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【Bellator283】パトリッキー・フレイレに訊く、アウトロー✖ムサエフ─01─「勝つのはムサエフ」

【写真】いつも通り、非常にフレンドリーなパトリッキーだった(C)BELLATOR

22日(金・現地時間)、ワシントン州タコマのエメラルドクィーン・カジノ&ホテルで開催されるBellator283「Lima vs Jackson」。

そのコメインでライト級のシドニー・アウトロー✖トフィック・ムサエフが組まれている。本来、アウトローはパトリッキー・フレイレの持つBellator世界ライト級王座に挑戦予定だったが、王者の負傷欠場によりノンタイルでムサエフと戦うことになった。

ここでは負傷欠場したチャンピオンに、両者の試合の行方を占ってもらった。今年に入って十分にアウトローの研究をし、2019年の大晦日にRIZINでトフィック・ムサエフと対戦しているパトリッキーこそ、アウトロー✖ムサエフ戦を予想するに相応しい者はいない。


──パトリッキー、今週末のBellatorタコマ大会でライト級初防衛戦を行う予定でしたが、負傷欠場となりました。一体、何が起こったのでしょうか。

「今年の最初にアウトローとの試合が実は決まっていたんだけど、柔術のトレーニング中に股間の内側を負傷してしまい、結果として試合の延期を申し入れたんだ。そして、Bellator283で戦うことが決まったのに、また数週間前にケガをして試合を戦う状態に仕上げるには、十分な練習ができなくなった。だから再び試合の延期を伝えないといけなくなってしまった」

──現状、体の調子はいかがですか。

「大丈夫だよ。ボクシングの練習は続けることができている。そこにヒザ蹴りやキックを時々加えているよ。ただし、グラップリングはやっていない。今はボクシングとストレングス&コンディションだけやっているんだ」

──今回、試合がなくなったパトリッキーですが、シドニー・アウトロー✖トフィック・ムサエフの予想をしてもらうのに一番適していると思いインタビューをお願いした次第です。対戦相手としてアウトローの研究をし尽くしたでしょうし、実際にムサエフとは戦っていますので。

「勝つのはトフィック・ムサエフだよ。ムサエフは打撃に優れていて、レスリングも強い。スタミナもある。まぁ、どうなるか試合を見てみないと分からないけどね。俺がムサエフと戦ったのはRIZINで、リングだった。ケージとはチョット違う……でも、勝つのはムサエフだろう」

──リングとケージ、パトリッキーは「少し違う」とのことですが、随分と違うと思います。実際、リング下に転落したではないですか。

「確かに、リングとケージは違うね。ケージならもっとテイクダウン・ディフェンスをしやすい。リングは違う。テイクダウン防御が困難になる。そこは……とても違う。ムサエフのRIZINでの強さはとても印象的だ。でも、サトシにあの負け方をした時は驚かされた。俺に勝っておいて、あの負け方はないだろう。サトシのことを決して軽く見ているわけじゃない。ただ、あの試合のムサエフは変だった。試合に集中できていなかったと思う。とにかく俺に勝った次の試合で、あれはない」

──パトリッキーは常にアグレッシブで勇敢なファイターです。でも、ムサエフと戦った時は積極的というよりも粗かった。普段よりワイルドだったのはサッカーボールキックが認められたルールが関係しているのではないかと思った次第です。

「その意見には賛成するしかない。ベラトールでは禁止されている、サッカーボールキックが認められていたからね。RIZINルールは、より俺をアグレッシブにさせているのは確かだ。殴り倒した後、ベラトールでは倒した相手を仕留めるにはグラウンドにいく必要があるけど、RIZINでは頭を蹴ることがデキるからね

俺はストリートファイトを随分とやってきた。RIZINルールは、俺の本能を呼び起こしちゃうんだろうな。アハハハハ。だから狂暴になってしまうんだよ(笑)」

──RIZINルールというよりも、気持ち的にはPRIDEルールなのでは?

「俺がMMAを始めた時、PRIDEは一番の団体だった。キング・オブ・オーガニゼーションだったんだ。最初の6年間、練習も試合もPRIDEルールで戦ってきた。だから、あの姿は紛れもなく、俺のある一面を表しているよ」

──そういうRIZINで戦ったムサエフの印象を改めて教えてください。

「体力を下地にした、爆発力が凄くある。だからやり過ぎてしまう嫌いもあり、結果、試合をフィニッシュできないケースが生まれている。終わらせるポジションを取り続けないんだよ。その一方で蹴りを何度もキャッチされてことは、勉強になった。ムサエフに対して、俺の強力な蹴りは効果的ではなかった。

ムサエフの一番の武器はパンチ力だ。打撃が凄く良いし、レスリングも同様だ。ただし柔術が弱点だろうね。それは、もうサトシとの試合で露呈してしまっている」

──ではシドニー・アウトローはどのようなファイターだと思っていますか。

「シドニー・アウトローもレスリングが優れている。打撃は酷いけどね。柔術はまぁまぁかな(笑)」

──アウトローは左ジャブが綺麗だと思います。ただし、左足に重心が掛かり過ぎている。相手がパトリッキーだと、ローやカーフの餌食になるのではないかと。あのスタンスからの攻撃は、ムサエフに有効だと思いますか。

「左ジャブで圧力を掛けるのは上手い。そして、あのスタンスでは対戦相手に足を蹴られるだろう。その機会を自ら与えているようなものだからね。加えてフック、クロスカウンターの餌食にもなりやすい。トフィックはフェイクも巧いし、シドニーに罠をかけて前に出させる。そして、反応させて目の前に立たせるんだよ。そうすることで、テイクダウンも奪いやすくなる。

シドニーは良いジャブは持っているけど、他の打撃が良くない。そんな相手に対して、ムサエフは有効な攻撃手段をいくつか持っているんだ」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
7月23日(土)
午前7時30分~ U-NEXT

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