【Grachan75】三上ヘンリー大智が迎え撃つのは、爆発力の元Road FC暫定ミドル級王者イム・ドンファン
【写真】テイクダウンを意識するストライカー対決(C)MMAPLANET
11日(金)、GRACHAN実行委員会は8月10日(日)に東京都江東区のTFTホール500で開催されるGrachan75の対戦カードを発表した。今大会では三上ヘンリー大智が、韓国Road FC元ミドル級暫定王者のイム・ドンファンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike
今年1月、フランスのヘクサゴンMMAでプロ2敗目を喫したヘンリー。当初は6月22日のPOUNDOUT02でイ・イサクを相手に復帰戦を行う予定だったが、イ・イサクの欠場により試合は中止に。両者の対戦が流れるのは、これで4度目。結果、ヘンリーの試合は今回のGrachanにスライドされ、イム・ドンファンを迎え撃つこととなった。
イム・ドンファンのMMA戦績は6勝8敗と負け越しているが、戦績のイメージと実力があまり一致しないのが韓国MMAの特徴でもある。アマチュア時代は208~209ポンド、つまりライトヘビー級よりやや重い体重で戦うこともあったイム・ドンファン。プロデビュー以降はミドル級に落ち着くも、時おりライトヘビー級やヘビー級の試合にも応じていた。しかしミドル級戦も含めて黒星が続く。2023年にはRIZINでヘビー級のスダリオ剛とも戦っている(3R TKO負け)。
ただし、イム・ドンファンはそのスダリオ戦でもロー&カーフキックを受け続けながらも、右ストレートを当てていた。スダリオ戦以降の3戦はいずれもミドル級で戦い、まず昨年8月はRoad FCライト級~ウェルター級の雄、ユン・テヨンを打ち合いからの左フックで沈めている。
続く12月にはラ・インジェとRoad FCミドル級暫定王座を争い、延長戦開始早々にパンチの連打で相手を沈めてベルトを巻く。今年3月、正規王者ファン・インスとの統一戦には判定で敗れたが、負傷があったか右肩に大きなテーピングを巻きつつも、最後まで前に出続けたのはイム・ドンファンだった。
イム・ドンファンのファイトスタイルは、まずプレスをかけながら右ストレート→テイクダウンに繋げるというもの。スダリオ戦、ファン・インス戦でもロー&カーフを受けて止まることはなく、ケージ際での差し合いに持ち込む場面もあった。
さらに距離が詰まるとワンツーからパンチの連打が飛んでくるだけに、距離をとりながら多彩な蹴りを放つヘンリーでも、ここで安易に下がることは避けたいところ。一方でミドル級では減量の影響か、試合が長引くと疲労も見られるイム・ドンファン。このタイプが相手となった場合、やはりカギとなるのはヘンリーの試合勘、ひいては距離感だ。しっかりとチャンスを見極めることができれば、ヘンリーがパンチで仕留める可能性も十分にあるだろう。
また今大会に出場する尾崎蓮、野澤海斗、そして佐藤藏ノ介は5月のGrachan74で初参戦あるいはプロデビューを迎えたファイターだ。いずれも前戦は新鋭同士の対戦でフィニッシュ勝利を収めており、こうしたフレッシュなファイターたちの今後も期待される。同日にはMMA甲子園 夏の全国大会トーナメントも同時開催されることとなっている。