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【ONE→???】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(11)上久保周哉「もう7月いっぱいは大人しくして」

【写真】飄飄とこれからについて語る。この辺りも上久保の強さ。そして──強さに人は巻き込まれていく (C)MMAPLANET

1月14日にトロイ・ウォーセンとのスクランブル戦を制し、最後は一方通行に動きを制限させたうえでのRNCでの一本勝ち、上久保周哉の2022年に過去最高の期待が募った。

あれから半年、上久保は国内で組み技戦に出場しただけで、MMAでは一切戦っていない。聞こえてきたのはONEとの契約をしないと判断したということ。3年半で6勝0敗、サークルケージを離れる決意をした上久保に、現状とこれからについて尋ねた。

2022年、春(※既に梅雨明けだが)~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第11弾は上久保周哉の言葉をお伝えしたい。


──1月にONEでトロイ・ウォーセンにRNCで一本勝ちをして以来、音無しの状態でした。上久保周哉は何をしているのか、ということでインタビューをお願いしようと思った次第です。

「今は……えぇと、1月の試合後にONEから契約更新の話はありました。次のタームの初戦がタイトル挑戦というモノでしたが、更新しないことを決めました」

──タイトルに挑戦できるという話があって、なおフリーランスを選んだのは?

「その話は1月の試合後から、けっこうすぐのタイミングであって。まだビビアーノ・フェルナンデスとジョン・リネケルの世界戦が行われる前でした。つまり、その2人の世界戦の勝者が了承するまで、僕には試合機会がないということが頭にありました」

──ビビアーノかリネケルに挑戦できるという評価を得たことは関しては、どのように思っていたのでしょうか。

「それはやってみたい試合です。特にリネケルはUFCでトップでやっていたので、その強さを体感したという気持ちは凄くありました」

──ただし、結果的に3月に世界戦が行われたので、下手をすると8カ月や9カ月ぐらいは試合ができないかもしれないという状況を嫌ったと。

「ハイ。そんな風に試合ができないという予測を立てました。そこに加えて、契約試合数と契約年数が今の僕には最適でないと思ったからです」

──プロモーションからすれば、マルチイヤーとマルチファイト期間がプロモーションとしての防衛手段でもありますが、合意できなかったということですね。

「契約期間が長いと感じました」

──つまりは上久保選手がONEを安住の地として捉えていなかったということですね。

「ハイ、そうですね。ONEにも強い人はいます。ただ、これ以上残ると一周してしまうと思いました。新しい選手が多く契約している状況でもないですし。そうなると、契約を更新しても僕の中でもう少し強い選手と戦いたいという気持ちが芽生えてくると感じました」

──とはいえONEのなかでもスティーブン・ローマンやファブリシオ・アンドラジのような顔を合わせていない強い選手も在籍しています。

「ハイ。ただし、それほど食指が動くことはないです。昔から第1希望はUFCではあったので。ONEと契約したのはUFCにステップアップを図るうえで最適だと思ったからです。6勝1敗1分だった僕と契約してくれて、3年半の間に東南アジアの選手から韓国人選手、ノーギワールドの優勝者(※ブルーノ・プッチ)やNCAAの強豪であるウォーセンと戦わせてくれたONEには感謝しています。

日本では戦えない相手との試合で、キャリアを創らせてもらったと思っています。対戦相手のクオリティがあって、そこに向けての準備で自分が強くなれるのでONEにいる間に強くなれたと思っています。日本で6試合やっているのと、ONEでの6試合では得られる経験は全然違っていたはずだし。でも、ここからはUFCに繋がる道を進んでいきたいと思っています」

──では契約を更新しないと決めてからUFCを目指し、どのように動いてきたのですか。

「今はマッチング期間で、他との契約に関して交渉は実際には行っていないです」

──松嶋こよみ選手もそうでしたが、契約が切れて半年間は他のプロモーションで戦うのにONEの了解がいるという理解で良いでしょうか。

「そういうものです。だから試合のオファーがあっても、具体的な話はONEを通す必要がある。なら、まぁ交渉も進まないだろうし、僕の方から積極的に動くことはなかったです」

──試合の話というのは具体的には?

「話があったのはBRAVE CFですけど、ONEとのマッチング期間だと伝えると簡単に引き下がっていました。ショーン・シェルビーからも『ONEとの契約はクリアになっているのか』とは、やはり聞かれました」

──ショーン・シェルビー!! それはUFCからも話があったということですか。

「そこは売り込んでもらったからです。その時に『すぐにオファーを出すとすればRoad to UFCか、コンテンダーシリーズだけど』という話でした」

──それでONEに話を通した?

「いえ。マッチング期間はもう大人しくしていようと。特に辞めていく選手にリアクションが良いわけじゃないですし。なら7月いっぱいは、このまま音無しの構えで大人しくしていこうかなという風でやってきました」

──まぁ、そうなると他人事というのは冷たいようで世の常というか。とにかくフリーになるのを待っている状況だということですね。この間、Road to UFCがあっても出ることができなかった。それは忸怩たる想いだったのでは?

「アジア・トーナメントの話はしてもらっていましたし、面倒くさいことを避けたから出られなかったと捉えています。対戦相手のことは聞かされていなかったですけど、直前に代役を探している時もまた話は来ましたし(笑)」

──ズバリ、マッチング期間でなければRoad to UFCに出ていましたか。

「出ていたと思います」

──では実際に出場しているメンバーを見て、仮に出場していたとして優勝できる自信はどれだけありますか。

「まぁ世の中100パーセントはないですけど、100パーセントの自信はあります」

──中村倫也選手の勢いを見てなお、そう断言できるのですね。

「大事なのは勢いじゃないから。だからキム・ミンウとやりたいなっていう気持ちが大きいです。トーナメントは優勝云々ではなくて、キム・ミンウと戦ってみたい。あのトーナメントを見ていると、そう思います。正直、日本人選手と戦ったキム・ミンウ以外の外国人選手は正直、雑魚だったじゃないですか。UFCレベルじゃない。ああいうのを見ていたら、キム・ミンウが一番興味あります」

<この項、続く

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