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【UFN204】どこまでも厳しいオクタゴンの現実。佐藤天、グンナー・ネルソンに完封負け……

<ウェルター級/5分3R>
グンナー・ネルソン(アイスランド)
Def.3-0:30-26.30-26.30-26
佐藤天(日本)

右ジャブを見せながら、圧を掛ける佐藤が左ローを蹴る。続いて左ミドルを見せると、ネルソンも右ハイを返す。右を振るって前に出てきたネルソンを突き放した佐藤は、組まれないように戦うが右ミドルで腹を蹴られる。右を振るって組みに来たネルソン、ここも佐藤は組ませずジャブを伸ばす。首を取り合い、離れた両者。一発で踏み込んでくるネルソンにの動きに佐藤は対応していたが、足へのテイクダウンからボディロックにスイッチされると、バックを譲り寝技に持ち込まれる。

ワンフックのネルソンが四の字フックに佐藤を捕らえ、後方から鉄槌、エルボーを肩口に打ちつける。耳の後ろを殴られ厳しい状態の佐藤だが、腹ばいにならずに我慢の時間を過ごし、時間に。初回を佐藤は落とした。

2R、佐藤の左ストレートに右ハイをネルソンが合わせようとする。パンチと組みが混ざったような右を伸ばすネルソンが、右ミドル。佐藤は組まさず離れるが、自らの攻撃を入れることはまだできていない。ここでネルソンが右の突きを当てる。それほど多くない動きで、自分の距離を維持するネルソンが右を振るって前に出る。

とダブルレッグで倒された佐藤は一気にパスを許してしまう。サイドで抑えたネルソンは、枕で圧を掛けニーインベリー。腹ばいになり、足を取りに行った佐藤のバックに回ったネルソンが、足を一本入れてRNCをセットしつつ再び四の字フックに。左手を取って絞めを防ぐ佐藤だが、右で殴られる。胸を合わせることができなまま2Rも終わり、佐藤はポイント2つリードを許した。

最終回、左を伸ばして前に出る佐藤。ネルソンは左を見せて組みへ、佐藤が自分の形でクリンチ、そして離れる。ネルソンはこれまで通り右を伸ばしつつテイクダウンを狙う。離れた佐藤は左を入れ、ネルソンが鼻血を流している。と、ここも一発でダブルレッグを決めたネルソンがテイクダウンから一気にバックを取ってボディトライアングルに。左右の側頭部をネルソンが殴り、佐藤はここも防護に徹するしかない状態に。

ボディと顔面にパンチを続けるネルソンに、後方へのパンチを見せた佐藤だが左腕をアゴの上から通される。ツーオンワンで耐えた佐藤だが、ネルソンはアゴの上からネッククランク気味に絞めていく。ここも佐藤は極めさせなかったが、残り30秒を切って絞めのディフェンスに終始する。最後まで胸を合わせることができなかった佐藤は、タイムアップと同時に正座──縛らして立ち上がると、ネルソンに深く一礼した。

ジャッジの裁定を聞くまでなく、判定負けは確実な佐藤。ジャッジは3者とも30-26で、ネルソンを支持した。「タカシは防御が固かった。もっとスクランブルに来ると極めることができたと思うけど」と話した。ようやく手にしたオクタゴンでの戦い──で、完封負けを喫した佐藤。どれだけ努力しても、届かない現実はある……のだろうが、諦めては何も起きない。何も起こせない。佐藤には酷な話だが、無限の頂を目指し顔をあげてほしい。


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