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【DEEP109】フライ級GP1回戦は本田良介との盟友対決、越智晴雄ー01ー「誰とやっても勝つ」

【写真】越智のプロデビューは2008年、GP出場者の中で安谷屋智弘と並び最もキャリアは長い(C)SHOJIRO KAMEIKE

21日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP109で、DEEPフライ級GPがスタート。越智晴雄と本田良介が1回戦で対戦することとなった。
Text by Shojiro Kameike

7月16日に行われた抽選会で、かつてCAVEで練習を共にしていた2人の対戦が決まった時、会場には重い空気が流れている。そんな盟友対決を前に越智は、意外な事実を明かしてくれた。今年2月、関原翔に判定負けを喫してから考えていたこと。そしてDEEPフライ級GPへの想いを訊く。


――DEEPフライ級GPの具体的なお話を、最初に聞いたのはいつ頃でしょうか。

「6月ぐらいだったと思います。その頃にDEEPでフライ級のトーナメントをやるということを聞きましたけど、まだ具体的な話や正式なオファーはなかったですね。実は、僕はストロー級に戻すことも考えていたんですよ」

――いきなり意外なお話ですね。

「自分としてはストロー級でもいいし、フライ級GPのオファーがあれば出る、という感じだったんです。そこにフライ級GPのオファーが来たので、受けることにしました」

――なぜ一旦はストロー級に戻そうと考えたのですか。

「ベルトが欲しいからです。もともと、いずれ地元の愛媛県に戻ろうと考えていて。チャンピオンになって地元でジムを開きたい。そう思った場合に、ストロー級のほうがチャンスはあるのかなと」

――現役選手として地元でジムを開くということでしょうか。それとも……。

「あぁ、引退とかではないです。最初は引退してから愛媛に帰るつもりでした。それは上京した時から。ただ、いろんな方からアドバイスを頂きまして。現役のチャンピオンとしてジムを開くほうが宣伝しやすいし、みんなも応援してくれるんじゃないかということで、そういう計画を立てることにしました」

――現役チャンピオンが指導するジム、というキャッチコピーは大きいですよね。ただ、東京……特に現在所属しているCAVEと比べた場合、練習環境として不安はないですか。

「環境に関しては全然違いますけど、そこは仕方ないですね。地元でお世話になっていたパラエストラ愛媛の若い選手たちと練習しながら、自分も指導しつつ現役として続けていきたいと思います」

――今年2月、関原翔選手に判定で敗れています。この内容と結果で、DEEPやRIZINのフライ級王座は遠のいたと感じますか。

「そうですね。フライ級でベルトを獲るためには、また何試合も勝ち上がらないといけないと思いました」

――もともと越智選手はストロー級で戦っていました。それが2020年にDEEPストロー級のベルトを失ってから、2021年からフライ級に転向しています。

「やっぱり自分のナチュラルな体重を考えたら、適正階級は間違いなくストロー級ですよね。でも、もちろん組み力もストロー級の選手とフライ級の選手では違いますし。それは練習でも試合でも分かっていました。

ただ、RIZINでもDEEPでもフライ級が盛んでしたから。特にRIZINでストロー級は難しいようだったので、自分もフライ級で試合をしていたという経緯はあります」

――現在はストロー級の主要選手がONEに出ているため、国内プロモーションの動きが活発ではありませんでした。

「はい。そのストロー級よりはフライ級のほうが選手も多いですし。でも何戦か経験してフライ級の選手は、ストロー級の時と比べてテイクダウンするのが難しい場合もありましたね」

――関原戦では2Rに得意のギロチンを仕掛けたものの、極めることはできませんでした。あのギロチンも、いつものような攻めではなく守りであったように見えました。

「ギロチンは階級が上の選手でも極まるんですけど、まぁ……そうですよね。どちらかといえば、ギロチンに行っちゃったという感じでした」

――その関原戦を経て、フライ級GP参戦が決まりました。GPの出場メンバーを聞いたのは、いつ頃のことでしょうか。

「メンバーを聞いたのは、最後の最後ですね。抽選会の時に、誰が出るかを知りました。メンバー全員が、そうだったと思いますよ。それまでは予想ぐらいしかしていなかったです。

抽選会に行ったら、予想とは違う選手もいました。もっとDEEPの若手が出て来ると思っていたんですけど、松場さんや小川さんとか、他のプロモーションに出ていた選手もいて」

――そういった出場メンバーを見て、もう一度ベルトを獲るために……と考えた場合、ご自身はどれぐらいのポジションにいると思いましたか。

「うーん……、どうなんでしょうね。ただ、試合に出るかぎりは勝つ気しかないし、トーナメントに出場するうえでは優勝することしか考えていないです。

強いメンバーばかりが集まったと思います。弱い選手は一人も出ていない。誰と当たっても厳しい試合になることは間違いないですよ。でも、誰とやっても勝つつもりでいないと、最初からトーナメントに出ていないので」

――なるほど。今回のフライ級GPの面白さの一つに、これまで対戦経験のない選手が多いという点が挙げられます。

「そうなんですよね。今まで対戦したことがあるのは、渋谷さんと島袋さん、あと村元さんぐらいです。初対戦になる選手も多いことに対しては特に何も思っていなくて。でも、どちらかといえば再戦はやりたくないので、良かったです。まさか本田さんと対戦することになるとは思っていなかったですけど(苦笑)」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
8月21日(日)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送PPV

■ DEEP109対戦カード

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
原虎徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
小川徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
本田良介(日本)
越智晴雄(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
ビョン・ジェウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
今成正和(日本)
芦田崇宏(日本)

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
鈴木槙吾(日本)

<バンタム級/5分3R>
石司晃一 (日本)
山本聖悟(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
トーマス(米国)

<フェザー級/5分2R>
高野優樹(日本)
山本歩夢(日本)

<ストロー級/5分2R>
林豊(日本)
中村真人(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
ゲオ・レバナ(コンゴ)

<バンタム級/5分2R>
KENTA(日本)
岩見凌(日本)

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