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【Combate Global】エフェヴィガ雄志戦へ、カスティーリョ「マイク・タイソンの言葉を知っているかな」

【写真】 「いつみても波瀾万丈」と「 世界・ふしぎ発見!」が合作したようなMMAファイター人生(C)COMBATE GLOBAL

90分後、13日(土・現地時間)にフロリダ州マイアミのユニビジョン・スタジオで開催されるCombate Global「Mexico vs Japan」でエフェヴィガ雄志がジェラルベルト・カスティーリョと対戦する。

キルクリフFCでの武者修行の成果をエフェが見せるファイト。その相手は33歳でキャリア5勝3敗のカスティーリョだ。いってみれば中堅ファイター、エフェとしては負けられない相手ということになる──が、そのカスティーリョに話を聞くと、日本人にはない人生を歩んできたことが明らかとなった。

MMA、勝負事は夢の潰し合い。そんな場所に上がる──あるキューバ移民ファイターの話を試合前に知って欲しい。


──ジェラルベルト、最初に確認させてください。米国の戦績サイトをみると米国生まれとなっているのですが、今回トーレスさんの通訳が必要というのは……。

「あれは間違いだ。僕はキューバ生まれで、2016年2月にキューバからマイアミにやってきたんだ」

──ではキューバで格闘技の経験はあったのですか。

「ボクシングと散打、特に散打には力を入れていた」

──キューバに散打があるのですね!!

「協会があるからね。散打の大会はキューバの各都市で行われているんだ。僕はナショナル王者にもなっている。ただ知っているかもしれないけど、キューバのスポーツっていうのは凄く複雑で……。国際大会で戦うことはできなかった」

──それもあって、キューバを離れたということはありますか。

「キューバで生きていくことは、政治的な問題があって本当に厳しい。そこに経済事情が加わって……夢を実現するには、自由の国を目指すしかなかった。キューバに住むということは、牢獄に入れられているようなモノだからね」

──……。スミマセン、気楽に尋ねてしまって。夢というのは?

「今の僕の夢は米国の市民権を得て、家族をフロリダに呼び寄せることだよ」

──……。そのフロリダでMMAに出会った?

「そう。ただ、実際はMMAじゃない。実はキューバにはJKBというフェデレーションがあって、いわばキューバ版MMAというべき試合が行われているんだ」

──JKB、Judokickboxですね!! ダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズの初年度第2週でダン・イゲと戦ったルイス・ゴメスが属していた。

ジュードーキックボックスは2002年よりキューバで行われている競技で、ヘッドギア&MMAグローブ、シンガード着用。パウンド有りで実施されている。試合は柔道場で行われ、競技人口は300名、コーチは10人でファイターは柔道、空手、テコンドーの国家代表クラス──という話が伝わっている。

「よく知っているね! JKBはMMAに非常に似ているファイトで、指導者の1人のエリック・エル・チグレ(ザ・タイガー)・カスタニョスがマイアミでJKBのスクールを持っていて、僕はマイアミに来てから彼の下でJKBを始めたんだ」

──いやぁ、非常に興味深い話です。ところでMMAに関してはこのところ1年に1度のペースでしか試合をしていないですね。

(通訳の)アルファシ・トーレス氏 それはプロモーターの責任だよ(笑)。っていうのは冗談で、ちゃんとジェラルベルトに尋ねるから。アハハハ。

左が今回のCombateファイターの取材でサポートしてくれたトーレス氏。非常に明るいラティーノ

「プロモーターのせいだよ。アハハハハ」

──勘弁してください(笑)。

「申し訳ない(笑)。特に理由はないんだ。試合が終われば、次の試合の機会を待っていた。そして実現するのが、こういうペースだったんだよ。でも、今回コンバテ・グローバルとエクスクルーシブ契約を結ぶことができたから、これから試合数は増えるだろう。多くのファイターがUFCを目指している。でも、僕はコンバテで戦うことに集中しているんだ。コンバテは優秀なラテン系ファイターが揃っているからね。そのコンバテと契約を結ぶことができて、僕は満足している」

──コンバテと専属契約になり、今後のキャリアアップを考えると今回のエフェ選手との試合は非常に大切になりますね。

「日本✖コンバテ・グローバルのメンバーに選んでもらって、凄く嬉しいよ。このショーはコンバテにとっても大切な大会だからね」

──エフェ選手は「年に一度しか戦わないパートタイムのような選手が相手だから、圧倒しないといけない」とインタビューで言っていました。

「彼はマイク・タイソンの言葉を知っているかな? 『誰もが作戦を持っている。パンチを食らうまでの話だけど。その後はネズミのように恐怖で凍りつくんだ』という。この言葉の意味を教えてやるよ。

しっかりと準備してきた。この試合は3R終了までいくことはない。日本のファンにベストを尽くすと約束するよ」

■視聴方法(予定)
5月14日(日・日本時間)、
午後1時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ Combate Global対戦カード

<女子アトム級/5分3R>
アナ・パラシコス(メキシコ)
澤田千優(日本)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィクトル・ヴァレンズエラ(チリ)
安西信昌(日本)

<女子アトム級/5分3R>
ケイティ・ペレス(米国)
エステファニー・イロルソ(メキシコ)

<160ポンド契約/5分3R>
ジェラルベルト・カスティーリョ(米国)
エフェヴィガ雄志(日本)

<フェザー級/5分3R>
ラミロ・ヒメネス(メキシコ)
ニコラス・バルナ(ウルグアイ)

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