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【Pancrase330】12・25を読む 上田将竜戦へ、伊藤盛一郎─02─「上田選手はスーパー気持ちの良い人」

【写真】2017年10月には所英男とグランドスラムでグラップリングを戦っているが、MMAを戦ったのは6年も前になる伊藤 (C)MMAPLANET

25日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されるPANCRASE330で、上田将竜と対戦する伊藤盛一郎のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

伊藤にとっては今回の試合がパンクラス初参戦で、しかもケージは2016年11月のグランドスラム以来6年ぶり2回目となる。パンクラスフライ級の大ベテラン、ランキング2位の上田将竜を相手に不安はないのか。伊藤にケージでの試合と上田戦について訊いた。12・25を読む、第9弾は伊藤盛一郎インタビュー後編をお伝えしたい。

<伊藤盛一郎インタビューPart.01はコチラから>


――伊藤選手も現在29歳です。同じフライ級でも伊藤選手より若い世代が出てきています。

「そうですね。まさか自分がベテランになっているとは思いませんでした(笑)。鶴屋(怜)君は今20歳ですか? DEEPの試合を見ていると、毎回すぐ終わっちゃうから分からない部分はありましたよね。でもパンクラスでランカーに圧倒的な内容で勝っているので、すごく強いんだなって思います。鶴屋君と練習したことのある人からも『鶴屋怜は強い。ブン投げられまくった』と聞きますし」

――そんななか、今回が初参戦となるパンクラスの印象を教えてください。

「パンクラスは好きですよ。横浜グランドスラムからアマもプロもパンクラスの試合に出ることが多くて、自分もセコンドや応援で結構行っています。僕自身は試合をしたことがないですけど、そういう意味では慣れ親しんだ場所というか(笑)」

――ただ、会場は慣れ親しんでいるとしても、伊藤選手にとってケージの試合はVTJとグランドスラムに続き今回が3回目です。その点はいかがですか。

「自分はリングかケージか、というのは気にしていないです。横浜グランドスラムは壁の練習ができるし、周りもケージの試合に出ている選手ばかりで。普段からリング用の練習は全くしていないかもしれないです。ケージ向けの練習をしてリングの試合に出る、みたいな(笑)」

――改めて戦績を見ると、伊藤選手の世代でここまでケージを経験していないことは意外でした。

「この間、パンクラスのケージに入ったんですよ。セコンドで行った時に、選手のアップのために。やっぱりケージって圧迫感というか、鳥かごの中に閉じ込められているような感覚がありますよね。グランドスラムの時も思いましたけど、だからこそ試合に集中できるっていうところはあります。リングは周りが開けているので、いろいろ目に入ってくるんです。でもケージは周りが見えないし、本当に1対1で集中して戦えるとは思います。そのケージで戦うのは自分にとってプラスになると思います」

――今回そのケージで対戦する上田将竜選手の印象を教えてください。

「まずフライ級の中では背が高いですよね(公式プロフィールでは上田が174センチ、伊藤が161センチ)。ずっとランキング上位にいて、まさにパンクラスのフライ級を代表する選手だと思います。まさかパンクラス初参戦の僕と、その選手が試合をしてくれるのかって驚きました」

――上田選手は鶴屋怜戦前のインタビューで、鶴屋戦のオファーを受けた理由として「強い相手から逃げるわけにはいかない」と仰っていました。本人に直接お聞きしたわけではないですが、今回も同じように考えたのかもしれません。

「そう思っていただいていたら、本当に嬉しいです。上田さんって熱くて、スーパー気持ちの良い人ですよね。僕がセコンドでパンクラスに行った時、上田さんが試合後に控室で対戦相手と話をしているのを見たことがあるんです。しっかり握手して、話をして――スーパー気持ちの良い人だと思いました」

――そのスーパー気持ちの良い上田選手を、どう倒すか。もう作戦は決まっているのですか。

「いえ、自分は普段から作戦は立てないんです。いつも打撃でも寝技でも勝てると思っているので、特に作戦を立てることはなく試合をしながら、っていう感じですよね。相手の試合映像を見て、気をつけておかなければいけないことはチェックしておくぐらいで。いつも本能で戦っています」

――本能ですか!

「試合中はセコンドの勝村先生が指示をくださるので、それに合わせて動いています。試合中に、セコンドの指示に『はい!』って返事しちゃうことがあるんですよ(笑)。あとはアイコンタクトで、何をすれば良いのか理解したりとか。勝村先生が心配そうな表情だと、ここで行ったほうが良いのかな、と考えたり……。僕は横浜グランドスラムで育ってきた、純グランドスラムファイターです。勝村先生は僕のことを全て分かっていてくださるので心強いですね」

――その結果、劣勢でも逆転勝ちできるというわけですね。

「アハハハ、確かに逆転勝ちは多いです(苦笑)。前回の試合(RIZINで橋本薫汰に勝利)も顔がボッコボコになりながら、最後はRNCを極めて」

――グランドスラムの内藤頌貴戦も、左ハイを受けてからの逆転勝利でした(2R、ニンジャチョークで勝利)。逆転勝利は、もちろん会場は盛り上がります。対して戦っているファイターは、どのように考えているのでしょうか。

「もちろん最初から、そんな逆転勝ちをしようとは思っていないです。できるならサクッと勝ちたいですよ。でも、ボコボコにされたからって諦めるわけにはいかない。みんなが応援してくれているし、僕も負けたくないし。だから逆転勝ちは、やられていても諦めなかった結果なのかなと思っています」

――ポジティブですね! では次の試合に向けての意気込みをお願いします。

「今回がパンクラス初参戦ということで、判定ではなく、KOか一本で決着をつけたいです。上田選手に勝ってランキング2位になれば、来年にはタイトルマッチを組んでいただけるかもしれないので、ベルトに向けて頑張ります!」

■視聴方法(予定)
12月25日
午後2時30分~U-NEXT
午後2時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE

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