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【Combate Global】海外武者修行の総括、アナ・パラシコス戦へ。澤田千優「勝つこと以外にないです」

【写真】自撮りでゴメンナサイというメッセージと共に送られてきた写真 (C)CHIHIRO SAWADA

13日(土・現地時間)にフロリダ州マイアミのユニビジョン・スタジオで開催されるCombate Global「Mexico vs Japan」のメインでは澤田千優が、アナ・パラシオスと戦う。

2月のONE FFに続き、2試合連続での海外でのファイトは──初の北米での戦い。対戦相手は下からの十字の切れ味が抜群だ。澤田の弱点とパラシオスのストロングポイントが合致するという試合が決まってから、チーム・オーヤマでのABEMA海外修行を敢行した澤田に出稽古を振り返ってもらい、今回の試合への自信のほどを語ってもらった。


──2度目の海外、北米では初めての試合に向け、今どのような心境でしょうか。

「いつも通り、リラックスしつつ良い意味での緊張感もある。そんな感じです。リラックスし過ぎないように気を付けています」

──3月20日から行ってきたチーム・オーヤマでの武者修行プロジェクトを終えてのフロリダ入りでした。ズバリ、良い練習ができましたか。

「ハイ。最初から最後までフィジカルトレーニング、柔術の細かいテクニックだったり、レスリングはベーシックなところから男子も含めてスパーリングもしました。打撃もこれまでしたことがないミット打ちなんかも、やってきました」

──日本との違いや、これを続けたいという練習もあったかと思います。

「ここが違うというのは、全てのクラスのスタート時間が気持ち早目で。ちゃんとドリル練習をしてスパーリングをします。スパーが終ってからも時間があるので、練習を振り返って質問し、また反復できたところですね。後ろのクラスが詰まっていなければ、そういうことができていました」

──オーヤマに行くなら元UFC世界女子ストロー級王者カーラ・エスパルザとの手合わせを期待していたのですが、妊娠されたそうで。練習する機会はなかったのかと。

コリン・オーヤマ、カーラ・エスパルザらと(C)TSP

「でも序盤に2度ほどセッションしました。

私と女子選手のスパーリングを見て、そこで気付いたことを指導してくれて、その時に少し触れることができました。スパーでなく技術の練習でも、凄い圧が感じられるんです。触っただけで、怖いなっていう圧を感じました。

その時に『私は暫らく来られないけど、やることは同じだから』と言ってくれて。コリンだったり、カーラと一緒にやってきた柔術の先生と反復していました。そして、また来てくれた時に細かい点など私ができていないところを詰めて、技術練習と嫌なところを狙うという精神的にくる部分……戦術まではいかないですが、押さえないといけないポイントを動きながら教えてくれました。その時にさっきも言った怖いなっていう圧をちゃんと味わうことできました」

──いうとカーラもベースはレスリングではないですか。そして日本の女子レスリングは決して米国に遅れをとっていない。それでもMMAレスリングになると違いはあるのですか。

「レスリングではなく、MMAで勝たないといけない。そのなかでレスリングを勝つために使う。そこを常々考えているから嫌な圧だとか、良いタイミングでレスリングを使える。レスリングだけに縛られずに、レスリングを効果的に使うことができている。そこが米国の選手は強いと思いました。それとクラッチをしないカレッジレスリングがあって、引っ掛けてコントロールする上手さとかもあるし。そういうことが頭のなかにある部分で、違いがあるのかと思います」

──澤田選手はまだMMA歴も長くないし、レスリングというベースがあっても色々な色に染まることができる。よって2カ月弱の出稽古でもガラリと変わることがあるかもしれないと思ったりするのですが……。

「この経験で今すぐ強くなることはないと思います。でもこの間に得たMMAにおける考え方を生かし、自分の武器であるレスリング力を落とさずに如何に柔軟にレスリングを使うのか。そこに関して体感できたので、もっと突き詰めて考えないと。今のままでは負けると感じました」

──レスリングと柔術の融合に関しては、どのように学ぶことができました。

「柔術は必ず毎日1コマはやってきました。MMAに使える柔術だけでなく、ピュア柔術の練習もトライしました。あと阿部(裕幸AACC代表)さんがサンディエゴにバレット・ヨシダを訪ねた時に一緒させてもらって。バレットの教え子のマリリン・クルーズという紫帯の時にノーギワールドで優勝している選手とスパーもできました。彼女は同じ体格なのに、テイクダウンはとれてもキープできずに、すぐに足をきかされてスイープを何度もされました。

