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【Road FC61】好勝負。自然なスイッチ、近い距離を自分の間としたイ・ジョンヒョンが秋葉太樹に競り勝つ

【写真】ここが完全にイ・ジョンヒョンの間になっていたか。精神的に窮屈な状況から組むことが秋葉は多かった(C)ROAD FC

<フライ級/5分3R>
イ・ジョンヒョン(韓国)
Def.3-0
秋葉太樹(日本)

左前蹴りを見せ、構えを変える秋葉に対し、イ・ジョンヒョンがカーフを蹴る。イ・ジョンヒョンは上下の蹴りを繰り出し、右を軽く伸ばす。左ジャブを受けた秋葉が前に出るが、左をカウンターで受ける。右ハイをキャッチされた秋葉は、そのまま跳びつき三角を狙う動きを見せたが、落とされ足関節へ。察知して離れたイ・ジョンヒョン、秋葉は左ジャブを伸ばす。秋葉の右に左を合わせたイ・ジョンヒョンは、今成ロールにも反応する。

イ・ジョンヒョンのワンツーをかわした秋葉は、右ロー。イ・ジョンヒョンが左ミドルを返し、構えを変えつつ距離をつめる。ダブルレッグを切られた秋葉は、ジャブから右ローを蹴られシングルレッグは決まらない。ジャブに右を合わせ、前に出るイ・ジョンヒョンに秋葉もワンツー、ローを蹴り、左ジャブを入れる。

奥手を振って前に出て、構えを変えるイ・ジョンヒョンのレンジにならないよう戦う秋葉は、足を止めての打ち合いにも応じる。しかし、Road FCは手数、そして前に出る姿勢を有効とみなす傾向があり、初回はイ・ジョンヒョンがリードした。

2R、打撃で張り合っている秋葉、だからこそクリーンテイクダウンかキャッチ級のサブミッションが欲しい。スイッチする秋葉はオーソでヒザ蹴り、テイクダウン狙いはここもスプロールされる。と、ケージを背負った秋葉はジャブを打たせて右オーバーハンドへ。これを見たイ・ジョンヒョンは、左ジャブ、右フックを振るうとヒザ蹴りを見せてスイッチする。基本、オーソで左ジャブが軸となっているイ・ジョンヒョン。秋葉はヒザ蹴りから右フックを伸ばす。右カーフをチェックした秋葉が右を振って前に出るが、イ・ジョンヒョンが右ミドルを蹴り込む。

秋葉も右ストレート、ジャブを打ち返してスピニングバックフィスト、そしてテイクダウン狙いも切られる。ジャブを伸ばした秋葉に、イ・ジョンヒョンがカーフを蹴る。続いて右ボディを入れたイ・ジョンヒョン、近い距離で秋葉も顔を狙って拳を振るう。と、左からの右オーバーハンドをヒットさせたイ・ジョンヒョンがワンツー、ワンツーというリズムで圧を掛ける。この辺り、イ・ジョンヒョンの間になっており、秋葉のテイクダウン狙いは窮屈で、良く見られてしまっている。

クリンチの攻防でボディを連打して離れたイ・ジョンヒョンに対し、秋葉はカーフをチェックして右オーバーハンド、左ジャブを繰り出す。秋葉の左ローが急所に入ったとイ・ジョンヒョンがブレイクを要求し、試合が中断する。

再開後、ワンツーフックで詰めてきたイ・ジョンヒョンに対し、秋葉がワンツーを逆に決める。さらに前に出てジャブ、時間になると両者が笑顔で手を合わせた。

最終回、ハグから戦闘再開。ローにジャブを秋葉が合わせ、前蹴りを見せた秋葉は左ミドルを蹴られても前に出る。ヒザ蹴り、左ジャブと精度で上回る秋葉が、カーフをカットする。イ・ジョンヒョンは踏み込みの勢いがやや落ちたか。それでもカウンターの右を当てたイ・ジョンヒョンが、左ミドルから組みつくと秋葉が姿勢を乱して尻もちをつく。一瞬のガードから、すぐに立ち上がった秋葉にイ・ジョンヒョンがスイッチしてカーフを左右から蹴る。やや間合いが広がったところでイ・ジョンヒョンはオーソで前に出ると、一、下がってスイッチ、直後の左ハイが秋葉のテンプルを捕らえる。

ここからパンチをまとめにいくイ・ジョンヒョンだが、秋葉も劣勢ながら打ち返すとダブルレッグから引き込む。ニーシールド&足関を仕掛けた秋葉だが、イ・ジョンヒョンが体を反転させて足を抜く。ここで組めなかった秋葉は、立ち上がりながら距離を取るがケージを背負ってしまった。即イ・ジョンヒョンは左ボディフックを入れ、右ストレート。ダメージか疲れたか、動きが落ちた秋葉を見て後ろ手に組み挑発する。

軸が乱れつつ、パンチを振るう秋葉。これをかわしたイ・ジョンヒョンが体をふって、ここも挑発。残り1分、下を見ろという仕草から左ジャブを入れたイ・ジョンヒョン。鼻につくこざかしい動きは、彼も疲れている表れだ。

秋葉がレンジに入った時に攻撃するイ・ジョンヒョンは、30秒を切ると再び前に出るや秋葉の左にテイクダウンを合わせてトップを奪取。寝技に付き合わず、立ったイ・ジョンヒョンに何やらレフェリーから注意が入ると、再会と同時にタイムアップに。あのタイミングで、間に入る必要はないと思われるが、勝負は判定にもつれ込みイ・ジョンヒョンに軍配が上がった。

近い距離を自身の間として戦えるイ・ジョンヒョン、それ故に秋葉は良い形で組めなかった。

そして綻びが見え始めた3Rに左ハイを効かせたあたりは、やはり非凡なモノを感じさせるイ・ジョンヒョンの判定勝ちだった。一方、結果が伴わないことには納得はできないであろう秋葉だが、相手のホームで胸を張れる勝負を見せてくれたことは間違いない。


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