【UFN211】攻めも攻め、守りも守った激闘はシャオナンが2-0でマッケンジーから勝ち&逃げ切る
【写真】勝者も敗者も立派過ぎる激闘。マッケンジーのなかで勿体なかったのは、3Rに引き込んだときにフルガードを取りながら、簡単に立たせてしまったことか(C)Zuffa/UFC
<女子ストロー級/5分5R>
イェン・シャオナン(中国)
Def.2-0:48-47.48-47.47-47
マッケンジー・ダーン(米国)
サイドキックで関節を狙ったシャオナンは、マッケンジーのステップインにカウンターを狙う。さらに蹴り足をキャッチして殴り、関節蹴りを繰り返す。突き放し、近づくと殴るという明確な戦略があるシャオナンと、殴られて組んでいくというマッケンジーの戦いは予想通りの幕開けに。左ジャブから、そのまま入りたいマッケンジーだが、そこで一度足が止まるのはシャオナンの蹴りの距離が長いからか。
それでも関節蹴りに左フックを合わせていったマッケンジーが距離を詰め、ケージに押し込んでシングルを仕掛ける。ケージにもたれウィザーで耐えたシャオナンがヒザをボディに突き刺して離れる。シャオナンは左ミドルに右を合わせる。シングルに出たマッケンジーは足を取ったまま引き込むが、ここもシャオナンが足を抜いて離れる。粗いパンチの連打でクリンチに持ち込んだマッケンジーが右腕を差しあげて投げるも、バックを取りかけたシャオナンが上を取る。ハーフから右腕を差して立ち上がったマッケンジーがケージにシャオナンを押し込んで初回が終わった。
2R、シャオナンが左インロー、マッケンジーはワンツーを振るう。前足を蹴られ、左の蹴りをキャッチされたマッケンジーは座ってスクートから左足を取って離さない。一度は立ち上がったシャオナンが、足を掴まれたことで向き合う。シャオナンは足を抱えられたままニーシールドのマッケンジーを殴る。マッケンジーは頭をシャオナンの方にもっていきデラヒーバの形のまま、トルネードスイープのように跳ね上げつつ、足関節を狙う。
腰を上げたシャオナンに対し、オモプラッタに移行したシャオナンが起き上って肩を極め、そのまま肩固めに入る。ショルダーロックは抜けるが、肩固めをセットしたマッケンジーに対し、シャオナンが自らの太腿を抱えて防御する。
マッケンジーは肩固めを解いてマウントを取り、半身のシャオナンに右のパンチを連打する。ブリッジではねたシャオナンが背中を見せると、すかさずマッケンジーはバックグラブへ。そのままパウンドを続けたマッケンジーは腕十字へ移行する。さらに腕をリリースしてマウントからバックグラブ、殴り続けたマッケンジーがラウンドを取った。
3R、シャオナンが左インロー。マッケンジーに攻め疲れはないか。パンチから組みに行ったマッケンジーに対し、回ってかわすシャオナン。次に腕を取った展開ではマッケンジーが引き込んでいく。しかし、何かを仕掛けようとオープンだったためシャオナンが即座にスタンドに戻る。マッケンジーも立ち上がり、シャオナンはワンツーでケージから離れる。左ミドルを入れたシャオナンは、マッケンジーのテイクダウン狙いを左回ってかわす。ケージに頭から突っ込んだマッケンジーは、すぐに向き合うとロー、前蹴りを蹴られ距離を詰めることができない。
とワンツーに左のカウンターを被弾して足が泳いだマッケンジーは、シングルに入ることができず左ジャブも受ける。パンチが手打ちになり、足が出ていないので組めないマッケンジーは蹴り足を取ってもテイクダウンに繋げることができない。フックでステップインも、シャオナンは右へのサークリングでかわし、右のロングをヒットさせる。シャオナンの制空権を破れないマッケンジーはローで前足を削れ、最後にクリンチから頭を取って払い腰を決めたがラウンドを落とした。
4R、左フックをから組もうとするマッケンジーにヒザ蹴り、サイドキックを顔面に届かせたシャオナンがエルボーを狙う。それでもマッケンジーは右を振ってシングルレッグへ。頭を押したシャオナンが足を引き抜く。果敢にパンチを振るうため、逆に被弾する数が増えたマッケンジーは、シャオナンのエルボーの空振りに組んで頭を取ろうするが押し返されて尻もちをついてしまう。どれだけ疲弊しているのかが分かる攻防の直後、マッケンジーはシングルを切られて前転してから立ち上がる。
シャオナンが左ジャブを当て続け、左インローからパンチを纏めると前に出てくるマッケンジーに右オーバーハンドをヒット。前足もローで真っ赤になっているマッケンジーは、前蹴りで突き放されサイドキックを腹に受ける。それでも組んだマッケンジーは、右を差し上げるがシャオナンのオーバーハンドに引き込みを選択。クローズドに取ったマッケンジーは左腕を抱えてストレーアームロック。ホールドを離し、腰を切って肩抜き後転から腕十字を狙うマッケンジーだったが、シャオナンは腕のグリップを外さなかった。
明確に取っているのは2Rだけ、フィニッシュが必要なマッケンジーが5分に全てを賭ける最終回。左、右を被弾してもパンチを振りまわして組んだマッケンジーは、胸を合わせると右腕を差しいれる。シャオナンはウィザーも、腰に乗せたマッケンジーは右腕を取って浮腰のように投げを決める。マッケンジーは投げた後も向き合って、バックを許さずマウントを取ってパンチから腕十字を狙う。背中を見せたシャオナンのワキをすくい上を向かせようと殴り続けるマッケンジーは、鉄槌を連打する。
背中を伸ばさず亀の状態を取るシャオナンは、ここを凌げば判定勝ちできるため懸命に耐える。絞め、パンチ、そして腕を伺うマッケンジーだが、残り時間は2分を切っている。セコンドを見やり時間を確認するマッケンジー。シャオナンはヒザ立ちになり、文字通り亀のように手も首を引っ込めている。マッケンジーは前方に頭をつけ、シャオナンの頭をステップオーバーしつつ腕十字を仕掛ける。
シャオナンは懸命にグリップを続けるが、残り20秒で腕が離れる。左腕を伸ばしに掛かったマッケンジーだったが、頭をしっかりと刈る態勢になくシャオナンが腕を引き抜く。左のパンチを落とし、当たらなくても左右の拳を振るいまくったシャオナン、ここで時間に。シャオナンはマッケンジーの差し出した手を握って立ち上がるも、ハグをせず両手を挙げて勝利をアピールした。
ファイト・スタティスティックスではシャオナンの有効打が107なのに対し、マッケンジーは73発。コントロールタイムは9分19秒✖4分11秒でマッケンジーがリード。しかし、マッケンジーのサブミッションの仕掛けが2回というのはどういうことか。いずれにせよ1、3、4Rをシャオナンが取っているとみるのが妥当、最終回がビッグラウンドと判断されれば47-47というスコアもありえるが……。結果、ジャッジは48-47が2人、47-47が1人のマジョリティデシジョンでシャオンに凱歌が挙がった。