一応、柔術でも青帯を巻かせてもらっているのですが、まだまだ青帯にもなれない程度だなって感じたので、そこの強化はまだまだできると思います」

──今回の対戦相手アナ・パラシオスは、下からの攻めが上手いです。

「そうですね、際も強くて。3月の最初に試合が決まって、映像もチェックしました。自分のスタイルだと、彼女の得意なシチュエーションになるのはヤバいなって思いました。下からの十字に気を付けろというのは、ずっと言われてきたことなので。そこが上手い人とやるのは怖い。今のままでは負けてしまうと、最初は思いました」

──試合が決まって海外へ。対戦相手のパラシオス対策が澤田選手の底上げに必要な部分と重なっているというのは幸運でした。

「ホントにその通りだと思います。それに目的を持っていくのは当然なんですけど、出稽古の総括として試合があってモチベーションになったし、そこが今言われてように自分に必要なところだったので本当に良いタイミングでした。やらないといけない環境に必然的に追い込まれて練習できたことは本当に良かったですし、これからも続けないといけないです」

──「負けてしまう」から、どのように盛り返してきましたか。

「私の気持ちでいうと、ここは勝つこと以外ないです。向うの動きに合わせたリアクション、自分が取ってはいけないポジション、与えてはいけない位置に関してはいっぱい練習してきました。そこを信じる気持ちだったり、勝つイメージを持つことはできています」

──コンバテは女子アトム級がありますが、ここからのキャリアの積み方をどのように考えていますか。

「まずはここでしっかりと勝って、帰国すると修斗の防衛戦。そこから目標であるONEの本戦で戦っていきたいです」

──やはりONEが目標というのは変わらないですか。

「そこは変わらないです。貫いています(笑)」

──ところで、この海外修行のタイミングで剛毅會空手の稽古から離れたという話も伝わってきます。

(C)TSP

「いえ、それは違います。

内弟子制度が撤廃された形で、辞めたとかはないです。岩﨑先生は見守ってくれている。そういうスタンスです。突き放されたわけじゃないし、私も距離を置いているわけじゃない。そのタイミングで海外修行が始まった形で。私はそれまで岩﨑先生の空手しかやってきていないし、そのなかで内弟子制度がなくなる際に『他のことも経験しなさい』と言われて、ホントにその通りのことをチーム・オーヤマでやってきました。それに『違う』と思ったら、先生は連絡をくれるだろうし」

──では武術空手の叡智を使うという打撃を、澤田選手は継続していくのですか。

「私はボクシングやキックボクシングをやってきたわけでなく、そういうベースはないです。だからこそ、この間にミット打ちでも色々と指導をしてもらいました。それは私にとってレスリングと同じでムエタイ、ボクシング、空手というジャンルをやっているわけではない。MMAで勝つために打撃を使うだけなんです。

チーム・オーヤマでは、レスリングを生かすという部分での打撃を習いました。でも、それは岩﨑先生に習ってきたことがあったから凄くフィットしたと思っています。私には先生に習った突きがあって。その形は変われど、出す感覚は突きと同じです。それならできるなって」

──なるほど。型は一つでも、形はそれぞれが持つ。そこに通じる──非常に腑に落ちる言葉です。では最後にパラシオス戦への意気込みをお願いします。

「いつも通り何が何でも勝つ。それは勿論なんですけど、これまでやってきたこと……自分の弱みを強化してきた練習期間ではあるので、しっかり勝って日本に帰りたいと思います」

■視聴方法(予定)
5月14日(日・日本時間)、
午後1時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ Combate Global対戦カード

<女子アトム級/5分3R>
アナ・パラシコス(メキシコ)
澤田千優(日本)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィクトル・ヴァレンズエラ(チリ)
安西信昌(日本)

<女子アトム級/5分3R>
ケイティ・ペレス(米国)
エステファニー・イロルソ(メキシコ)

<160ポンド契約/5分3R>
ジェラルベルト・カスティーリョ(米国)
エフェヴィガ雄志(日本)

<フェザー級/5分3R>
ラミロ・ヒメネス(メキシコ)
ニコラス・バルナ(ウルグアイ)

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