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【Pancrase330】新フライ級KOP、鶴屋怜「またイチから見直して、やっていこうと思います」

【写真】イベント終了後、応援団への挨拶を終えたばかりの鶴屋怜 (C)MMAPLANET

25日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されたPANCRASE330。同大会のメインで猿飛流を破り、鶴屋怜がフライ級KOPの座に就いた

デビューから1年10カ月、キャリア6戦目で日本の老舗MMAプロモーションの頂点に立った鶴屋は勝ち名乗りを受ける前から涙を流した。若さの象徴、自信しかないように見えた鶴屋の意外な涙。その理由と、こらからについて試合後に話を訊いた。


──20歳のタイトル奪取、涙を見せたのは意外でした。

「ちょっと想定外の展開になってしまって……焦ってしまったのもあるし、小さい頃から修斗やパンクラスと見て育ってきたので……。UFCという目標があって、も国内のベルトも大きな目標でした。なので、ちょっと涙が出てしまいました。それにここで負けていたらUFCなんてないし。格闘技で生活できなくなりるので自分を追い込んでいる部分もあったので」

──本物だという期待感が高まると、アンチの声も出てきます。そういう声は気になっていましたか。

「最終的に勝てれば良い。そう思っていました」

──では想定外の展開というのは?

「組んでバックを取ってからのスロエフ・ストレッチなんですけど、練習なら毎回ほぼ極まります。実際、試合中も極まったと思っていました。結果どこか精神的に『よっしゃ』となって、気を抜いてしまった部分があります。でも猿飛流選手は元器械体操の選手だからか、体が柔軟でした。あれで焦ってしまいましたね」

──焦っていましたね。首投げを強引に仕掛けて、決まらない場面もありました。

「首投げからVクロスで勝ちたいっていうのもあったんです……(苦笑)」

──お父さんの必殺パターンを。それは……。

「欲を持ちすぎてしまったスね。インターバルで、お父さんからも『落ち着け。お前、興奮しているんだよ』って言われて。でも『絶対、勝つから』って伝えて2Rに向かいました。後で見返さないと分からないんですけど、右が当たったのか……ああいう形になれたので。でも打撃も大切だって、身をもって思うことができました。課題も増えたし、まぁ……良い試合、良い経験になりました」

──1R終盤はケージに押し込んだ形で、ヒザをボディに何発が食らっていました。

「食らっちゃいましたけど、ヒザでダウンをすることはないと思っていました。2Rから行くつもりだったので、あそこは攻める気持ちはなかったです」

──ジャッジ1人が9-10と猿飛流選手のラウンドとしました。

「まぁ、猿飛流選手に入ってもしょうがないです。お父さんも『想定外のことが起きるのも1Rだから』と言ってくれて。猿飛流選手もチャンピオンだし、意地があったはずです。正直、舐めてはいないんだけど簡単に勝てると想定していたので……この試合の経験をこれからに生かしたいと思います。

扇久保(博正)さんからも『最初から行き過ぎると疲れるから』って、毎試合注意されていました。それで勝てていたんで、自分では構わないと思っていたのですが、先輩たちに注意されていたことがやっと理解できました」

──反省点のある試合。課題を見つかったタイトル戦を終えて、改めてUFCに向けてどのような気持ちでいますか。

「ホント、練習を基準に『俺、強いんじゃないか』って思ってしまっていたんですけど、試合だとそういうわけにはいかないです。これまでの試合は、ほぼ同じパターンで勝つことができたとはいえ、これからは通用しなくなります。UFCなんて言うと、もっと強いヤツらだらけです。なので、しっかりと見つかった課題を克服していかないとダメだなと思います。

打撃も自分のなかでは力を入れてやってきたつもりだったんですけど、もっと見つめ合っていかないとダメですね」

──反省しきりですが、キャリア1年10カ月でパンクラスの頂点に立ちました。2023年への意気込みをお願いします。

「ハイ。6戦0敗、6フィニッシュしているので来年は海外に絡んでいきたいです」

──1カ月ほど前から2023年開催のRoad to UFCに向けて、各階級で出場選手のリクルートが始まっているようですね。

「僕はRoad to UFCではなくて、本戦かコンテンダーシリーズに絡んでいきたいと思っています。でも、そんな上手くはいかないので1試合、1試合勝ち抜いていきます。とにかく今日の試合で見つかった課題が多すぎるので、年が明けたらすぐに練習したいです。またイチから見直して、やっていこうと思います」

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