【UFC288】打撃&TD&柔術。結果的に回転MMAの要所を堰き止めたエフロエフがパウンドでロピスに競り勝つ
<フェザー級/5分5R>
モフサル・エフロエフ(ロシア)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
ジエゴ・ロピス(ブラジル)
カーフを蹴り合った両者、ロピスが右ストレートをヒットさせる。さらにワンツーフックで前に出てきたエフロエフに右フックを打ち込む。蹴り足を掴まれテイクダウンを許したロピスだが足関節を狙う。足を抜きトップを取ったエフロエフがボディと顔面にパンチを打ち分ける。ロピスは左足をすくいながらハイガードへ。エフロエフはがら空きになった顔面に鉄槌を落とす。
ここで腰を切ったロピスが腕十字へ。右腕が伸びたエフロエフだが、ロピスが攻めを緩めた際に腕を抜くと同時に体を起こしてトップを取る。ノーギ・スパイダーのようなガードワークも駆使するロピスに対し、エフロエフも勢いのあるパンチを打ちつける。肩抜き後転タイプの腕十字を仕掛けるロピス、背中を伸ばして許さないエフロエフを三角クラッチに捕え初回をリードした。
2R、左から右を振るって前に出たエフロエフに対し、ロピスが左フックをヒットさせる。エフロエフも右を返すが、空振りをするとロピスのショートのコンビが待っている。エフロエフはスピニングバックキックを空振り。それでもワンツーを入れて、ラウンドを取り返しにいく。初回と比べ、動きが圧倒的に少なくなったロピスは左フックの相打ち後、右ミドルをキャッチしようとして腹を蹴られる。
残り半分、ワンツーで左フックを入れたロピスを、エフロエフがダブルレッグで倒す。ロピスは簡単に下になり、初回のような仕掛けがない。しっかりと腹、顔面を右で殴るエフロエフが、スイープ狙いでガードのない顔面を何度も殴る。両ワキを差し、懸命にエフロエフを引き寄せるようになったロピスは、動きが少ないままラウンド終了を迎えラウンドを落とした。
最終回、エフロエフのワンツーにショートのコンビを打ち込むロピス。続くステップインには、エフロエフがカウンターを当てる。さらに右を入れたエフロエフが、左ハイ後に右を打ちこむ。エルボーで前に出たエフロエフに、カウンターライトを決めたロピスだが、手数が少ない。エフロエフが組んで左腕を差し、右エルボーを顔面に打ちこむとテイクダウンを決めてパウンドを落とす。スクランブルでバックに回り、ボディロックで落としバックをキープしたエフロエフが、後方からスネを蹴っていく。
エフロエフは左ヒザで顔面を狙うと、正面を向いたロピスにダブルレッグからテイクダウンへ。ロピスはキムラから頭を跨いだが、その頭を抜いたエフロエフが立ち上がりバックへ。ここもキムラクラッチのロピスが、後方に引き込む。体を跨いで防ぐエフロエフ、体を固定させたロピスがヒザ十字に。左足が伸びたエフロエフは10秒以上我慢しタイムアップへ。
初回はロピス、2Rはエフロエフ。最終回は時折りみられるキャッチの評価があればロプスという見方も成り立つが、通常ではエフロエフがモノにしたラウンドだ。結果、3-0でエフロエフが勝利も、ショートノーティスでUFCデビューのロピスも白眉の出来栄えといえる戦いを見せた。
「僕はレスラー。それほど柔術は上手くない。でもコーチは知っている。僕は腕十字でもチョークでもタップはしない。柔軟で安定しているんだ。次? もう少し時間が欲しい。ラマダンが終ってから2週間のこの試合はハードだった」と勝者はしっかりと話した。