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【ROAD FC65】Global T準決勝=アゼベド戦へ。キム・スーチョル「プレッシャーを感じる自分を愛して」

【写真】アゼルバイジャン?と首を傾げたキム・スーチョル(笑)。このあと頭も掻いていた(C)MMAPLANET

26日(土・現地時間)、韓国はアニャンのアニャン体育館で開催されるRoad FC65のグローバル63キロ・トーナメント準決勝でブルーノ・アゼベドと戦うキム・スーチョル。
Text by Manabu Takashima

6月のトーナメント準々決勝大会では韓国勢が総崩れするなか、スーチョルはわずか55秒でギロチンを極め。初戦突破を果たした。唯一の韓国勢としてK-MMA界代表の責務、そして一家の大黒柱の責務を果たそうというスーチョルを計量終了6時間後にインタビューした。


――大会前日、本計量を終えセレモニアル計量を待つ状態のキム・スーチョル選手です。まず計量を終えて体調の方はいかがですか。

「今回は主催者の計らいでトーナメント出場選手だけ、午前11時スタート予定だった計量が9時に変更されました。なので6時間半ほど前に計量は終わっているのですが、現時点で7キロほどリカバリーできました。年を食ったのか、体重が戻るのが早いです(笑)」

――いやぁ、代謝が今も激しいということではないですか(笑)。明日戦うブルーノ・アゼベドや原口央×ラザバリ・シェイドゥラエフの両選手も問題なかったですか。

「ハイ。ブルーノも計量が早く終わることを喜んでいる感じでした。ただキルギスの選手は随分と遅くに計量にやってきましたが、なんかコンディションは芳しくない様子でした。でも、自分はとにかく眠かったので、何かやっているなぁという感じで気にしていなかったです。自分も減量で『死にそうだ……』っていうぐらいの状況だったので(苦笑)」

――前回の準々決勝大会、スーチョル選手まで韓国人選手が全滅でした。最後の登場でプレッシャーにならなかったですか。

「プレッシャーは感じていました。韓国人としてだけでなく、一家の大黒柱として負けられなかったです。でもプレッシャーを抱えて戦う方が、自分は良いと思います。プレッシャーがないと、危険を察知する能力も下がりポカをしてしまいます。なのでプレッシャーを感じる自分を愛しています(笑)」

――アハハハ。では対戦相手のブルーノ・アゼベドですが、右カーフとねちっこい組み技が印象的です。

「組み技、寝技が強いと思いますが、なぜかオープン・ワークアウトで右のハイばかりを蹴っていて。自信があるのか、何か隠しているのか。ただ、右の蹴りは良かったです。もちろん、それで組んでくることも十分にあると思いますが、それならそれで構わないです。クリンチに来るなら、その局面でも圧倒してやります」

――スーチョル優位の声が圧倒的です。

「そういう声があるのは知っていますが、相手もわざわざ負けるために来るわけがないので。いつも試合中に『相手の打撃は当たらない。試合を支配できる』というフレーズを呟いてマインドコントロールをしていますが、今もやっています」

――どのような試合をファンに見せたいと思っていますか。

「自分から攻撃できるよう、その攻撃の幅を厚くしカードも揃えています。接近戦から自分がフィニッシュできる技を披露したいと考えています」

――明日の試合に集中しないといけないのですが、決勝は10月29日です。スーチョルはその後に大晦日のRIZINで戦いたいということを明言していましたが、なんだか11月4日のアゼルバイジャン大会への出場をRIZINは考えていたという話もありました。

「アゼルバイジャンですか……(笑)。そういう風に希望してくれるなら、本当に幸せなことです。ただし、自分は試合前は試合のことしか集中できないんです。そうでないと対戦相手に失礼です。SNSで相手を殴っている写真などアップする人もいますが、それは戦った選手への礼を欠いています。なので、今は明日のことだけを考えて――決勝戦やアゼルバイジャン(苦笑)、大晦日のことはブルーノに勝ってから、決めれば良いことです。自分はジョン・ムンホン館長と並び、大山倍達の両者を誰よりも尊敬しています。なので日本から声が掛かることはとてもありがたいですが、今は明日の試合のことだけを考えています」

――明日、日本からスーチョル選手の応援をしているファンに一言お願いします。

「日本のファンに人たちには、本当にありがとうございますと伝えたいです。日本の格闘技人気が100だとすれば、韓国は10もありません。それでもプロの舞台があるのはPRIDEと日本の格闘技界のおかげです。自分はPRIDEと日本の格闘技が大好きで、ジョン・ムンホン代表が日本の格闘技に挑戦した話と、大山倍達の逸話が本当に大好きです。日本の格闘技があり、二人の先人がいたことで自分がMMAで食べていけるようになりました。つまりは日本の格闘技界と日本のファンのおかげです。本当にありがとうございます」

■視聴方法(予定)
8月26日(土・日本時間)
午後1時00分~KAKAO TV、AFREECA TV

■ROAD FC65主な対戦カード

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
ブルーノ・アゼベド(ブラジル)

<Road FC グローバル63キロT補欠戦/5分3R>
ムン・ジェフン(韓国)
ヤン・ジヨン(韓国)

<Road FC グローバル70キロT準々決勝/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
ラザバリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
原口央(日本)

<Road FC グローバル70キロT準決勝/5分3R>
アルトゥル・ソロヴィエフ(ロシア)
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
シン・ドングク(韓国)
ハン・サングォン(韓国)

<無差別級/5分3R>
関野大成(日本)
オ・イルハク(韓国)

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