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【Pancrase330】12・25を読む 田嶋椋と暫定バンタム級T、TSUNE─02─「MMA人生を変えてみせます」

【写真】人生でなく、MMA人生を変えるという言葉が大人なTSUNEだ(C)MMAPLANET

25日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されるPANCRASE330で、田嶋椋と暫定バンタム級王座を争うTSUNEのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

社会人野球を離れ、MMAを始めてから14年が経ったTSUNEにとって初のベルト挑戦の機会が訪れた。しかし本来挑むはずであったバンタム級KOPの中島太一が負傷欠場に。結果、今年のネオブラッド・トーナメント優勝&MVPの田嶋椋と、暫定王座を賭けて対戦することとなった。誰が相手でも関係ない、とTSUNEは言う。狙うはベルトのみ――37歳のベルト初挑戦。12・25を読む、第8弾はTUSNEインタビュー後編、TSUNEの意気込みをお伝えしたい。

<TSUNEインタビューPart.01はコチラから>


――ではMMAをやるために上京したのですか。

「30歳までと期限を決めて東京に来ました。ずっと野球をやっていたので、プロのスポーツ選手になることの厳しさは知っていますから。MMAもプロでやっていくのは厳しいと思っていました。だから、やれるところまでやってみようと。それがこんなに長くMMAをやっているとは思わなかったです(笑)」

――もうTSUNE選手はプロデビューから11年、現在37歳ですからね。それだけ野球をやっていると、体力面や体の動きなどは他の選手よりも上だったのではないですか。

「確かに体力的には上でした。でも野球では道具を使うじゃないですか。体ひとつでやるスポーツって大変なんだなって思いましたね。野球ってグローブとボールを上手く使えば三振は取れるし、バットとボールが上手く使えればホームランを打てるんですよ」

――そんなに簡単な話ではないと思います(笑)。ただ、言わんとすることは分かります。

「アハハハ。MMAって、よりパワーを使うと思うんですよ。体の動かし方も全然違うし、大変でしたね」

――上京して最初はGRABAKAジムに通っていたのですよね。

「はい。上京する時に、いろんな人に相談したら『指導員が多いところが良い』って言われたんです。それで名前も知っていたし、2008年にGRABAKAに入会しました。2007年にPRIDEが無くなっていて、テレビで見たような華やかな世界ではなかった。正直、生活も楽ではなかったけど、それもまた楽しかったです。

MMAは自由というか、勝つも負けるも、強くなるもならないも全部が自分次第じゃないですか。ずっとチームプレイしかやったことがなくて、野球だと自分が活躍しても負ける時がある。反対に自分が活躍しなくても、チームは勝つときがある。MMAは試合で勝って生活できるかどうか、全て自分次第なところが新鮮で楽しかったんですよ」

――それはずっと楽しいままでしたか。

「楽しかったです。1日中ジムにいて、ずっと練習し続けていました。でも2014年――30歳になる時に、1引き分けから3連敗していて、もうMMAを辞めようかどうか考えた時があったんですよ。どちらが先かは覚えていないんですけど、ちょうどその頃に山﨑(剛)さんがMe,Weを立ち上げていたので、自分も移籍しました。それも選手としてではなく、コーチやスタッフとしてMe,Weを盛り上げたいと思って」

――もうプロ選手としては引退し、裏方に専念するつもりだったのですね。

「そうです。でも、Me,Weに入ってから最後に1試合勝ってから終わりたいなと思っていたのに、今に至っています(笑)。Me,Weにいろんな選手が入ってきて、僕を支援してくれる方もいて……なんだか辞めたくても辞められない状況になっていました。アハハハ」

――アハハハ、って……。

「30歳を過ぎた頃から自信がついてきたんです。出稽古でも同階級の人にボコボコにされることがなくなってきて。GRABAKAに入った時に山﨑さんから『まずは柔術から』と言われて、1年間ぐらいずっと柔術だけやっていました。だからデビュー当初は相手を抑え込むぐらいしかできなかったんですよ。でも、それがあったうえで打撃も覚えてきて、今に繋がっているんじゃないかと思います。特に打撃が当たるようになってきたから、僕も調子に乗っちゃって(笑)」

――それだけ調子に乗ってもおかしくはない4連勝で、ベルト挑戦のチャンスを掴みました。ただ、それが直前に対戦相手が変更となり……。

「ずっと中島選手の対策をやっていたました。トータルな面では勝てないと思います。だからMMAの全てを出しながら、どこかを突いて勝つための作戦を練っていたところで……。田嶋選手はキャリアが浅いからか『気を抜いちゃダメだよ』と言う人もいるんですよ。もちろん僕のために言ってくれているのでしょうけど、僕にとっては5Rフルで全てを出して競り勝つことが目標だったので、相手が変わっても練習内容を大幅に変えることはないです。しかも幸いなことに、相手は中島選手と同じトータルな面で強い選手ですからね」

――レベルや経験の違いは比較できませんが、田嶋選手も非常にバランスの良いMMAファイターです。

「田嶋選手に対して、彼はランキング6位だし『ネオブラで優勝してすぐタイトルマッチなの!?』っていうような声があるのも知っています。でも中島選手が欠場になり、このタイミングで試合に出られるのが田嶋選手だったんでしょう。僕としてはタイトルマッチが延期されるよりも、試合がなくなるほうが嫌でした。地元の熊本からも応援に来てくれるので。だから試合が行われることは嬉しいし、田嶋選手が受けてくれて感謝しています」

――その田嶋選手にとっては、またとないチャンスとなりました。

「それが怖いですよ。彼には失うものがないから、思いっきり来ると思います。ネオブラ優勝から次の試合でベルトを獲るとなれば、すごいシンデレラストーリーで……。まぁ、僕がそれを叩き潰しますけどね。

自分はずっと『ベルトなんて縁がないんだろうな』と思っていました。でも勝っていくうちにベルトが見えてきて、ずっとチャンピオンになることを意識して練習を続けてきました。今は、何が何でもベルトを獲ることしか考えていないです。次のタイトルマッチは全部出し切って、僕のMMA人生を変えてみせます」

■視聴方法(予定)
12月25日
午後2時30分~U-NEXT
午後2時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE

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