【UFN218】Road to UFC決勝へ、中村倫也 in 今成柔術─01─「『どうする?』が0.1秒でもない方が良い」
【写真】極められることが強くなる──そんな風に見える中村倫也(C)MMAPLANET
2月4日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN218:UFN on ESPN+76「Lewis vs Spivak」内で、Road to UFCのファイナルが行われ中村倫也が風間敏臣と対戦する。
当初の予定では10月の準決勝で対戦予定だったが、今も理由が分からない謎のシャッフルで中村は同じ日本人の野瀬翔平、風間は韓国のキム・ミンウと戦うことに。中村は野瀬からTKO勝ちを収め、風間はキム・ミンウの計量失敗で不戦勝となり、UFCとの契約を賭けて日本人同士の対戦が決まった。
柔術ベース、国内はパンクラス・バンタム級1位までいった風間との対戦を前に寝技対策を今成柔術で行った中村をインタビューした。
──朝の8時20分から今成柔術のグラップリング練習。当然、風間選手との試合を想定してのものですが、どれぐらいの頻度で行われているのですか。
「もともと準決勝で風間選手との対戦が決まってから、それほど多くはないですけど何度か来させてもらっていて。また試合が近づいて、最近もお世話になっています」
──ところで今朝は何時起きだったのですか。
「今日は5時45分に起きて、6時過ぎの電車に乗って東京まで来ました」
──ラッシュアワー前ではあるのですね。
「それでも、さすがに体に負担をかけないようにグリーン車を使っています(苦笑)。体力は練習にとっておかないといけないので。」
──ではここでの練習以外はどのようスケジュールで練習をしているのですか。
「やはり埼玉なので毎日のように都内に出てくると、移動の負担で練習に使い切れないこともあるので、埼玉でランニング、子供の頃やらずっとやってきた水泳をやっています。あとは本当に集中してシャドーを2時間ぐらい、1人でやっています。自分と向き合いながらイメージ創りを鮮明にできるようにしてきたので、これまでよりシャドーの質もかなり上がっているし、試合が近づくまではそういう練習をしていることが多かったです。
試合が近づいてきてからは対人練習を多くしています。リバーサルジム久喜WINGSでお世話になったり、津田(勝憲)さんのところで打撃を主にやって、臼井(知史)さんがイエローマンズCUTEでプロ練習会を開いてくれていて、そこで安藤達也さんやこないだは若松(佑弥)君とかの来てくれていて良い練習ができています」
──臼井さんのプロ練習はボクシングということでしょうか。
「ハイ。臼井さんは何かUFCに縁があるというか。(佐藤)天さん然り、村田(夏南子)選手然り、真騎士さんの指導もしていたはずです。達也さんも臼井さんが見始めた頃にUFCから話が来始めたりしていたそうです。僕も見てもらうようになって、臼井さんが「俺はUFCに縁があるんや。ほんまにあんねん」って関西弁で(笑)」
──アハハハ。ただCUTEも東武沿線なので、決して移動は楽ではないですね。
「そこは車を使っています。電車はやはり風邪がうつる心配が出てくるので、今は車中心です。そこで変なストレスも掛けたくないので。ただ、帰りは疲れて眠くて……なかなかです(笑)。ただ今もコロナがあって、特殊な状況ですし」
──その通りだと思います。MMAスパーの方は?
「イエローマンズCUTEとKRAZYBEEで強度の高いスパーリングをやるようにしています。CUTEには上田(将勝)さんが来てくれて、上田さんの仕切りで回してもらっています。あとラストの追い込みのサーキットで、臼井さんがミットを持ってくれています。都内に出てくるのは週に3度ほど、それと大学にも行ってレスリングの練習をすることもありますが、今はレスリングに力を入れる時期ではないと考えています」
──さきほどイメージということを言われていましたが、それは入場からも頭のなかでイメージしているのでしょうか。
「しています」
──では次の試合、当初はソウルで1万人の観客の前で戦う予定だったのが、ラスベガスのUFC APEXで数百人に代わりました。イメージとして微調整が必要なのでしょうか。
「それはAPEXの試合をたくさん見て、その選手の中に入り込めば済むので。ただ韓国とベガスでは違いますよね(笑)。まず『移動が面倒くせぇなぁ』って(笑)。ソウルなさサクッと行ける感じだったので。ただ、それだけです。それ以上でも、それ以下でもないです。逆にUFC PIを訪れることができたり、ラスベガスでやることでUFCのより中枢の人に、パフォーマンスを見てもらえる。そこは絶対にプラスだと思います。」
──そういう意味ではRoad to UFCとして独立して開かれていたイベントと、UFC Fight Nightの中で試合を行うことで何か違いはありますか。
「普通の答になってしまいますが、試合は試合なんでそこはないです。ただ『パフォーマンス・ボーナスはあるの?』とか考えてしまって。でも、そんなことを考えている自分だダメだよ。そういうのが出てきたら、ダメだよって(笑)」
──なるほどぉ。欲をかくといけないと。
「それはダメだよって、自分を躾けています」
──一番目立ちたいとか考えてしまいますか。
「う~ん、そういう風に選手がなる。その心理は分かります。ホントに。絶対にそれで失敗している人がいることも分かっています」
──そんななか今日の今成柔術の練習ですが、しっかりとグラップリングのスパーで汗をかきました。MMAグラップリングではなく、純粋グラップリングに特化した練習をするというのは?
「そうですね。対処方法、試合で迷うことのないように練習させてもらっています」
──付き合わないでいれば判定勝ちがある。その付き合わないパートにおける技術の探求に感じました。
「えぇ……と。得意なことはイメージしやすいので。自分のなかでイメージがしづらいことを身近な人と話し、掘り出してピックする。それが視野に広がる作業になります。試合の時に必要な視野が。試合の時に『どうする?』という風になるのが崩れる要因で。それが1秒、0.1秒でもない方が良い。そうならないようにするためです」
<この項、続く>
■視聴方法(予定)
2月5日(日・日本時間)
正午~ABEMA格闘CH(プレリミのみ)
正午~UFC FIGHT PASS
■ UFN218対戦カード
<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス(米国)
セルゲイ・スピヴァク(モルドバ)
<ライトヘビー級/5分3R>
チョン・ダウン(韓国)
デヴィン・クラーク(米国)
<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ(ポーランド)
ブラゴイ・イワノフ(ブルガリア)
<フェザー級/5分3R>
チェ・ドゥホ(韓国)
カイル・ネルソン(カナダ)
<ウェルター級/5分3R>
木下憂朔(日本)
アダム・ヒューギット(米国)
<ミドル級/5分3R>
アブドゥル・ラザク(米国)
クラウジオ・ヒベイロ(ブラジル)
<Road to UFCライト級決勝/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
ジェカ・サラギ(インドネシア)
<Road to UFCフェザー級決勝/5分3R>
イー・チャア(中国)
イ・ジョンヨン(韓国)
<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
風間敏臣(日本)
<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン(韓国)
チェ・スングク(韓国)
<女子フライ級/5分3R>
キム・ジヨン(韓国)
マンディ・ブーム(ドイツ)
<ミドル級/5分3R>
パク・ジュンヨン(韓国)
デニス・チュルリン(ロシア)
<フライ級/5分3R>
平良達郎(日本)
ヘスウ・サントス・アギラー(メキシコ)