【WKG&M-1Global】川名雄生、中国での再起戦に向けて――「今回の遠征で必死さを取り戻したい」
【写真】現地入りして様々な撮影に応じる川名。試合に向けて過度な緊張はないようだ。(C)CFP
26日(土・現地時間)に中国は広東省(クウントン・シュン)の深圳(シェンチュン)にある深圳南山文体育中心(シェンチェン・ナンシャン・チュウワン・ウェンティーヂョンシン)で開催されるWKG & M-1 Global。今大会では川名雄生が2018年のPFL参戦以来の海外進出を果たし、Road to UFCで神田コウヤと熱戦を繰り広げた中国のイープークールーと対戦する。
Text by Takumi Nakamura
過去10試合で3勝7敗と大きく負け越している川名が新たなチャレンジの場として選んだのが中国だった。今の自分に足りないものは勝利を掴む必死さだといい、成長著しい中国のMMAプロモーションで再浮上を目指す川名。現地で試合を目前に控えた中、再起に向けた心境を訊いた。
――中国での試合を目前に控えた川名選手です。体調はいかがですか。
「思った以上にコンディションは悪くないですね。日本からおかゆやみそ汁だったりリカバリー食も持ち込んでいるので、計量後はそれでしっかりリカバリーしようと思います」
――日本とは興行スケジュールなど勝手も違うと思いますが、そこは問題ないですか。
「そこまで大きく日本と違うことはないですね。むしろある程度余裕を持ってスケジュールを組んでもらっているので、その部分でストレスを感じることはないです」
――中国で試合をするのは初めてですよね。
「はい。PFLで海外の試合は経験していますが中国は初です」
――今回の試合オファーを受けた時の心境を聞かせてください。
「自分ちょっとお腹が弱くて、すぐお腹を壊すんですよ。だから中国に来て、水が合わなかったりしたら嫌だなと。さすがに腹を下したまま試合をするのはリスクがあるので(笑)。何か思うことがあるとしたら、そのくらいですかね」
――まずはお腹のコンディションが心配だった、と(笑)。国内では修斗・RIZIN・DEEPで戦ってきた川名選手がこのタイミングで中国のプロモーションに出ることになり、なにか心境の変化や違いはありますか。
「どうだろうな。良くも悪くも今までと変わらないんですよね。PFLに出た時もそうなんですけど。神経が図太いんですかね。僕は天才でもなんでもないので、どこでやっても変わらないです」
――ではあくまで一つのオファーとしてWKGに参戦するという感覚なのでしょうか。
「そうですね。国内で試合が決まるときと同じで、特に緊張をすることもなく、体調だけ気をつけて当日を迎えようと思います。23日の深夜に現地入りして、一度トレーニングで息上げすることもできたので問題ないですね」
――対戦相手のイープークールーにはどんな印象を持っていますか。
「もともとモンゴル相撲の出身で、打撃を覚えてMMAにチャレンジしている選手らしく、5月のRTUで神田コウヤ選手と対戦しているんですよね。直近では6月に中国のDRAGON FCという大会で藤村健吾選手に勝っていて。タフな選手で打撃が光る、あとは体幹が強いんだろうなと思います」
――神田戦を見る限りですが、打撃は思い切がいい、下半身にアプローチするテイクダウン=タックル系のディフェンスは弱いと感じました。
「神田選手も低いタックルでテイクダウンを奪ってましたよね」
――実際コンタクトしないと分からない部分もあると思いますが、どんな試合をイメージしていますか。
「打撃・寝技すべてを使って戦おうと思います。イープークールー選手は対戦相手にある程度攻めさせておいて、疲れたところをカウンターで攻めていくという戦い方もしているので、相手に反撃する体力とスタミナが残らないように削り続けていきたいです」
――良くも悪くも相手の攻撃を「受ける」スタイルですよね。
「そうなんです。相手の攻撃を受け止められるレベルだと判断したら、相手に攻撃させちゃうんですよね。そこで変に焦らず、自分のペースを守ることが大事だと思っています」
――川名選手も年齢・キャリアを重ねて、これからのMMAでの目標やゴールをどう考えていますか。
「僕自身、ここ最近のレコードが大きく負け越しているので、今までとは違う環境で新しい発見や刺激が欲しいと思っていました。そこで結果を出すことで、また国内でも一歩前進できるかなと思って、今回の海外遠征を決めたところはあります」
――ご自分ではなにが負け越している要因だと感じていますか。
「技術面どうのこうのよりも、必死さが足りなかったですね。もともと自分は『相手より必死にやらなかったから勝てねえよ』と思っていたのに、最近の試合ではそこまで必死になれてなかったと思います。今回の試合ではそういう必死さを取り戻したいと思います」
――まだ川名選手のなかで上を目指すという気持ちは衰えていないようですね。
「全く衰えないですね。結果が出なくて、どうしたらいいんだろう?と迷子になった部分はありましたけど、もっともっと上に行きたいって気持ちは変わらないです。もしもういいかなと思っていたら引退していると思うんですよ。でも辞めてないってことは、自分のことを信じられているし、今回の中国遠征をきっかけに上を目指します」
――日本でもたくさんの人が応援してくれていると思います。どんな試合をしたいですか。
「情報の規制が多いらしく、どうやって日本から試合映像を見られるか分からないんですけど(笑)、SNSだったりを通じて、自分が勝ちに行くところを伝えられたらうれしいです」
■WKG & M-1対戦カード
8月26日(土・現地時間)
中国 広東省深圳(クウントン・シュン シェンチュン)
深圳南山文体育中心(シェンチェン・ナンシャン・チュウワン・ウェンティーヂョンシン)
World King Glory & M-1 Global
<ライトヘビー級/5分3R>
ウィ・ヤオツン(中国)
ヘナト・ハンジェル(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
川名雄生(日本)
イープークールー(中国)
<フェザー級級/5分3R>
ツー・ワン(中国)
イエダーリ(中国)
<フェザー級/5分3R>
高木亮(日本)
アーハージャン(中国)
<フェザー級/5分3R>
シャア・リエンヤン(中国)
ウイシーバイ・チューハイイーフー(中国)
<バンタム級/5分3R>
イリャ・ツェルゲルニコフ(ロシア)
リー・ムーハ(中国)
<ウェルター級/5分3R>
キム・ジュンギョ(韓国)
チョウ・ニエンラ(中国)
<フェザー級/5分3R>
ガンゾリグ・エルデンバター(モンゴル)
ジュア・グーツェン(中国)
<バンタム級/5分3R>
リ・ファンヒョン(韓国)
シャア・ミンチェン(中国)
<フライ級/5分3R>
リーツー・ソンウーウ(中国)
サイヴァリ・サイドフ(タジキスタン)