑な心境はありますか。
「僕が戦うことになるなら関口選手になるのかなと思うんですけど、自分は誰が相手でもやるだけやなって感じですね。前まではRIZINでも試合をしている新井選手とやりたかったんですけど、自分が目指す目標や先を見ていくとなった時、誰がチャンピオンかは関係なくてベルトを獲ることが大事だと思っています」
――国内ではRIZIN目指すという選択肢もあると思いますが、亮我選手の場合はUFCや海外のイベントを目指したいという考えなのですか。
「もちろんRIZINも好きなんですけど、僕はUFCとか海外の大会がめっちゃ好きで、海外の試合映像ばっかり見てたんですよ。UFCの世界最高峰という感じがめっちゃ好きというか。ケージの逃げられない感じとか、ああいうのがめっちゃ好きやなっていうのがあります」
――ちなみに亮我選手が格闘技を始めたきっかけもUFCだったのですか。
「いえ、小5か小6の時に、ホンマにたまたまテレビで亀田興毅VS内藤大助を見て格闘技に興味を持ったんですよ。で、なぜか分からないけど俺の方が強いと思って、格闘技を始めました(笑)。MMAを選んだのはボクシングはパンチだけで、何でもありのMMAの方が“戦い”って感じがして、そっちに行った感じです」
――RTUでは日本人選手の苦戦が続いていますが、その現状をどう捉えていますか。
「今年のRTUは1回戦を勝った日本人が1人だけ(中村京一郎)やったし、日本人と海外の選手も同じくらいの実績だと思うんですけど、それで日本人が負けるというのは何か原因があるんだと思います。でも僕はそういう狭い道の方がやりがいがあるし、そっちの方が逆に燃えますね。だったら俺が行ってやろう、みたいな。同じアジアのライバルたちが強ければ強いほど興奮するというか、嬉しくなってきますね」
――そこにつなげるためにも修斗でタイトルを獲ることは絶対条件ですし、次の高岡戦でも勝ち方が求められますね。
「今回しっかりフィニッシュして、自分の強さを見せてタイトルマッチまで行けるように。来年海外に挑むという未来を掴むためにも今回は必ずフィニッシュします」